「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、気候は暑く重い夏から爽やかで軽い秋へと進み、今年も残り3ヶ月ほどになった。早いもので車を買い替えて今年の年末で4年になるので、数年後の車の買い替えを考え時間があるときはネットで車を検索している。買い替えの時期はまだ検討中だが、次はどの車にしようか。
ところで自動車メーカーのホンダは日本では初めてとなる自動車のオンライン販売を来月から始め、新車の見積り、購入、支払いまで全てオンラインで完結できる専用サイトを立ち上げると言う。今後、ホンダのディーラーは一体どうなってしまうのだろうか。全ての自動車ディーラーで働くスタッフは戦々恐々としているのではないのだろうか。車を試乗せずオンラインで購入する勇気は僕には無いが、これからの時代はオンラインで車を購入することが当り前になるのかもしれない。
今ではオンライン販売などの通信販売は広く浸透しているが、ひと昔前は胡散臭い商品が多く販売されており、広告も紛らわしいものが多かった。その頃の通信販売の広告はユーザー(偽のユーザー?)が出演し、使用後にビフォー、アフターを語るものや、商品力よりも低価格や限定感などを強く訴求することで、消費者の目を引き購入に結びつけることが多かった。しかしインターネットが普及し、アマゾンなどの大手企業が精力的に通信販売市場を開拓したことで、今では通信販売は市民権を得ている。
また新型コロナウィルスの感染拡大も後押しし、緊急事態宣言が発令され外出できなくなると、通信販売で商品を購入する機会は一気に増えた。そして自動車メーカーまでがオンライン販売に乗り出すことで、消費者の通信販売への利用は更に増加することになるだろう。将来、住宅メーカーやマンションまでオンラインで販売することになるかもしれない。
このオンラインでの販売はBtoCの業界だけでなく、BtoBの業界でも加速することが考えられる。そうなると当然、広告業界やメディアもオンラインでの取引が主流になり、営業スタッフは必要なくなってしまう。
人はいつの時代も利便性を追求しており、多くの業界でオンライン販売などの通信販売が主流になると、企業は販売員やリアルな売場も不要になり、販売員や営業マンがリストラされ失業者が増えることになる。その結果、景気は悪化し商品は売れなくなってしまうことに繋がる。オンライン販売や通信販売の増加は、ひょっとすると企業が自分の首を絞めているのかもしれない。
今週は台風と秋雨前線の影響で雨の日が続き、散歩に出掛けることができない愛犬Q次郎は家の中で遊ぼうとせがんでくる。家の中でボールを投げてあげると、Q次郎は走ってボールを取りに行きボールを咥えて僕の元に戻って来る。何が面白いのか、Q次郎は飽きもせずに疲れるまでそれを繰り返す。来週は晴れそうなのでQ次郎が大好きな海に散歩に連れて行ってあげよう。
ところで日本は今も終身雇用が根付いており、安定した生活を送るためには大手企業に就職することが王道とされてきたが、時代は変化し、大手企業に就職しても終身雇用される前提が崩れ始めている。
先日、ある大手飲料メーカーの社長が「45歳定年制」の導入を提言した。彼は「定年を45歳にすれば30代、20代が皆勉強するようになり、自分の人生を考えるようになる」と持論を展開し、また「個人は会社に頼らない仕組みが必要だ」と述べた。その彼の提言にSNS上では多くの批判が集まり波紋を呼んだ。
そもそも会社の定年は社会全体で共通ルールにする必要は無く、それぞれの会社が決めれば良いことだが、彼の言う30代、20代が勉強し会社に頼らない仕組みを作る以前に、親や学校は早いうちから子供に生きるための基本をもっとしっかりと教える必要がある。
特に大切なことはお金に関しての教育で、経済や投資などファイナンスの基本をしっかり教え、貸借対照表や損益計算書を作成し決算書なども読めるようにするべきだろう。子供の頃からファイナンスの基本と感覚を学び訓練することで、お金の価値と大切さを学び社会に出ると直ぐに学んだ知識を実践することができる。
僕は35歳の時に勤めていた会社が倒産し、その後、独立し色々なことを学びファイナンスの知識を身に付けたが、もっと早い時期にその知識を身に付けていれば、人生は大きく変わったと思う。またサラリーマンの頃と独立後を比較すると、サラリーマンの頃は多くのことを上司の指示に従うことになるが、独立後は逆に多くのことを自分で決めなければならない。当然、時間の使い方や報酬額も自分の責任で決めることになり、さらに定年の時期も自分で決めることになる。
これからの時代は会社に頼り定年まで窮屈に働くのではなく、自分で定年を決め自由に生きた方が良いのではないだろうか。
僕は若い頃に中古のBMWをローンで購入したが、初回のローンの支払よりも先に事故でそのBMWを廃車にしてしまった。車は無くなったがローンはまる3年残り、ローンの支払日はやり場のない悔しさと切なさを3年間感じた。その苦い経験から僕は全ての物をローンで購入しないと誓い、それ以降、僕はローンも借金もしたことは無い。
僕が会社勤めをしている頃、ある先輩は月の小遣が足りないようで軽い気持ちでキャッシングを始めた。当初は1万円程借りていたが、いつの間にか、借金を返すために他のカードでキャッシングを繰り返すようになり、遂に借金は300万円ほどに膨れ上がった。結局、彼は返済の目途が立たず、親に借金を肩代わりしてもらったそうだ。良い大人が何とも情けない。
ところで都道府県別の一世帯当たりの負債比率(貯金に対する借金の比率)は全国平均が28.2%に対し、沖縄県は57.2%と非常に高い。沖縄県金融広報委員会(事務局は日銀)が2019年に全国で実施した調査によると、沖縄県は「お金を借りすぎている人の割合」が全国1位、「消費者ローンを利用している人の割合」が全国3位、金融トラブル経験者の割合」が全国3位と、多くの沖縄県民はお金で悩んでいるようだ。銀行や消費者金融などから借金するならまだしも、ヤミ金からお金を借りる人も沖縄は多いようだ。
沖縄のヤミ金は他の都道府県とシステムが違うようで、仮に10万円を借りると、借りた10万円の返済は毎週1万円を10週返済することになる。しかし融資時には利息3万円(融資額の30%)と初回(1週間分)の返済も差引かれ、実際に手にする現金は6万円になるそうだ。お金に困り駆け込んだにも関わらず、このヤミ金のシステムでは完済することは難しい。そしてその日から毎週1万円を10週間返済し続ければ完済となるが、ヤミ金業者は裏で皆繋がっており、支払いが滞ると他のヤミ金が近づいて来て返済のためにお金を貸してくれると言う。
その後、ヤミ金からの借金は雪だるまのように増え、遂に返済が困難になると司法書士や弁護士などに相談し、法的な整理を行いヤミ金からの取り立ては収まるが、それは一時的なもので、時間が経つと取り立ては再開されるそうだ。次にヤミ金は本人以外の職場や友人などに連絡をしてくるようになり、借りた本人は周囲の目を気にして周囲に迷惑を掛けたくないと、結局、返済を続けるそうだ。一度、闇の世界と繋がってしまうと、壊れた歯車は元には戻ることはなく、一生その呪縛から逃れることはできない。
そのためにも軽い気持ちで借金やローンを組むのではなく、しっかり人生設計を行い人生の歯車が嚙みあわなくなる前にお金をコントロールしなければならない。僕のように買ったばかりの車を失い借金が残ったことで、お金の大切さを学ぶのもどうかと思うが…。