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2019年11月01日

足の骨折しリハビリで入院している親父は嚥下障害から肺炎になり、鼻から管を入れ薬や栄養を摂取している。欧米では自ら食事を取れなくなった人を延命させることはあまり無いそうで、日本の高齢医療は稀だと医者が言っていた。若ければ回復し明るい未来はあるが、高齢だと回復しても徐々に弱っていくので未来に希望は持てない。僕が親父の立場であれば、まともに食事を取れずに苦しい処置が続くことに抵抗するだろう。

ところで女優の八千草薫さんが亡くなった。彼女の遺作に「まあまあふうふう」と言うエッセイがあるそうだ。このエッセイのタイトルの「まあまあふうふう」とは中国語で「馬馬虎虎」と書くそうで、言葉の由来は中国の宋の時代にある画家が頭は虎で体は馬の絵を描き、その絵を見た人が「これは馬なのか、それとも虎なのか」と質問したところ、「馬馬虎虎」と適当に返答したことに由来し、「いい加減」や「適当」を意味するそうだ。
エッセイでは「豊かに」歳を重ねた八千草さんが、自分らしく生きるためのヒントやどんな時も一生懸命に楽しく、そして「いい加減」に人生をまっとうする気持ちが綴られている。

この「馬馬虎虎」と言う言葉は、夫が几帳面で頑張り屋だった八千草さんにアドバイスした言葉で、八千草さんはこの言葉で随分と気が楽になり、その後の生き方に大きな変化を与えたようで、彼女が晩年とくに大切にした言葉なのだそうだ。
日本語にも“まあまあ”、“ぼちぼち”、“そこそこ”…など「馬馬虎虎」と同じような意味を持つ言葉があり、どれも「適当」や「いい加減」を意味する。一般的に「いい加減」と聞くとマイナスな印象を持つが、本来は“適度”や“良い加減”の意味で“ちょうど良い”ことを表す。日々の生活の全てが「いい加減」の方がちょうど良いのかもしれない。食事、酒、風呂の湯、仕事、運動…。

今年もようやくお得意先のカレンダーの制作が終わり、無事に納品することができた。若い頃はカレンダーを勢いよく捲り、無理にたくさんの予定を書き込んでいたが、これからは「馬馬虎虎」に楽しんで生きようと思う。高齢になった親父も「馬馬虎虎」に、彼の望むことをしてあげた方がもっと長生きするのかもしれない。

明日から3連休だ。親父を見舞って「馬馬虎虎」と声を掛けよう。

written by キムジー


2019年10月25日

甥っ子は将来安定した仕事に就くようにと親からアドバイスを受けているそうだ。『安定』を辞書で調べると「物事が落ち着いて、激しい変動のないこと」とある。この世界にそのような安定した仕事などあるのだろうか。

歴史から考えると産業やエネルギーは時代と共に大きく変化している。産業は農業、林業、水産業など自然から直接資源を採取する第一次産業から、鉱工業、製造業など自然から採取した資源を加工する第二次産業へと変化し、さらにサービスや情報などを取り扱う第三次産業へ移行している。またエネルギーも蒸気から石炭に代わり、そして石油に移行した。今は石油から電力へ時代は移り、自動車も電気自動車の普及が著しい。
産業やエネルギーのパラダイムシフトは長い年月を経て起こっているが、これからの時代は通信の速度が速くグローバル化によって世界が繋がっているので、今後、産業やエネルギーのパラダイムシフトはますます加速していくだろう。産業やエネルギーが大きく変化すると、それに伴って仕事や職種も大きく変化し衰退と発展を繰り返す。歴史を振り返れば栄枯盛衰の浮き沈みがはっきりと見えてくるのだが、安定を求める人は歴史をあまり学習しておらず、時代の流れや動きを正確に捉えていない。

それではこれからに時代を生きるために何が大切なのだろうか?
これからの時代を生きるためのキーワードは「変化」と「スピード」だろう。まるでカメレオンのように変幻自在に時代の色に合わせ自らを変化させ、素早い動きで情報を握り行動することが大切だ。若いうちに力をしっかり身に付け、将来に渡って勉強し、常に生きた情報をインプットしながら、その情報を利用していかなければならない。
そして「虎穴に入らずんば虎子を得ず」という有名な故事があるように、自らでリスクを取りリスクに負けない強い意志と能力で、果敢に挑戦していかない限り何も得ることはできないだろう。

世界中で唯一安定している仕事は国家公務員だろう。しかし安定した仕事の代表格である国家公務員ですら、国家が破綻してしまうと職を失ってしまう。ギリシャがデフォルトし経済危機に陥ったことは記憶に新しい。日本も借金が増え続けているので、いずれデフォルトする恐れもある。
若い方は時代の流れをしっかり見据え、果敢に挑戦してほしい。

written by マックス


2019年10月18日

先日、映画「僕のワンダフル・ライフ」を観て涙した。この映画はコメディータッチで描かれた心温まる物語で、ベイリーという犬が主人公だ。あらすじはイーサンと言う少年が子犬の命を救い、その子犬はベイリーと名付けられイーサンに飼われることに。ベイリーは自分の命を救ってくれたイーサンを最愛の人だと確信し、彼の傍にいて彼を守ることを誓う。堅い絆で結ばれイーサンとベイリーは共に成長していくが、犬の寿命は人間よりはるかに短く、ついにベイリーは老いて死んでしまう。しかし死んだベイリーは最愛のイーサンに会いたい一心で別の犬として生まれ変わる。そして3度目の生まれ変わりで、中年になったイーサンと再会することができ、ベイリーはイーサンと再び幸せに暮らすことになる。

この映画を観て僕は3か月前に亡くなった愛犬Q太郎が恋しくなった。そこでネットでブリーダーが直販しているサイトを見つけ、ミニチュアダックスの子犬を探した。どの子犬も同じような顔でQ太郎の生まれ変わりのように感じる子犬はいなかった。何度かそのサイトに訪れ閲覧していると、あるミニチュアダックスの子犬に目が留まった。その子犬を紹介する写真の背景に以前Q太郎に買ってあげたぬいぐるみが映っていた。そのぬいぐるみは僕が東京出張の際にホテルでQ太郎にお土産として買ったもので、ペットショップには売っていない。さらにその写真にはQ太郎に買ってあげた緑色のおもちゃも写っていた。

「うわ!この子の後ろにQ太郎に買ってやった同じぬいぐるみとおもちゃが写っとる。こいつQ太郎の生まれ変わりかもしれん!!」

2週間が経ちそのサイトを再度閲覧するとまだその子犬は売れていなかった。僕はこの子がQ太郎の生まれ変わりで僕を待っているのではないかと思い、ブリーダーに連絡し会いに出掛けた。ブリーダーに会い事情を話すと彼は笑いながらこう言った。

「へー、あのぬいぐるみを持っていたんですか?あのぬいぐるみはペットショップには売っていないんですよ」

そして僕はその子犬に会わせてもらった。その子犬は何ともかわいいおとぼけ顔の雌の子犬で、僕はきっとQ太郎の生まれ変わりだと信じ譲ってもらうことにした。

連れて帰りその子犬の名前を一先ず「千代丸」と名付けたが、どうしても間違えて「Q」と呼んでしまうので、その子の名前を「Q次郎」と改め「Q」と呼ぶことにした。そしてQ太郎の生まれ変わりのミニチュアダックスの子犬と新しい生活が始まった(笑)
Q太郎もそうだったがQ次郎も早朝からご飯をねだって僕を起こす。そして部屋中で楚々をするので、片付けと躾の毎日が始まった。後2度ワクチンを打つとQ次郎はいよいよ散歩デビューする。

「さぁ、ワンダフル・ライフの始まりだ!Qちゃんありがとう」

written by ゴンザレス


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