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2022年02月04日

あっと言う間に2月に入り、あと1カ月半もすれば桜の開花の便りが届く頃になるが、心躍るようなニュースは無く閉塞感が世界を包む。
新型コロナウィルスは発生から2年経つが未だに収束の兆しはなく、変異したオミクロンロン株の感染者は日本でも拡大し、福岡も「まん延防止等重点措置」が適用され病床使用率は50%を超えた。
また岸田政権は「新しい資本主義」と訳の分からない言葉を使い成長と分配を訴えているが、日本企業は高度経済成長期のような成長はなく日本人の所得は増えず、物価が上昇する「悪いインフレ」が進行している。世界に目を向けると北朝鮮のロケットマンはミサイルを乱発し、ロシアとウクライナでは地政学リスクが高まり軍事衝突の緊張が続いている。これからの世界は一体どこへ向かうのだろうか。AI(人工知能)にこれからの世界を予測してもらうと、どんな予測をするのだろうか?

ところでAIは今や世界中で進歩している。AIは膨大な過去のデータなどから問題を分析し最適な答えを瞬時に導き、自動運転、物流、医療など幅広く活用され、私たちの暮らしを大きく変えている。そしてこのAIは恐ろしいことに武器にも利用され始めている。
トルコでは軍事兵器の開発を推し進め、トルコ国防省主催で防衛産業の国際見本市がイスタンブールで開催され、国内外の武器製造会社など1,200社が出展したそうだ。その見本市でトルコの軍事企業が開発したドローンが話題になった。そのドローンは爆弾を搭載し、人間の指示を受けることなくAIが自立的に判断し敵を攻撃するシステムが組み込まれており、AIが標的と判断すると自動で標的に突っ込んで自爆する無人の攻撃型ドローンだ。そして恐ろしいことにこの攻撃型ドローンは既に紛争地域の実戦に使用され、人や施設を攻撃し大きな成果を上げていると言う。

2018年に亡くなった第2のアインシュタインと言われた車椅子の天才物理学者、スティーブン・ホーキンス博士は亡くなる直前にこう語ったそうだ。
「AIの到来は、人類史上最善の出来事になるか、また最悪の出来事になるだろう。AIの潜在的恩恵はとてつもなく大きい。病気や貧困を撲滅できるかもしれないが、AIは危険も招くだろう。気がかりなのはAIの性能が急速に上がり自ら進化を始めてしまうことだ。遠い将来、AIが自分自身の意思を持ち私たちと対立するようになるかもしれない」

もしホーキンス博士の言葉が現実になると、地上で満開の桜を見ることができなくなるかもしれない。


2022年01月28日

初めて買った車は中古のトヨタの4WDピックアップトラックだ。そのトラックは以前の持ち主が手を加えていたので、オーバーフェンダーや荷台にはロールバーが取り付けられ、ボディーカラーは鮮やかな紺色だった。

僕は親にお金を借りてこの車を購入したが、親に購入する車の車種など伝えていなかったので、車を購入し初めて自宅に乗って帰ると、お袋は目が点になった。
「あんた、トラックば買ったとね?」
「うん。格好良かろ!」
「しかも2人乗りやし、一体、荷台に何ば乗せるとね?」
「何も乗せんばってん、お袋が荷台に乗りたいなら乗せてやるばい。これは4WDやけん、荒れた山道や砂浜も走るったい。ちょっと近所ば一周してやるけん、横に乗らんね?」
さすがにお袋は荷台に乗らなかったが、高い助手席にお袋が座り僕は近所を一周した。
「座席が高いけん外がよう見えるね。ばってん乗り心地は悪いし、やたら目立つけん、私はもうこのトラックには乗らんよ」
お袋は助手席でこう言った。

当時、ガソリンスタンドは今のようにセルフスタンドは無く、スタンドのスタッフに給油量を伝えガソリンを入れてもらっていた。お金に余裕のなかった僕は「10ℓお願いします」、「1,000円分お願いします」など、ガソリンの給油量か、給油金額をスタッフに伝えガソリンを給油していた。1,000円分を給油してもらう時は何とも情けない気持ちで小さな声でスタッフに伝えていたが、まとまったお金がある時はドヤ顔で「満タンで!!」と大きな声でスタッフに伝えた。当時のガソリン価格は確か100円ちょっとで、1,000円分の給油だと10ℓ弱の量を給油することができた。

今週に入ってガソリン価格の上昇が続き1ℓ170円を超え、政府はガソリン価格を抑えるため石油元売り会社に補助金を出す異例の対策に踏み切るが、そんな政策を実施するよりガソリン税を引き下げる方が早いのではないだろうか。政府の行う政策はいつもややこしく間違っているように思える。ガソリン価格の高騰は交通の便の悪い地方や、暖房で灯油が必要な北国に大きな影響を与える。また全ての物流コストにもガソリン価格が転嫁されるため、物やサービスの価格も上昇してしまう。

ガソリン価格が高くなった今の時代に、果たして1,000円分の給油で凌ぐ人はいるのだろうか。僕の学生時代は古き良き時代だったのかもしれない。


2022年01月21日

僕はマンションの駐車場でよく洗車をするので、隣の駐車場を契約している同じマンションの住人と顔馴染みになった。その住人はご主人と奥さん、それに4歳と1歳の女の子の4人家族で、中でも4歳の女の子は人懐っこく僕に話かけてくる。正月が明け、その女の子と久しぶりに会ったので新年の挨拶を交わした。
「あけましておめでとう!」
僕が女の子に挨拶すると、
「あけましておめでとうございます」
と元気に返してくる。
「お正月はお爺ちゃんとお婆ちゃんに会いに行ったの?」
「うん。会いに行った」
「お年玉たくさん貰った?」
「うん。たくさん貰ったよ!」
女の子は笑顔で僕に応えた。そして僕はつい口を滑らせ、社交辞令を言ってしまった。
「じゃ~今度、おじちゃんもお年玉を上げようね」
「うん。嬉しい」
後で考えたが、子供に社交辞令は通じるのだろうか?僕が子供の頃は周りの大人が言った言葉はしっかり覚えていたが…。きっとあの女の子も僕の言葉をしっかり覚えているのではないだろうか。

その日から女の子にどんなお年玉が良いか考えるようになった。ポチ袋に入れたお年玉?それともお菓子?それとも「ふるさと納税」で送られてきた返礼品のみかん…?色々考えるうちに女の子と会う機会がなく10日ほど過ぎた。あれこれ悩んだ僕は家人にこの出来事を話すと、家人は熊の形をしたクッキーを買ってきてくれた。

早速、僕は女の子の住む部屋に出掛けチャイムを押すと、ご主人がドアを開けてくれた。ご主人に先日の出来事を伝えるとご主人は快く女の子を呼んでくれた。そして女の子にクッキーを渡すと女の子は大喜びだった。
「はい。約束していたお年玉!」
「おじちゃん、ありがとう!」
僕は女の子が喜んでくれたことよりも約束を守れたことに胸を撫で下ろした。

今後は社交辞令を言わないようにしようとつくづく思った。「嘘つきおじさん」と呼ばれないように子供との会話は特に気を付けなければならない。


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