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2023年10月13日

自宅のポストを開けると、マンションの販売チラシが連日のように入っている。ベランダから外を見渡すと、巨大なクレーンが並びマンションの建設ラッシュのようだ。

「そう言えば、家を買ったことがないな~」

若い頃、マイホームに憧れマンションを購入しようとモデルルームに出掛けたが、家人から大きな買物をした後は事故や病気など悪いことが起きると言われ、結局、購入しなかった。その後も僕はマイホームを購入することはなく、今までに支払った家賃を合わせると、新築マンションを購入し既に完済していることになる。

「一度くらいマイホームを持ちたかったな~」

ところで、現在、日本にあるマンションの総戸数は約685.9万戸で、全世帯の1割強がマンションに住んでいる。特に都市部にマンションは集中し、築40年以上の老朽化したマンションも増加している。国土交通省の調査によると、築40年を超えるマンションは2021年末で116万戸あり、10年後には249万戸が見込まれる。築40年を超えるマンションでは70歳を超える世帯主の割合が48%に上り、所有者の所在が不明など空室は10%にも上る。そして老朽化したマンションには大きな問題がある。

まず老朽化したマンションでは外壁や設備の劣化や不具合により大規模な修繕が必要になる。修繕は戸建主宅でも必要だが、マンションは複数の住民で修繕を判断することになり、簡単には纏まらないようだ。それに資材や工費、管理人の人件費等の上昇により毎月の管理費や修繕費で将来補うことができず、所有者の負担が増加することが予想される。また現在の建築基準法の耐震基準は1981年に改正されたもので、それ以前に建てられたマンションは震度5弱までの地震にしか耐えることができず、大きな地震が発生すると倒壊の恐れもある。さらに老朽化したマンションでは空室が増え空室率が30%を超えると、修繕費や管理費が不足して管理組合が機能せず、マンションの廃墟化が進んでしまう。

そしてマンションの資産価値は立地条件によっては価値を下げない物件もあるが、築10年前後を境に建物の価値は3分の2程度まで落ち込んでしまい、築30年以上経過するマンションでは、価値を保つことは難しいという。

マンションの建設ラッシュが続き不動産の高騰でマンション価格も上昇している。高級マンションやタワーマンションに憧れる人も多いが、マンションには多くの問題が潜んでいる。今、思うとマンションを購入しなくて良かったのかもしれない。

高齢になったら老人ホームに入ろう!


2023年10月06日

僕はベランダで過ごす時間が好きで、1年を通して朝はベランダでコーヒーを飲み、夜はベランダで酒を飲む。9月は毎日のように気温が30℃を超えていたが、10月に入ると、突然、季節は秋へと進みベランダは少し肌寒く感じる。もう少し寒くなると、お気に入りのストーブがベランダに登場する。

今週、親父の遺骨を納骨するために教会に出掛けた。親父は生前「俺は無宗教だから、死んだ後は葬式も質素で遺骨は適当に埋葬してくれ」と言っていたが、お袋がクリスチャンなので親父の葬儀を行った教会に遺骨を納骨することに。納骨の日は教会で讃美歌を歌い牧師さんの法話を受けた。その法話の中で「マタイによる福音書7章13~14節」が紹介された。

「狭い門から入りなさい。滅びに通じる門は広く、その道も広々として、そこから入る者が多い。しかし、命に通じる門はなんと狭く、その道も細いことか。それを見出す者は少ない」

その法話を聴いて親父が昔よく言っていた言葉を思い出した。

「簡単で楽な方を選ぶな!」

納骨を終え牧師さんの法話をネットで調べると、イエスは「狭い門から入りなさい」と弟子に語り、「狭き門」は命に通じる門だと説いたと記されていた。門と道は「人の生き方」として語られ、イエスは生き生きとした豊かな人生を送るには、あえて「狭い門」から入り、「細い道」を進むことが必要だと説いている。また聖書の創世記13章1~13節には、アブラハムと甥のロトの話が記され、アブラハムは農耕に適さない丘陵地帯で暮らし、ロトは繁栄の低地で暮らしたという。アブラハムが狭き門を選び、ロトは多くの人が通る広い門を選んだと言える。そして、ロトが暮らした低地は、著しく道徳的に退廃した地域で、後に神が火をもって滅ぼしたと伝わる。

滅びに通じる門と道は広く大勢の人が安易にそちらを選ぶ。広い門と道を進むことは楽で大勢の人がいるので孤独を感じることもないが、その中には低俗で道徳心の無い人も多い。逆に命に通じる門と道は狭く困難で、そこを進む人は少なく孤独を感じる。しかし困難な道を進むことで自分を高め、さらに成長させることができる。イエスは周囲に流されず、自分に示された正しい道を信じて、しっかりと歩むように促しているように思える。親父の言っていた言葉が今になって身に染みた。

「狭い門?広い門?」あなたはどちらを選びますか?


2023年09月29日

明日で9月も終わり、今年も残すところ3か月だ。百貨店などでは早くも来年正月のおせちの予約販売がスタートしている。しかし日中はまだ暑く気温は30℃を超え半袖に短パンで過ごしているので、おせちと言われても今ひとつピンとこない。

ところで、ある出版社が全国20代から60代の男女3,500名を対象に2024年の「おせちに関する意識調査」を行った。調査結果は「来年のお正月におせちを食べると思いますか?」という質問に対し、81.2%が「食べると思う」と回答した。そしておせちを食べる予定の方に複数回答で食べる場所を尋ねたところ、「自宅」と答えた方が83.1%で最も多く、お正月は家族で食卓を囲む姿が改めて示された。

また「あなたのご自宅では、来年のお正月におせちを購入すると思いますか?」という質問に対し、「購入する」と回答した方は68.9%で、昨年度の調査から26.8%増加した。さらに「購入する」と回答した方におせちを購入する理由を複数回答で尋ねると、1位は「自宅では作れないような品目が味わえるから」(61.1%)、2位「年末年始は家事を減らしてゆっくり過ごしたいから」(47.2%)、3位「縁起物・日本の伝統行事を大切にしたいから」(43.4%)、4位「自宅まで届けてもらえて便利だから」(41.3%)などの回答が寄せられた。コロナ禍を経て、手間なくプロの味を堪能できる市販のおせちの魅力や利点が浸透している結果だった。

昔、おせちは市販されておらず各家庭で作るものだった。うちでは年末になると祖母とお袋が夜遅くまで慌しくおせちを作っていたが、祖母が亡くなり、お袋一人でおせちを作るのは大変だろうと、僕がおせちを百貨店で購入し実家に帰省した。正月は妹家族も実家に集まり、皆で賑やかにおせちを囲んでいたが、親父が長く入院するとお袋は僕と一緒に暮らすことになり、以前のようにおせちを囲んで賑やかな正月を迎えることは無くなった。

昭和から平成へ。そして令和へと時代が移り核家族化や夫婦共働きが進むと、手間を掛けることより便利さや効率を求める生活スタイルに変化した。今の時代、都会で暮らす子供達はおせちを店で買う物だと思っているのかもしれない。

昔、実家の台所で祖母とお袋が夜遅くまでおせちを作っていた姿を思い出すと、賑やかだった大晦日や正月が懐かしくまた切なく感じる。あの時代は慌しい中に人の優しさと温もりが溢れていたように思える。 来年の正月のおせちはどうしよう。自宅でおせちを作ってみるのも良いかもしれない。


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