天気予報には「春の嵐、強風に注意!」そう発表されており、また前日の飛行機に欠航が相次いだこともあり、今日の飛行を気にしながら空港へ向かった。しかし飛行機は予定通りに離陸。多少揺れを感じながらも雲を抜け更に高度を上げ青空の中で安定飛行へ。
しばらく経つといつもの機長のアナウンスが始まった。搭乗のお礼の後、着陸態勢に入った頃から発達した低気圧による影響で飛行機が大きく揺れる恐れがあると伝えられた。やがてシートベルトのサインが点灯し着陸態勢となり強い風の影響で機体が少しずつ揺れ始めた。機内前方のスクリーンに羽田空港が見え最終着陸態勢に入ると、機体は大きく揺れながら強風に流され左右に傾きながらも何とかバランスを水平に保っている。
狭いコックピットの計器に囲まれた中で頼る人は誰もいなく、身に付けた知識と経験を頼りに機長は強風で普段より幅が小さく感じる滑走路をしっかり見つめ、手には多少汗が滲みながらもしっかり操縦桿を握り、無事に搭乗客を目的地に運ぶために気持ちを集中させ機体をコントロールしているはず。
そして滑走路がみるみる大きくなり着陸寸前にも強い横風を受け片輪ずつ着陸、二度ほど軽くバウンドしながら無事に全てのタイヤを滑走路に下ろし、そして逆噴射。スピードを一気に落とし徐行運転で到着ゲートへ。機長は厳しい環境で強いストレスの中においても搭乗客のそれぞれの想いを胸に目的地まで無事に運びんでくれた。
世の中にはたくさんの仕事があり、あらゆる状況の中で色んな業務が遂行されている。例えコンディションの悪い状況を必死に切り抜けても、直接お客さんからお礼の声を聞くことがない仕事も多くある。しかし使命感に燃え今まで身につけた知識と経験を最大限に生かししっかりとやり遂げ、自分で自分を誇れる仕事を黙々とこなしていく。そして自分だけの小さな勲章が増えていく。パイロットという職業もお客さんからお礼の言葉を直接聞くことが少ない仕事だろう。きっと強い使命感と責任感を自ら維持して黙々と業務を遂行しているはず。まさに剛毅木訥。
羽田空港に降り立った春の嵐の空の下で、ひっそりと感謝。
written by 鈴奴(すずやっこ)
オフィス街にはスーツ姿が馴染まない新入社員を目にする季節。夢と希望、そして一抹の不安を抱いて出社しているのでしょう。私も遠い昔に同じ経験をしました。当時、私が就職して一番不安に感じたことは毎日規則正しい生活をできるのだろうか、ということでした。大学時代は勉強よりもバイトと遊びを優先しており自由奔放な生活。バイトが終わると夜中まで遊びまわり気が向いた時に学校へ。(代返してくれる友人がいたので出席率は全く問題ありませんでした)こんな生活を4年間続けたので就職して会社勤めが成り立つのか不安でした。
ある塾のCMで生徒の体にある「やる気スイッチ」を先生が探しだしスイッチをオンにしてあげると、その生徒は猛烈に勉強へのやる気が出るというものがあります。生徒想いの塾であることをCMで訴求しているのでしょう。
私の体にも「やる気スイッチ」が内蔵されていたようで、今、思うと職場の数人の先輩が「やる気スイッチ」を押してくれてオンしてくれた気がします。ある先輩は「もっと上を目指せ!」と尻を叩いてくれましたし、またある先輩は「論理的に考えろ!」と叱ってくれました。そしてある先輩は「お前は全く知識武装してないから竹やりで戦っているようなものだな」と貶してくれました。そんな先輩達が「やる気スイッチ」をオンにしてくれたのでしょう(笑)
新入社員になった皆さんも「やる気スイッチ」が体のどこかに内蔵されているはずです。いつ誰が押してくれるのかはわかりません。そのスイッチをオンにしてくれるのが職場の先輩なのか、親なのか、友達なのかわかりません。そして私のように押されたことに気づかずない人もいるでしょう。もう既にオンになっている人や、一生スイッチがオンにならない人もいるかもしれませんが…(笑)
「やる気スイッチ」をオンにしてくれる素敵な人との出会いを願っています。
written by SDB-1
大変苦労している様を「四苦八苦」といいます。「四苦八苦」とは仏教用語からきているそうです。「四苦」とは生老病死(しょうろうびょうし)を指し、「生まれること、老いること、病気になること、死ぬこと」という人間の根源的な苦しみをあらわしているそうです。これに加え、「愛別離苦(あいべつりく)、怨憎会苦(おんぞうえく)、求不得苦(ぐふとくく)、五陰盛苦(ごおんじょうく)」の四つを加え「八苦」となるそうです。愛別離苦とは愛するものと別れる苦しみ、怨憎会苦とは怨み憎んでいる者に会う苦しみ、求不得苦とは求めても得ることができない苦しみ、五陰盛苦とは人間の肉体と精神全てにあらゆる苦悩を受けることだそうです。すなわち人間はどんな運命に生まれても四苦八苦の苦しみから逃れることはできないということです。
先日、北海道の吹雪の中で父親が自分の命と引換えに子供の命を救ったと報道されていました。その報道を見て心が張り裂けそうになりました。防ぎようは無かったのか、そう考えると無念でなりません。親一人、子一人のたった二人の家族。助かった子供のことが気がかりです。命と引換えに自分を守り抜いてくれた父親をこの子供が誇りに思い、この大きな苦しみを乗り越えて欲しいと切に願っています。そして、両親の分も含めて素晴しい人生になることを心から祈っています。
よく人生は修行という言葉で例えられます。人生が辛く苦しいからそう例えられるのでしょう。小さな苦しみですら四苦八苦すらせず逃げ出す人がいます。逃げ出してしまうと、いつまでも小さな苦しみを乗り越えることができません。そして更に大きな苦しみが訪れた時に挑むことなど到底できないのです。四苦八苦しながら、そしてもがきながらも、苦しみを乗り越えていくことで人は強くなっていくはずです。生きている限り苦るしみはつきまとうのですから、逃げずに戦い続けなければなりません。
あの北海道の親子の壮絶な出来事を考えると、私たちの日々の仕事や生活の中での苦しみなど小さなことなのです。
written by ダニエル