「風が吹けば桶屋が儲かる」昔から言われるユニークなことわざだ。
風が吹くと砂埃が舞う。砂埃が舞うと目に砂埃が入り盲人が増える。盲人は生活のために三味線を弾く。三味線は猫の皮でできているので猫が皮を剥がされ減ってしまう。猫が減ると鼠が増える。鼠が増えるとたくさんの桶をかじる。その結果、桶売れて桶屋が儲かる。流れを説明するとこうなる。
つまり思わぬ結果が生じることや、あてにならないことを期待することのたとえである。
「もしあなたが桶屋だったら?」
桶屋が儲かるために売れる仕組みを考えなければならない。そのためには鼠を増やさなければならない。鼠を増やすためには猫を減らさなければならない。猫を減らすために三味線が売れなければならない…。(えっ?三味線ブームに火をつける?)
このように自社の商品を販売するためには、自然や道理に逆らわず、儲かるための必然的要素を逆に類推して、それに基づいて計画を立てていくことが必要なのだ。
調味料メーカーの「味の素」。売上を伸ばすためにどんな料理にも使えることや、食卓に置いてもらうことをアピールした。そして「味の素」が家庭に普及し、更に売上拡大のために容器の口の面積を広くし穴の数を増やしたそうだ。そうするとおのずと「味の素」の消費量が食卓で増えることになり、その結果、売上が増加する。ちなみに味の素のホームページではこのことを否定している。誰が言い出したのだろう…。もし、これが事実であれば、まさに「風が吹けば桶屋が儲かる」戦法だ。
「穴が増えれば味の素が儲かる…」(笑)
written by キャサリン
あまりに暑いので涼しいことを考えようと頭を巡らしてみた。
以前、サハリンで資源開発が進んでいるから視察に行こうと、親しい取引先の方に誘われ真冬のサハリンへ行ったことがある。サハリンでの初日の出来事。
サハリン市内のホテルに到着した時間が夜遅かったので、ホテル内のレストランで直ぐに夕飯を取ることになった。ロシアでは度数の高いウォッカがお酒の定番。乾杯のビールの後はウォッカを飲むことに。(ちなみにロシア料理は非常に美味しく口に合った)
ウォッカはチビチビ飲む酒ではなく、冷えたウォッカを小さなショットグラスに注ぎ、一気に胃袋に流し込むものである。飲んだ瞬間胃袋が熱くなる。1時間半程経ってレストランが閉店する時間になったので、飲み足りない気持ちを抑え明日に備えて各自部屋に戻り休むことになった。
しかし大の酒好きの取引先の方が、レストランでウォッカのボトルを2本買ってきたので、その方の部屋で飲むことに。5人のメンバーはウォッカで大いに盛り上がった。そこに部屋の電話が鳴った。電話はフロントからで、他の部屋のお客様から騒がしいと苦情があったので、静かにしてくれとのことだった。
「そもそもここサハリンは日本の領土だったんだ!畜生!ロシア人め!」
「日本人の意地を見せてやれ!」(何の意地?)
結局ホテルを出て屋外で飲むことになり、各自部屋に戻りグラスを片手にホテルを飛び出しホテル横の空き地へ。その空き地にあるコンクリートの階段に腰を下ろしウォッカを飲み直すことに。外気はマイナス20度。地面は凍っており真っ暗な夜空からはきめ細かいパウダースノーが降っていた。しかしウォッカをたらふく飲んでいるので体は温い。そして誰かが大声で「サハリンの雪見酒もいいなー」と言い出す始末。
ボトルが残り僅かになった頃、メンバーの一人が寒さで震えだした。彼だけパジャマ姿だった。他のメンバーはグラスを部屋に取りに戻った時に、ダウンジャケットなどをしっかり着込んで出てきていた。そして体を温めるためにパジャマ姿のメンバーが最後のウォッカを一気に飲み干し、ホテルに戻って寝ることになった。ホテルに戻る道でメンバーの一人が滑って派手に転んだ。(次の日、腕が大きく腫れていた…)
部屋に戻ると午前3時になっていた。結局一人一本ずつウォッカのボトルを開けたことになる。
翌朝、サハリン市内の観光に出かける集合時間にメンバー2人の姿は無かった…。
思い出すだけで体が余計に熱くなった…。
written by マックス
以前、東京出張に出かけた際、帰りの飛行機の時間までと念を押し、お取引先の方と昼からお酒を飲むことに。1軒だけのはずが2軒目へ。2軒目では誰が言い出したのか「イッキ」が始まった。(言い出すのは決まってそのお取引先の方)しかもウィスキーの水割りはどんどん濃くなり、いつの間にかストレートに。
いよいよ飛行機の時間が迫りお取引先の方がタクシーで羽田空港まで送ってくれた。飛行機の搭乗手続きのカウンターにふらふらで向かうと、航空会社の地上係員に搭乗拒否をされた。理由は泥酔しているお客様はお乗せできないとのこと。
しかたなく他の航空会社の搭乗カウンターへ向かった。(羽田は航空会社でターミナルが異なるので、またタクシーに飛び乗ることになる)そして、その航空会社でも搭乗拒否。
仕方なく酔いが醒めるまでお取引先の方と待合席で眠る始末。(かなり淫らな格好で…)
結局、また違う航空会社の最終便で帰ることに。
先日、日帰り出張で東京に出かけその取引先の方と会うことになった。
先方は電話で済む話なのにと恐縮していた。ランチにビールが運ばれてきた。ビールを飲む前に仕事の話を始め、グラスに注がれたビールの泡が消える前に仕事の話は終わった。そして乾杯!その一杯のビールが火を付けた。その後は以前のように盛り上がり、結局、昼間から3軒もハシゴ。飛行機の便を変更する羽目に。一瞬、「今日も搭乗拒否されるのでは?」そう頭によぎった。
電話であれば直ぐに終わる仕事の話。しかし大切な仕事は例え遠方でも出かけて行って膝を付け合わして話をすることにしている。確かに時間や費用はかかる。しかしその空間でしか感じることのできない温度や質感を肌で感じることができる。そして何よりも共有された時間があり、まさにライブだ。この共有された時間が信頼関係を築いていく。通信が発達した今の時代でも音楽やスポーツなどのライブには多くの人が出掛ける。録画された映像では伝わらない温度や質感を肌で感じることができるからだろう。
空港の中を全速で走り、変更した飛行機にギリギリ間に合うことができた。こんなことなら泊まりにすれば良かった…。
written by ゴンザレス