暑さのピークは過ぎたようで、来週は9月に入り徐々に涼しくなるだろう。煩かった蝉の声は聞こえなくなったが、住んでいるマンションは改修工事中で、日中、「ガガガガガ~!ドンドンドン!カンカンカン!」と工事の音で煩い。改修工事は11月まで続くので、部屋の中では秋を感じられないだろう。「あ~、鬱陶しい~」
昨日の午前中、大型の強い台風が福岡に接近していたので、近くのスーパーに営業時間を問合わせると、その日は13時に閉店し、翌日は終日店を閉めるという。そこで慌ててスーパーに出掛けると、客で混雑しており米とパンそれにカップ麺は既に売り切れていたが、何とか食料品を購入することができた。テレビでは台風による九州南部の被害の様子が流れていたので、自宅のベランダを片付け近づく台風に備えた。しかし幸いにも福岡は台風の進路からそれていたので、雨は降ったがそれほど強い風は吹かず拍子抜けしてしまった。
ところで、この強い台風10号は「サンサン」という名前が付いている。一体、誰が何のために名前を付けているのだろうか?実は台風の名前は日本を含むアジア太平洋地域の14か国が加盟する「台風委員会(Typhoon Committee)」によって付けられている。
「台風委員会?なんだそれ!?」
台風委員会は、台風や熱帯低気圧に関する予防、対策、研究などを目的に設立された国際組織で、地域の防災意識を高めるため参加する14カ国の馴染みのある名前を台風に付けているそうだ。台風の名前は委員会に加盟する14カ国が自国に関連する名前を提案し、各国、それぞれ10の名前が採用されリスト化している。そのため台風の名前リストには加盟国14カ国×10の名前=140もの名前があり、発生した台風はリストの順に名前が付けられ、リストが一巡するとリストの最初に戻る仕組みだ。台風の名前にはいくつかのルールがあり、アルファベット9文字以内、長すぎず発音しやすいこと、他国の言語で感情を害さないものなど、加盟国や地域の文化や自然に敬意を表して選ばれている。日本の気象庁が台風委員会に提案し採用された名前は「コイヌ」、「ヤギ」、「ウサギ」、「カジキ」、「コト」、「クジラ」、「コグマ」、「コンパス」、「トカゲ」、「ヤマネコ」で、全て星座の名前だ。これは自然の事物で大気現象である台風とイメージ上の関連を持つ天空にあり、親しみやすい名前にしたという。
ちなみに今週、日本を襲った台風10号は「サンサン」という名前でリストの18番目に当たり、言葉を提案した国は香港で、「少女の名前」が由来だという。この台風は「少女の名前」というが、勢力の強い台風だったので「ドラえもん」に出てくる「ジャイ子」のような少女なのかもしれない。
マンションの駐車場でひっくり返った蝉の死骸を見つけた。昆虫は死に際、硬直し脚が縮み関節が曲がるため地面で体を支えることができず、ひっくり返って死んでいくそうだ。仰向けになりながら、死を待つ蝉はいったい何を見て何を思うのだろうか。夏の澄み切った青空だろうか…。しかし蝉の目は体の背中側にあり、仰向けになった蝉は空を見ることができず、地面を見ているという。彼らは幼少期に長く過ごした地中での生活を思い出しながら、最期を迎えるのだろうか。何とも命は儚く切ない。
ところでお盆が終わると、住んでいるマンションで大規模改修工事が始まった。僕は過去に2度マンションの改修工事を経験しているので、今回で3度目になる。マンションの改修工事は外壁に足場を組みネットで覆うため、部屋の中は暗く閉塞感に包まれる。
お盆前にマンションの住人を集めて改修工事の説明会が行われた。工事期間中、数台の駐車場に足場を組むので、そこに停めている車は他の駐車場に移動してもらうと説明を受け、僕はその対象者だった。近所に空きの駐車場がなくマンションから徒歩10分ほどの駐車場と、徒歩5分ほどの駐車場の2カ所を確保したので、後日、抽選で決めるという。
抽選の日、僕は工事の施工会社の責任者にこう言った。
「少し乱暴ですよね。うちは高齢の母と同居しており頻繁に病院に送迎しているので、駐車場を移動するのは難しいです。移動する方だけで抽選するのではなく、全員で移動する対象者を決める抽選なら、まだ理解しますが…」
「しかし管理組合で決まったことなんで…」
「移動の対象者に事前にヒアリングしたんですか?少なからず僕はヒアリングされていません。車の移動が難しい人は移動可能な方と代わってもらうとか、2台の駐車場を借りている方の1台を優先して移動してもらうとか、工事期間の前半と後半で移動をローテーションで回すとか…。頭を捻ってアイデアを出して管理組合に提案し、親切に対応するべきじゃないんですか?あなた方プロでしょ?」
「…わかりました。お盆休み明けに管理組合の理事会があるので相談してみます」
結局、その日は抽選が行われず、お盆明けに理事会を終え改修工事の責任者が尋ねて来た。
「理事会に相談し、車の入れ替えやマンションの共用地を上手く利用し、2台借りている人の1台を移動してもらうことで調整が付きました。移動しなくて大丈夫です」
近頃、物事を簡単に考え、頭を捻りアイデアを出す人が減ったように感じる。
改修工事が始まり大好きなベランダで空を見上げて過ごすことができなくなった。ひっくり返った蝉を思い出した。
立秋を過ぎ、来週はお盆で連休と合わせると、最大9連休と長い夏休みになる人も多いだろう。あれほど煩かった蝉の声もまばらになり、お盆が過ぎれば秋へと加速していく。しかし今年の夏は生きてきて最も暑い夏だなぁ…。
ところで先週末から株価は暴落した。株価の上昇はゆっくりと階段を上るように上昇するが、下降は落ちてくるナイフのように一気に下落する。堅調だとされていたアメリカ景気の減速懸念が急速に高まり、日銀による利上げの報道を受け円高ドル安が進むと、日経平均株価は先週末に2,216円値下がりした。そして週明けの月曜日はブラックマンデー時の下落幅を超え、驚いたことに4,451円下げ史上最大の下落幅を記録した。
僕は10年ほど前から投資を始め、当初は頻繁に売買を繰り返し随分と火傷をしたが、その後、投資スタイルを180度転換し、時間を味方に付け積立分散投資に舵を切った。もし以前のように頻繁に売買を繰り返す投資をしていれば、今回の暴落は背筋が凍っていただろう。積立分散投資を始めて、株価の下落時は値を抑えて量を多く買えるとポジティブに考えるようになったので、今回の暴落で驚きはあったが、メンタル的にダメージは無かった。
今年から新NISAが始まり、投資の初心者は今回の暴落で随分と戸惑ったのではないだろうか。日本証券業協会によると、証券大手10社(対面とネット)のNISA口座は6月末時点で計1,520万口座と前年同時期に比べ3割も増えている。新NISAが始まって以降、日経平均株価は上昇基調で7月11日には史上最高値の42,224円を記録したばかりだったが、その後、3週間で株価は6,300円(約15%)以上値下がりした。投資に夢中な人は背筋が凍り、夏の暑さを感じなかったのではないだろうか。
しかしNISAは老後資金のために運用している人が多いはずなので、日々の相場に気を取られる必要はなく、長い時間を味方に付けて運用すれば、そう心配することはないだろう。マーケットは今も昔も時に熱狂し、時に悲嘆に暮れ、恐怖も欲望も不規則に生成し続ける。
「さぁ、夏休みだ!」投資のことはすっかり忘れて楽しく過ごそう!僕も夏休みなので来週のブログ更新はお休み。夏休みは愛犬Q次郎と海で泳ごうか。
それでは皆さん、素敵な夏休みをお過ごし下さい!!