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2020年11月06日

ある得意先のスタッフは一言で終わる内容をやたら長い文章にしてメールを送ってくる。このようなメールを一日に何人にも送るのだろうから、メールを送るだけで一日の仕事は終わってしまうだろう。しかも電話もメール同様にやたらと長い。そしてこのような人に限って自分は仕事ができると思っているので質が悪い。もっとシンプルに合理的に仕事を行えばもっと効率が上がると思うのだが…。仕事について一度しっかり考えてみる必要があるではないだろうか。
仕事とは何かを生産し付加価値を付けて利益を得ることなのだが、この「生産」とは一体どういう意味なのだろうか。「生産」を調べてみると、生活に必要な物資などをつくり出すこと。また人間が自然などに働きかけ財・サービスをつくりだし、また採取・育成する活動と記されている。サラリーマンは企業の中で「生産」することで、会社から対価として給料を受け取っている。
ところで公益財団法人の日本生産性本部によると、OECDデータに基づく2018年に日本の時間当たりの労働生産性は46.8ドルで、アメリカの74.7ドルの約6割の水準で順位はOECD加盟36カ国中21位で、主要先進7カ国でみると1970年以降、常に最下位だ。また2018年の日本の1人当たりの労働生産性は81,258ドルで、英国(93,482ドル)やカナダ(95,553ドル)といった国よりも低く、順位でOECD加盟36カ国中21位だ。なぜ日本は生産性が低いのだろうか。多くの識者が色々と分析しているが、僕なりに考えてみた。

日本人の生産性が低いのは特に戦略を立てることが苦手なように感じる。先の大戦でも軍部のトップは無能で全く戦略が全く無く精神論を唱え敗戦し多くの犠牲者を出した。昔、僕が勤めていた頃も戦略や計画より先に精神論を唱える上司がいた。日本の生産性が低いのはトップに戦略が無く、多くの企業で精神論を唱える文化が根強く残っているからなのではないだろうか。企業のトップの話を報道など耳にするが、やたら横文字を使い中身があまりないように感じる。また企業は低価格の商品やサービスを販売する安易な経営戦略だったため、大量消費の時代が去った今、その戦略では世界に通用しない。
そして日本企業は今でこそ減ったが、長い間、年功序列で定年まで安定した収入を得ることができた。社員同士は仲が良く、やたらと社員間での付き合いや行事が多い。逆に欧米では成果主義で生産性を上げないと直ぐにレイオフされるため、自らの能力を高めなければならず、仕事は段取りよく終わらせ無駄な付き合いよりも自分の時間を大切にする。要するに日本人は茹でカエルのようになっているのだろう。

「残業が多くて…。最近、残業代はみなし残業で支払われるので前より給料が減った」

そう取引先の方が話す。
だったら生産性を上げ残業などせずさっさと帰れば良いのに…僕はそう思う。

written by マックス


2020年10月30日

朝、出勤するとお得意先である設計会社の社長が亡くなり、その晩にお通夜だと連絡を受けた。あまりに突然のことだったので、僕は声を上げるほど驚いた。彼は癌だったが仕事を続けることに執着し最後まで辛い抗がん治療を受けながら設計をしていたそうだ。亡くなった日もクライアントと打ち合わせをした後、自宅に戻り倒れて亡くなったそうだ。

彼は不愛想で人付き合いが苦手な方だった。僕は紹介で彼と出会い、彼の会社のPRの仕事を任された。基本的に僕はお得意の意向を丸飲みするタイプではなく、間違っていることははっきりとお得意に伝えるので、不愛想な彼は僕を気に入ってくれたようだ。そして彼と会食に出掛けるほどの仲になり、約20年間お付き合いした。

若い頃の彼は暴走族で随分グレていたそうだ。高校を卒業すると大学には進学せず建設会社の現場で働いていたと言う。建設現場での仕事は毎日重労働で現場監督からはいつも怒鳴られ扱き使われていたそうで、このまま死ぬまで人に扱き使われ死ぬのかと自問していたそうだ。そして彼は一念発起し使われる側より使う側になろうと強く思い、建築士になることを決意したそうだ。
彼は働きながら専門学校に通い2級建築士の資格を取得し、その後、設計会社で働きながら独学で1級建築士の試験を見事合格し晴れて1級建築士になった。彼は中学、高校とまともに勉強しなかったようで、建築の勉強よりも漢字や数学を覚えることの方が大変だったと笑いながら話した。その後独立し設計会社を立ち上げ、九州で名の通った設計士になり国内はもちろん海外でも多くの建築の賞を受賞した。

お通夜に出掛け会葬御礼を頂戴し自宅に帰り会葬御礼を開きご家族からの礼状を読んだ。そこには彼が子供たちに常日頃から言っていた言葉が記されていた。
「夢は自分の力で掴み取れ!これが主人の口癖でした…」

コロナ禍で厳しい毎日を送っている人も多く、就職活動をする中で内定を取り消され途方に暮れる若者も多い。辛く苦しくても彼のように夢を諦めず必死に努力すれば必ず夢を掴むことができるので諦めないでほしい。

当時、勤めていた会社が倒産し独立したばかりの僕を彼は力強く勇気付けてくれた。

written by ベルハルト


2020年10月23日

人との出会いが人生に大きな影響を与える。今までの人生を振り返ると4人の方が僕の人生に大きな影響を与えてくれた。

1人目は僕が以前勤めていた会社の上司で紳士的でお洒落な方だった。身だしなみもちろん身のまわりも常に整理されており、仕事は論理的に考え僕にマーケティングの基本やクリエイティブの考え方など広告の基本を教えてくれた。彼との出会いがこの業界で生きる礎を作ってくれた。

2人目は取引先のメディアの方で繊細さはなくまるで狩猟民族のように、いつも豪快に営業をして多くの顧客を作り仕事を取ってくる方だ。彼の突破力は人並み外れたものがあり、彼からは豪快さや忍耐強さを学んだ。それに浴びるほど酒を飲むことまで教わった。

3人目は外資系の会計事務所で働いていた公認会計士の方で、彼からは経営指標や決算書の読み方など経営に関する数字の読み方はもちろん、節税など効率よく合理的な税金対策を学んだ。彼はこちらが質問をしない限り進んで教えてくれる方ではなく、全く知識を曝け出さない方だ。

4人目は投資コンサルタントの方で、僕に投資の基本を教えてくれた。僕は数年前に独学で株式投資を行っていたが全く芽は出なかった。そこでネットで投資に関して色々調べていると、彼のブログに辿り着いた。そして彼に連絡を取り東京まで会いに出掛け投資に関して指導してもらうことに。彼はフィナンシャルプランナーでもあったので、資産や投資の配分まで教えてくれ僕の将来を描いてくれた。

そしてこの4人との出会いが僕の人生において大きな影響を与えた。

人との出会いは人生を良くも悪くも変化させる。良い出会いはその後の人生を大きく変化させ豊かなものにしてくれる。これからも数人の良い影響力を与える方に出会うかもしれない。僕も彼らのように誰かに良い影響を与えることができれば嬉しいのだが。

秋が深まり肌寒くなったベランダでランタンの心地よい灯りでハイボールを飲みながら、秋の夜空を見上げふとその4人を思い出した。

written by マックス


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