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2023年12月08日

アメリカでは新型コロナウィルスの終息とともに支援金は打ち切られ、アメリカ人の経済状況は急速に悪化しているという。可処分所得に占める個人貯蓄率は2020年4月に32%に達していたが、今年の9月には3.4%にまで落ち込み貯金の減少が著しい。アメリカの世帯平均貯蓄額は41,600ドル(日本円で約600万円)だが、これは一部の富裕層によって引き上げられた数字で、中央値は5,300ドル(日本円で約76万円)だ。今、アメリカは景気の後退局面にさしかかっており、貯金が全くない人の割合が成人の約10%(2,500万人)に達するという。アメリカは世界経済を牽引しておりアメリカがくしゃみをすると、日本はもちろん世界中が風邪を引いてしまうと言われるが、このまま日本も景気の後退局面に向かうのだろうか?

現状の日本経済は物価高により消費マインドは多少冷え込んでいるようだが、内需回復に対する期待は高く、特に旅行などインバウンド関連の業況改善が進んでいる。また賃金上昇率は約30年ぶりの高い伸びとなるなど所得改善が期待されている。JTBの発表では今年のゴールデンウィークの国内旅行者数は約2,450万人にのぼり、平均費用は3.48万円で総旅行消費額はコロナ禍前の水準まで回復しているという。また夏休み期間(7月15日~8月末)に国内旅行に出掛けた人の数は7,250万人と、新型コロナの感染拡大前の2019年と同水準まで回復し、平均費用は4万円だという。(本当にそんなに多くの人が旅行に出掛けたのだろうか少し疑問だが…?)このような話を聞くと日本経済では内需が回復することで、米国がくしゃみをしても、日本は風邪を引かずに済むかもしれない。

来年は「辰年」で龍が天空に向かって飛ぶ姿を年賀状に描いているが、一体どんな年になるのだろうか?2024年は「十干十二支」でいうと、41番目にあたる「甲辰(きのえたつ)」の年にあたるそうだ。「甲」は十干の始まりにあたり、生命や物事の始まりを意味しており、「辰」は草木が伸長し、形が整い、活気にあふれている様子を表すという。干支から来年を占うと「甲」と「辰」の合わさる「甲辰」の年は、これからの成長をさらに形作っていく年だといえる。また十二支の中で辰だけが架空の生き物だが、古代中国では実在すると考えられており、権力の象徴で縁起の良い動物とされている。そして辰年は景気が良くなるといわれ、株式相場の格言として「戌亥の借金、辰巳で返せ」と言い表される。戌年や亥年は株価が下がるが、辰年・巳年は株価が上がりやすく、戌亥年でできた借金も、辰巳年で返せるそうだ。

いずれにしても来る2024年は長引いている戦争は終わり平和が訪れ、世界経済は龍のように上昇し皆にとって幸せな1年になってほしい。


2023年12月01日

日増しに気温は下がり今年も残すところ1カ月となった。福岡の大通りに並ぶ銀杏はどれも黄色に染まり、天気の良い日は銀杏の葉が黄金に輝く。もう直ぐ、銀杏の葉は全て落ちてしまい、寒い冬が訪れる。

2週間前、風呂で転び足の股関節の骨にひびが入ったお袋を病院に送っていると、街路樹の銀杏を見てお袋が言う。

「うわ~、綺麗やね~。昔、お父さんと一緒に紅葉狩り行ったことを思い出すね~。とにかく綺麗やった~」

「お袋の足も少し落ち着いてきたけん、葉が落ちてしまう前に紅葉狩りに行こうか?」

「いいね~。行こう、行こう!」

冬が近づき紅葉は待ってくれないので、少し歩けるようになったお袋を連れて紅葉の名所に出掛けた。平日だったが見物客で混雑し、駐車場から紅葉スポットまで距離もあったので、疲れたお袋は「疲れた~。もう紅葉狩りには行かん」と機嫌が優れない。

ところで、紅葉見物を「紅葉狩り」と言う。日本人はまるで狩猟民族のように、やたらと「狩り」という言葉を使う。「潮干狩り」、「苺狩り」、「ブドウ狩り」、「梨狩り」、「キノコ狩り」、「ホタル狩り」、「桜狩り」、「紅葉(もみじ)狩り」…。

動詞の「狩る」には「花や草木などを探し観賞する」という意味がある。「狩り」が草花などを観賞する意味で使われるようになったのは諸説あるようだが、平安時代の貴族と関係しているそうだ。当時の貴族は歩くことを下品と考えていたようで、外出する時は牛車(ぎっしゃ)に乗って出掛けていた。しかし当時は今のように道路が整備されておらず、牛車に登って細く険しい山道を登り紅葉を見に出掛けることはできなかった。そこで紅葉見物で山野に歩いて出掛けることを「狩り」に見立てるようになった。当時、歩いて狩猟に出掛けることは極当然のことで下品ではなかったそうだ。

後に、貴族の間だけで楽しまれていた「紅葉狩り」が庶民に広がり、紅葉を楽しむ文化は今も受け継がれている。しかし貴族はどうしてこうもプライドが高いのだろうか。素直に「紅葉が奇麗なので歩いて山に出掛けよう」そう言えば良いものを…。

「紅葉狩り」の帰りに疲れて機嫌の悪いお袋と天ぷらを食べると、お袋は「美味しい、美味しい」と機嫌が良くなった。まさに「花より団子」だ。今週末、福岡の紅葉は見頃でピークを迎える。少し足を延ばして「紅葉狩り」に出掛けて短かった秋を満喫してみては?


2023年11月24日

僕とお袋は酒好きで毎晩のように晩酌をする。先週の金曜の夜、お袋はワインをグラス3杯ほど飲み、食事を終えて風呂に入った。しばらくすると浴室で大きな音がしたので、浴室に行きお袋に声を掛けたが返答はなく、浴室の半透明のドアからお袋が倒れている様子が窺える。

「お袋!大丈夫ね!?」

「…」

直ぐに浴室のドアを開けようとしたがドアにお袋がもたれている様でドアは開かない。そこで半ば力を入れてドアを押し開けると、裸のお袋が倒れていた。お袋は呼吸も脈もあったが声を掛けても反応はなく、左の額が内出血しており浴室で転倒したようだ。そしてお袋は意識の無いまま欠伸を数回、繰り返した。

「…ヤバい!」

以前、勤めていた会社で昼休みに年配の社員が突然倒れ、意識の無いまま数回欠伸をして病院に運ばれたが、脳梗塞で亡くなった。このことで倒れて意識の無いまま欠伸を繰り返すと直ぐに救急車を呼ぶ必要があると僕は認識した。その後、数回お袋に声を掛けていると、お袋は徐々に意識を取り戻した。

「どうしたん?何で私こんなところに裸で寝とると?」

「お風呂から上がって倒れたんよ」

「そうね?記憶がないね。お風呂から上がろうとしよったところまでは覚えとるけど…」

「とにかく頭を打っとるけん、でこが内出血しとるばい。直ぐに病院に行って頭の検査をしてもらうおう!」

お袋は病院に行くことを拒んでいたが、強引に救急病院に連れて行き頭のCT検査をしてもらった。その結果、幸いにもお袋は脳梗塞や脳内出血などは見当たらず、頭の中は無事だった。そして診察してくれた先生からチクリと注意された。

「お酒を飲んでお風呂に入ったので血圧が急に変化して転倒したんでしょう。絶対にお酒を飲んでお風呂に入らず、お酒を飲む前にお風呂に入って下さい」

「先生、お酒、お酒と言うけど、私はお酒じゃなくてワインを嗜んでいたの!」

「ワインもお酒でしょ?これからはくれぐれも注意して下さい!」

「…」

翌日、お袋の額と目の周りは黒く腫れ、まるでパンダのようだった。そして足の付け根が痛いと言うので、改めて病院でレントゲン検査をすると、左の股関節の骨にひびが入っていた。その日も診察してくれた先生からお酒を飲んで風呂に入らないようにお袋は注意された。いずれにしてもお袋ひとりの時の転倒ではなく良かった。 皆さん、寒くなってきたのでくれぐれもお酒とお風呂には気を付けて!


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