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2019年06月14日

金融庁の金融審議会がまとめた報告書「高齢社会における資産形成・管理」(2019年6月3日発表)によると、「人生100年時代」に95歳まで生きる場合には夫婦で約2,000万円の貯蓄が必要と指摘した。その根拠として65歳の世帯で毎月の年金の平均受取額は約20万円、それに対して平均支出額は約26万円だ。つまり毎月の赤字額は6万円で年間72万円の赤字となる。65歳から95歳まで30年あるので72万円×30年=2,160万が必要になり約2,000円が必要になると金融庁は指摘している。
金融庁のこの発表に多くの人が将来の不安を感じたようで、報道番組のインタビューなどでは「そんな大金を貯めることは無理!」と、みんな口を揃えて政府を批判していた。

老後の必要資金を政府がわざわざ発表するとは、将来の老後資金について考えていない人があまりに多いからなのか、それとも年金を当てにせず自助努力をしろというメッセージなのだろうか。いずれにしても政府が試算した金額は65歳以上の方の平均収支から計算されており、この中には住宅費用が含まれておらず、前提として65歳までにマイホームのローンを支払い終えた人の金額だ。そのため住宅ローンを完済していない人や賃貸住宅で生活する人はさらに家賃が必要となる。またこの試算には家の修繕費などは含まれておらず、さらに医療費などの突発的な費用も含まれていないため、実際の費用とは大きく乖離しているだろう。
金融庁の指摘は多くの人が老後になって慌てることのないようにと、親切心からだと僕は捉えているが、複数の老後の生活タイプ別に老後資金を提示するなど、もっと丁寧に試算する必要があるのではないだろうか。

国は企業に70歳まで雇用延長を要請しているが、雇用年数が長くなることで退職金はこれからさらに減額されることになり、しかも将来の日本の実質賃金は今より減り、逆に税金や社会保険費は増えるので、早い時期からライフプランを作ることが必要だ。
さらに一度作ったライフプランではその後の長い人生で通用しないこともあり得るので、経済の変化や税制改正に合わせライフプランを見直し、時代に沿って最適化しなければならない。

ひと昔前の老後は今まで頑張って働いてきた苦労から解放され、悠々自適に趣味など自分の楽しいことに時間を費やし旅行に出掛けることもできたが、これからは死ぬまで苦労から解放されることはないのかもしれない。
仕事好きで「一生現役」と、やたら口にする元気な高齢の方もいるが、これからは元気でなくても皆、「一生現役」になってしまいそうだ。

written by ジェイク


2019年06月07日

今週火曜19時頃、福岡市の中心部に近い場所で高齢のドライバーが運転する車が時速100キロを超える猛スピードで中央線をはみ出し複数の車と接触し、赤信号の交差点に突っ込む事故があった。この事故で高齢のドライバーと同乗していた方(ご夫婦)が亡くなった。事故現場の周囲には高校や中学校がある住宅地で日頃から混雑しており、事故発生時は帰宅する学生や会社員なども多く、あわや多くの犠牲者を出すところだった。
事故現場は大破した車や横転している車もあり、まるで爆発でもあったような散らかりようだった。ひょっとすると、運転していた高齢のドライバーは突然健康上のトラブルが起きたのかもしれない。

以前、高齢で癲癇を患った親父に車の運転を止め免許証を返納するよう僕は強く勧めた。

「親父は病院で癲癇と診断されたっちゃろ。危ないけん車の運転を止めんね。事故ば起こしたらどうすると?ひとり事故で自分だけが怪我するならまだよかばってん、相手のおる事故で相手に怪我ばさせたらどげんすると?大変なことになるばい!」
「車を運転せんやったら買物も行けんし、どこも行けんやないか」

親父はこう言って車の運転を止めようとはしなかった。

数か月後、癲癇の持病を持つドライバーが交通事故を起こし大きく報道された。事故は配送業務中のドライバーが癲癇による発作で運転中に失神したようで、車は暴走し事故を起こした。この事故でドライバーを含め8名が亡くなり10数名が重軽傷を負った。ドライバーの勤めていた会社はドライバーが癲癇であることを知っていたが、日常的に配送業務を行わせており、裁判で責任を問われ被害者に賠償することに。そして信用不安による経営悪化でその会社は倒産してしまった。
この事件が大きく報道されると、親父は直ぐに免許証を返納し車の運転を止めた。

つい先日も池袋で高齢のドライバーが運転する車が事故を起こし、若い親子が亡くなっている。今週、福岡で起きた高齢ドライバーは池袋の事故の報道を見て直ぐに車の運転を止め免許を返納していれば、今回のような事故は起きなかっただろう。
まさか自分が事故を起こすなんて誰も考えていないだろうが、高齢者の危険運転や交通事故は増加しており、これから日本はさらに高齢者が増えていく。国は交通法の改正などスピード感を持って対策を行わないと、危なくてやすやすと外出もできない。ネットに高齢者のドライバーによる事故のことをこう書いてあった。

「高齢者の自爆テロ」

written by ダニエル


2019年05月31日

先日、死後の世界を解明するドキュメンタリー番組を見た。番組では多くの臨死体験者にヒアリング調査を行った結果から見えたものや、現在の脳科学の研究から考えられることを紹介していた。

まず臨死体験者の多くは心肺停止後、前方に見える光に向かって暗いトンネルを進み、トンネルを抜けると目の前には美しく輝いた世界が広がっているそうだ。そこは美しい花畑が広がった幻想的な世界で、溢れんばかりの幸せを感じることができると証言していた。また良い香りや穏やかな音楽が流れていたと証言する人もいた。
そして死んだ自分の親や近親者がそこに現れて元の世界に戻るよう促され蘇生し、目が覚めたと言う。本当に死後の世界は美しい花畑が広がり、幸せに満ち溢れた世界が存在するのだろうか。

また脳科学の分野から死後の世界を研究する医者を取材していた。脳科学を研究するアメリカの女性医師は死んだネズミの脳がどう変化するのか研究しており、心肺停止した多くのネズミの脳を調べている。以前は心肺が停止すると、脳に酸素が供給されなくなるので脳の活動は直ぐに止まると考えられていたが、実際は心肺停止後、酸素が脳に供給されなくなっても脳は10分程度活動しており、さらにその間、複数回強く活動していることも分かったそうだ。そして研究の結果、ある仮説を立てた。
心肺停止後も脳は生きようと必死に活動しており、死の恐怖や苦しみを和らげるために自ら美しい光景を脳の中で投影していることが考えられると言う。また生きていたころの強烈な記憶などから幻覚を見ていることも考えられるそうだ。未だ脳は多くの謎があり、これから少しずつ解明が進んでいくだろうと話していた。

いずれにしても死後の世界を私たち生きている人間は覗くことはできないが、死後に幸せを感じる美しい世界が存在するのであれば、多少死への恐怖は薄れていく。だから脳の謎が全て解明されないほうが良いのではないだろうか…。

今週、川崎市で痛ましい通り魔事件が起き、多くの方が巻き込まれ大人と子供が亡くなった。「行ってらっしゃい」と、普段通りに見送った朝、その後の突然の死を遺族は受け入れることはできないだろう。亡くなった方と残された遺族のことを想うと無念で心が苦しくなる。
死後に幸せを感じる美しい世界が存在し、亡くなった方がそこに旅だったのであれば多少心は救われる。
とにかくご冥福を祈るばかりだ。

written by キャサリン


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