競泳の池江璃花子選手が白血病と公表し、それを受け五輪相のコメントが多くの人に不快感を与えたようでSNSなどで批判が相次いだ。また大阪のラーメン店の店主があるタレントのことをツイッターで呟き、その呟きに批判が相次ぎラーメン店に苦情の電話が殺到する始末。いずれにしても軽率で配慮のない言動は社会から大きく批判される時代だ。軽率な言動を取る人間に問題はあるが、よってたかってSNSや電話でその人間を追い詰めることに違和感を覚える。
「見ざる聞かざる言わざる」と言うが、自分に都合の悪いことや人の欠点や過ちなどは、見ない、聞かない、言わない方が良いという例えだが、現代にも通じる諺だ。
ネットやSNSには多くの情報が溢れているが、「パレートの法則(20:80の法則)」を当てはめると80%は無駄な情報で、その情報に多くの人が群がり電車に乗っている時も歩いている時もスマホをいじりネットやSNSに夢中になっている。
今の時代は周りの人との関係が希薄なので、持て余した時間をネットやSNSを利用し世界と繋がることで安心するのだろう。しかしネットやSNSで繋がる時間をもっと有効に使い、身近な人のための時間や自分を磨く時間に充てるべきではないだろうか。一週間に一日くらいスマホやパソコンを利用しない日があっても良いと思う。たまには青空を眺め風の音に耳を傾けてみることで新たな発見があるかもしれない。
先日、甥っ子がスマホの充電器を忘れたようで僕の充電器を貸してあげると、スマホの機種が違い充電することができず彼は焦っていた。
「別にスマホの充電が切れても死にゃせんよ」
僕は甥っ子にそう言った。
テレビを見ていると、高校生がテレビの取材で答えていた。
「スマホは命の次に大切です。スマホが無いと死んだも同然です」
遂にこの世界は狂い始めたと、僕は耳を疑った。
「死んだも同然なんだ…」
世界中にゾンビが増殖している。
「おい!鬼太郎!」
written by SDB-1
立春を過ぎ暦の上では春となり心躍るが、世界に目を向けると問題は山積みだ。海外ではアメリカのトランプ大統領が自国主義を唱え地球温暖化のパリ協定を脱退し、INF(中距離核戦力)全廃条約も破棄した。またアメリカと中国は覇権争いで貿易戦争が長引き、フランスではマクロン政権への不満から暴動が起き、ブレグジットでイギリスは大きく揺れている。
日本も韓国駆逐艦による海上自衛隊機へのレーダー照射や徴用工の賠償問題で韓国との関係は悪化し、未だ北朝鮮による日本人拉致問題は解決の糸口すら見えない。また中国やロシアとの領土問題で進展はなく、日本を取り巻く環境は穏やかではない。
国内政治では厚労省による不適切な統計問題が発覚し、政府機関が出す統計はどれも信用できず、アベノミクスの経済効果も不透明だ。日本政府が発表する統計や数字は中国同様にでたらめではないかと思ってしまう。これからの世界、そして日本は一体どこへ向かうのだろうか?これから世界の中でどう生きれば良いのだろうか?
グローバルという言葉は以前から叫ばれているが、実際、日本人でグローバルに世界で活躍している人は一握りしかいない。英語が堪能で世界中に出掛け、沢山の人種に出会い新しいものや異なった文化に触れることで、世界と日本を俯瞰で見ることができる。またこれからはAIやロボットの進歩により世界は大きく一気に変わるだろう。
先日、高校生の甥っ子が訪ねて来た。僕が妹夫婦に渡した数冊のお金に関する本を甥っ子が読んで刺激を受けたそうで、億万長者になるため株式投資の基本を教えてほしいと言う。僕は若いうちから株式投資を始めることに異論はないが、投資するためには軍資金を貯めないと投資はできないことを伝えた。そして今は英語力をしっかり身につけ世界中に友人を作り、世界をマーケットにする仕事に就き、自らを磨きながら貯金をするべきだと助言した。
「おじちゃんの言う英語力を付けることはわかるし、就職してお金を貯めることもわかる。でも早く株式投資の勉強をして億万長者になりたいと。今まで貰ったお年玉をちゃんと貯金しとる」彼がそう答えたので、僕はこう返した。
「お年玉で株式投資か(笑)。お前の貯めたお年玉で株を買って、その株価が下がりお年玉がみるみる減っていくことに耐えられるや?株式投資はリスクが高いけん、メンタル面を鍛えて経済や会計など色々学んで場数を踏まんと上手くいかん。株で簡単に億万長者になれるんやったら、世界中の全ての人間が億万長者になっとる」
「なるほど…」甥っ子は少し納得したようだ。
これからの時代を生きていくために若者をしっかり育てなければ、激しく変化する世界では生きていけないだろう。
written by キム・ジー
この世には人になりすまし二枚の舌を持つ妖怪がいる。僕はその妖怪を「妖怪二枚舌」と呼んでいる。彼らはもともと人間だったのだが、過去に起きた辛い経験をあまりにも長く引きずったため、いつの間にか妖怪に化けてしまった。辛いことがあっても気持ちを強く持ち、気持ちを切り替え、ポジティブに生きていれば妖怪にならずに済んだのに。
彼らは自らを防衛するため、また自らを強く見せるため人に合わせて話す内容を変え、平気で嘘を付き気に入らない人を陥れる。彼らと出会って直ぐに「妖怪二枚舌」を見抜くことは難しいが、彼らをよく観察していると時間の経過とともに見分けがつく。
本来、企業の目的は良い商品や良いサービスを消費者に提供し、消費者がその価値を認めて満足してくれることにある。そしてその商品やサービスの対価として収益が生まれ、収益を社員や地域に還元し更に企業は成長していく。
企業の規模が小さく駆け出しのころはお客さんのために知恵を絞り、また外部の競合企業に目を向け社内の絆は非常に強い。しかし企業が急成長すると後戻りすることができなくなり、企業の目的が良い商品や良いサービスを提供することよりも収益重視の売上至上主義になってしまう。
また企業が急成長すると業務内容が一気に拡大するため多くの人員を確保しなければならず、積極的に中途採用を行い企業内は外人部隊のようになってしまう。以前から働いていた社員と新たに中途採用された社員では文化も考え方も異なるため社内で隔たりができ、血の巡りが悪くなってしまう。そして急成長した企業は社員の成長が企業の成長速度に追いつていないので、重要なポストに外部から招聘した人を配置することになる。当然、重要なポストは社内に及ぼす影響は大きく、与えられた権力も大きい。
もし、その重要なポストに外部から招聘された「妖怪二枚舌」が就任しまったら…。社内は派閥ができ、社員は疑心暗鬼になり大混乱してしまう。
企業も人も成長速度を追求せず、足元を固めながら確実に未来に向け歩くべきではないだろうか。そして経営者は十分に人を見る目を養い、社員の舌の枚数を数え「妖怪二枚舌」を見分けなければならない。周りを見渡すと二枚と言わず三枚も四枚も舌を持っている妖怪までいる。きゃーーー
「おい!鬼太郎!」
written by ベイダ―