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2019年09月20日

先日、福岡のラーメン屋に入ると壁に客に向けて張り紙があった。

「いつも当店をご利用いただきましてありがとうございます。このたび昨今の食材全般の高騰によりわずかな利益を削りながら努力を続けてまいりましたが、消費税増税に伴い限界に至りました。つきましては今後もお客様に対して以前と変わらぬ味を提供するために10月より下記の通り価格を変更させていただきます。
ラーメン一杯450円→500円(税込)、瓶ビール400円→500円(税込)」

このラーメン屋は福岡の長浜という地区にあるブルーカラーの方が良く利用する店で、決して美味しいわけではないが、僕はたまに無性に食べたくなり出掛ける店だ。現在のラーメンの価格は税込みで450円なので税抜きだと416円で、10月以降は消費税が10%に上がるので本来なら一杯458円になる。また現在のビールの価格は税込み価格400円で税抜きだと370円となり10月以降は407円になる。しかしこのラーメン店は消費税の増税に合わせ便乗値上げをするようだ。

「なるほど…今まで利益を削った分を取り戻すのか(笑)」

もっとお客想いの店であれば当初から税込み価格で商売をするのではなく、税別価格で商売をするべきだろうし、また増税後は商品内容を見直し麺の量を今までより減らすことや、チャーシューの枚数を減らすことなどを考えるべきではなかったのだろうか。(税別料金だと計算が面倒だし釣銭の用意も複雑にはなるが…)

ところで多くの企業が価格の上昇による客離れを恐れて、商品の価格は据え置き内容量などを変更するシュリンクフレーションを行っている
。シュリンクフレーションとはメーカーが原料価格の高騰や人件費の上昇などによる生産コストの上昇を価格に転嫁せず、内容量を減らすことで消費者に分かりづらい形で実質的な値上げを行うことだ。
例えば菓子メーカーのブルボンは「ルマンド」を13本から12本に減らしており、カルビーの「かっぱえびせん」は1袋の内容量を90グラムから85グラムへ変更している。またハウス食品は「カレーマルシェ」(レトルトカレー)の内容量を20グラム減らし180グラムにした。シュリンクフレーションされている商品は焼肉のたれ、牛乳、チーズなど広範囲に及びまた食品以外にも広がっている。何ともせこい話だが、多くの企業は生産コストの上昇を吸収するために涙ぐましい努力を行っている。
増税後にポイント還元など意味不明の景気対策を政府は実施するが、このままでは日本経済も徐々にシュリンクしていき、まともに生活のできない国になってしまう。どうも日本の政治家の脳もシュリンクフレーションしているように思えて仕方ない。

written by ジェイク


2019年09月13日

ある日本人女性がカンボジアを旅行で訪れアンコールワットへ向かう途中、ある村で子供たちに囲まれて物乞いをされた。彼女を取り巻いた子供たちは皆ボロボロの服を着ており裸足で、中には地雷で足のない子供もいた。しかしその子供たちの瞳は皆キラキラと輝き表情は無邪気だったと言う。その村は物資も乏しく貧しいうえ子供を通わせる学校すらなかった。彼女は未来ある子供たちに教育を受けさせたいと思い、日本に帰国する飛行機の中でその村の子供たちを支援することを決意し、帰国後NGO法人を立ち上げた。
彼女の力強い呼びかけに支援の輪が広がり、ついにカンボジアのその村に小さな小学校を建て無料で子供たちに教育を始めた。そのNGOの支援活動にお得意先が賛同し支援を始めたことで、僕はお得意に強制連行され毎年カンボジアに出掛けボランティア活動を行う羽目に。カンボジアに出掛けるのは今年でなんと10回目になる。

NGOの代表を務めるその女性は25年もの間その村を支援してきたが、年齢的にも体力的にも今後支援活動を継続することが難しいと考え、彼女はカンボジア政府に小学校を譲渡し公立小学校にしてもらおうと考えた。彼女は年齢を理由に支援活動を止めることもできたが、彼女は最後まで子供たちを見捨てなかった。
彼女がカンボジア政府に譲渡の話を持ち掛けると、小学校を運営する予算が無いので多額の金銭を要求され、さらに譲渡後も金銭的な支援を求められた。しかし彼女はその要求を受け入れず、カンボジア政府と真摯に向き合い誠実に粘り強く交渉した結果、カンボジア政府は金銭の要求を取り下げ小学校の公立化で合意することに。
そして先週末、NGO法人からカンボジア政府へ小学校を譲渡する調印式が行われ、僕等とカンボジアの日本大使などが立ち合った。調印式は無事に終わり晴れてその小学校はカンボジアの公立小学校となり、僕らのカンボジアでの支援活動は終わった。

多くの日本人や日本企業は流行のように社会貢献活動と謳いカンボジアを支援し多くの小学校を建設したそうで、その数は2,000に上ると言う。しかし建設された小学校は、その後、日本人や日本企業からの支援が打ち切られ多くは廃校になってしまい、今ではわずか9校の小学校が支援を受け存続していると言う。ボランティアなど支援活動を始めることは簡単だが継続することは難しく、皆が幸せになる出口戦略を考えることはさらに難しい。

彼女は誠実で謙虚なうえ慈愛に溢れており、自らの意志を貫く強さを持っている。きっと彼女は天使なのだろう。悪魔が蔓延するこの世界に密かに天使も存在し世界を愛で包み多くの人に笑顔を与えている。この世はまだまだ捨てたものじゃない。
来年以降、僕はカンボジアに強制連行されず解放されると思うと、嬉しいやら、どこか寂しいやら…。

written by ベルハルト


2019年09月06日

予定のない休日はネットフリックスやWOWOWで動画を楽しんでいるが、10月より消費税が上がるのでネットフリックスかWOWOWのどちらかを止めようと考えていた。ネットフリックスは自らが動画を選んで能動的に視聴することができるが、WOWOWは放送プログラムが編成されているので受動的に視聴することになる。またネットフリックスは独自で制作した映画やドラマを中心に動画を用意しているが、WOWOWは映画専門のチャンネルがあるので豊富な映画を楽しむことができ、映画好きの僕には合っているように思える。そこで僕はネットフリックスを退会しようと考えていたが、まんまとネットフリックスの罠に掛かってしまった。
ネットフリックスには『あなたにイチオシ』というメニューがあり、視聴者が過去に見た動画の傾向からその視聴者の好みの動画をホーム画面で確認でき、登録しているスマホにもメールで知らせてくる。そして僕の過去の視聴傾向から「LOST」というアメリカのドラマを薦めてきた。
このドラマは以前アメリカでヒットしたドラマで、飛行機が墜落し生存者がある無人島で力を合わせ自然の中で生き延びるサバイバルドラマだ。興味を持った僕は取り敢えず1話を視聴してみると意外にも面白かったので、立て続けに2話、3話と視聴することに。このドラマは1話が40分ほどでストレスを感じることなく毎週休日には数話視聴していたが、20話ほど進んでも一向に終盤に向かわない。そこでこのドラマは一体何話まであるのか調べてみると…。な、な、なんと121話と言う恐ろしく長いドラマだった。
週に1話視聴しても2年以上かかり、週に2話視聴しても1年以上は掛かかってしまう。時間に直すと40分×121話=4,840分で、4,840分÷60分=約80時間になり、寝ずに見ても丸4日ほどかかる超弩級の長編ドラマだった。
僕は長編ドラマだと知って視聴することは止めようかと思ったが、20話(約13時間)ほど見ていたので、今までこのドラマに費やした時間がもったいないと思い、最後まで見ることにした。僕はネットフリックの罠に掛かり大切な時間をLOSTしてしまっているように感じる(笑)

ネットフリックスは一度加入した会員を退会させないために策を練っているようで、映画よりも長編ドラマに力を入れている。しかもネットフリックスが制作しているドラマは日本のキー局の制作費を合算した費用よりも遥かに大きいので、クォリティーが高く非常に面白い。そしてネットフリックスは長編ドラマに視聴者を誘導し、長時間視聴させることで退会させないようにしているのだろう。なるほど…。

今週末から毎年恒例のカンボジアへボランティアに出掛けるが、空いた時間にスマホで「LOST」を視聴しネットフリックスの罠から早く解放されようと考えている。

written by 彦之丞


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