ここはインドか?それともアフリカか?福岡の気温は連日37℃を超え、人の体温を超える暑さが続いている。僕が若い頃の夏は暑くてもせいぜい30℃を超える程度だったが、近頃は35℃を超える猛暑日が続く。天気予報は全国で晴れマークと高温の数字が並び、日本で避暑地を探すことは難しくなった。
ところで全国展開している大手中古車販売店が問題になっている。この大手中古車販売店の修理、板金塗装部門が自動車保険の保険金を不正に請求していたことが発覚した。また店先にある街路樹が不自然に枯れていることから土壌調査を行うと、除草剤の成分が検出され、多くの自治体が調査に乗り出している。理由は判明していないが、展示している中古車が道路沿いから少しでも見えるように街路樹を除去したのではないだろうか。この大手中古車販売店は利益至上主義で利益のためには罪を犯しても構わないブラック企業だった。
15年ほど前だったか、この大手中古車販売店で働く知人からテレビ広告を展開するので相談に乗ってほしいと連絡があり、僕は福岡にあるこの大手中古車販売店の基幹店に出掛けた。その基幹店で知人に紹介されたのは今回の不正事件後に就任した新社長で、当時は専務だった。彼は初対面にも拘らず横柄で粗野な振舞いをするタイプの人だったので、僕は違和感を覚えた。しかし知人からの相談だったこともあり、僕は提案書を作成し数週間後にプレゼンを行った。プレゼン後、彼は僕の提案を評価し仕事を進めることになったが、僕は彼の横柄な態度が我慢できず、知人に連絡を入れ彼の横柄な態度が鼻につくので仕事は請け負えないことを伝えた。広告予算はまとまった金額だったのでその知人は驚いていた。
僕が仕事を断ると、大手中古車販売店は他の広告代理店を通じてテレビCMを開始した。しかし数年後にその広告代理店は大手中古車販売店からの無茶な注文に耐えられなくなったようで手を引いた。そして再び別の広告代理店がその大手中古車販売店を担当してテレビCMを引き継いだ。その別の広告代理店は大手中古車販売店からの無理な注文を必死に耐えて仕事を請け負っていたという。この問題が明るみになった今、その広告代理店は後始末で大変だろう。
仕事は発注者と受注者がお互い信頼して気持ち良く進めるものだと僕は考えている。目の前に大きな数字をぶら下げられても、企業や人を見極めて仕事を請け負うべきではないだろうか。果たして問題を起こした中古車販売店は今後、事業を存続できるのだろうか。
来週末から夏休みでブログの更新は2週お休み!僕はコロナビールを持って愛犬と海に出掛けよう。それでは皆さん熱中症に気をつけて素敵な夏休みを!!
今週、福岡管区気象台は「九州北部が梅雨明けしたとみられる」と発表した。気象台の発表は「○○とみられる」など、曖昧な表現をするのでどこか鼻につく。今年の九州北部の梅雨明けは全国で最も遅く福岡では梅雨が2カ月も続いた。梅雨が長く続いたことは地球温暖化の影響なのだろうか…。
ところで以前のお袋は買物など外出することも多かったが、近頃は病院に出掛ける以外は外出することも減りベッドで横になっていることが増えた。そこでお袋がボケないようにたまに外食に連れて行き刺激を与えるようにしている。お袋は和食が好きなので和食を食べに出掛けることが多いが、今週、趣向変えて中華料理のランチを食べに老舗ホテルに出掛けた。久しぶりの中華料理にお袋は喜んでいたので、僕は料理を運んでくれたホールスタッフに声を掛けた。
「美味しいですね」
「ありがとうございます。それは良かったです」
ホールスタッフは笑顔で返してくれたので、僕はこう続けた。
「以前、こちらのホテルにはよく来てたんです。実はここが開業する時、CM制作やテレビの広告をやらせてもらったんですよ。当時、広報室の女性スタッフの方と食事をしながら打ち合わせをしていたんです」
「そうだったんですか。早いものでこのホテルも今年で開業25周年です。当時、広報室にいた一人は退職したんですが、もう一人は広報室から移動しましたが、今も在籍しています。呼びましょうか?」
「いえいえ、僕のことは覚えていないでしょうし、お忙しいでしょうから結構です」
僕はそう断って食事を続けた。しばらくすると後ろから先程のホールスタッフが声を掛けてきた。
「サプライズです。連れてきました!」
振り返ると、そこには当時、広報室にいた女性スタッフが笑顔で立っていた。驚いた僕は直ぐに立ち上がった。
「えっ!!大変ご無沙汰しています。うわ~、以前と全くお変わりないですね。その節は大変お世話になりました!」
ホールスタッフが彼女に僕のこと伝えたところ、彼女は僕のことをしっかり覚えていたようで直ぐに連れて来たと言う。久しぶりの再会に彼女も喜んでくれた。
食事を終えて店を出る時、ホールスタッフは丁寧に見送ってくれた。僕は25年前に戻った気分でホテルを出た。空を見上げると、すっきり晴れており、その日、福岡の梅雨は明けた。
例年、福岡では「山笠」のフィナーレを飾る「追い山」が行われる頃に梅雨明けした。先週、金曜日の早朝に「追い山」が行われ、天気図を見ると梅雨前線は日本を北上していたので梅雨明けしたと判断し、汗だくになりながら汚れていた愛車を洗車した。愛車は輝きを取り戻し僕は満足していたが、信じられないことに梅雨前線は日本を南下して来て福岡は梅雨空に戻り今週も梅雨明けしていない。「折角、ワックスまで掛けたのに…」
ところで太平洋を漂流していた小型船に乗るオーストラリア人の男性と愛犬がメキシコのマグロ漁船によって2カ月ぶりに救助された。彼は4月にメキシコ沿岸を小型船(双胴船)で出発し、メキシコからフランス領のポリネシアを目指して約6,000キロを航海していた。しかし出発して数週間後に嵐に巻き込まれ船は破損し通信機器も壊れてしまい、彼と愛犬は太平洋に取り残され漂流することになった。
幸いにも彼の船には釣り道具など生存に必要最低限の道具が備わっており、彼と愛犬は漂流している間、魚を釣り捕らえた魚を生で食べ飢えを凌いだという。また偶然にも太平洋の暖かいエリアを漂流していたため雨には恵まれ飲み水を確保でき、昼間は脱水症状を起こさないように、愛犬とボートの天蓋の下で直射日光を避けて過ごしたという。
しかし破損した船で電力も無く通信機器は故障し、救難信号すら発信することができず広い太平洋で通りがかりの船や航空機に偶然、発見してもらうことを信じて漂流することはまさに焼け石に水だ。きっと昼間は陸地も見えない果てしなく続く地平線を眺め孤独を感じ、夜は底なし沼のような真っ暗な海面で恐怖を感じただろう。
オーストラリア人は単独で航海に挑んだのだから航海に必要な知識とスキルを持っていたはずだが、愛犬が一緒ではなく彼ひとりで漂流していれば、孤独に耐えきれず絶望し希望を見出すことはできなかっただろう。彼が生存できた背景には愛犬の存在が大きく、彼は愛犬に寄り添い癒してもらい希望を維持することができたのではないだろうか。もし漂流中に彼と愛犬のどちらか欠けていれば、どちらも生還することはできなかったはずだ。
救助され、彼と愛犬の絆は以前より強いものになっているだろう。
僕もこれからは愛犬Q次郎といつも一緒に出掛けよう。