竹内まりやの歌に「人生の扉」というものがある。この歌は10歳刻みで年齢を重ねることを色褪せた味わい深いデニムに例え、素敵に生きていくことを表現している。
僕は学生時代に遊びにほうけてばかりで全く勉強をしなかった。
20代、社会人になり学生時代のつけが回り、このままでは生きていけないことに気付いた。それから僕はがむしゃらに勉強し、生きていく上での基本知識を詰め込んだ。またこの時期に良い上司や仲間に恵まれたことで、視野を広げることができ多くの広告知識も学んだ。
30代は身につけた知識で多くの仕事を経験し、20代半ばから30代半ばまでしっかりと仕事の基盤を固めることができた。
30代半ばに僕を育ててくれた会社が突然倒産し、路頭に迷いながら独立した。またその時期に経験したことの無い業種に大きく関わったことがあり、僕は企業が成長し存続するための答えを探すことになる。
40代は企業を成長、存続させる答えを探し求め多くの本を読みあさった。そして僕が読んだ1冊の本から、ある大学院の教授と出会い共同研究をすることになる。
僕の歳で人生を語るのはまだまだ早いが、人はある時期にがむしゃらに努力しなければならない。同時に素敵な良い出会いをしなければならない。素敵な良い出会いは今までの自分の思考を覆してくれる。そしてその出会いから学んだことを素直に受け入れる心も重要だ。たった一人の素敵な良い出会いが人生を良い方向に導いてくれる。「類は友を呼ぶ」と言うが、素敵な良い人の周りには同じ人種が群がっており、良い出会いは連鎖していく。
不摂生を好む僕はこれから先どれくらいの寿命があるかわからないが、竹内まりやの「人生の扉」のように色褪せたデニムのように、味わい深い人生にしたいと思っている。
「君のデニムの青が 褪せてゆくほど 味わい増すように 長い旅路の果てに 輝く何かが 誰にもあるはずさ~♪」
written by マックス
「石の上にも3年」とはよく言ったもので、株式投資を始めて3年が経ちやっと成功の法則のようなものを見つけ、銘柄選定や売買も少しずつ板についてきた。株式投資は誰かに教えてもらったわけではなく、独学で何十冊もの本を読み実践しながら学んでいる。初めた頃は小額の資金で一喜一憂しながら、精神的にも余裕のない日が続いた。
戦国時代の武士が初陣で出兵する気持ちが今は良く分かる。初陣の武士は戦場で落ち着きがなく手柄を挙げようと焦り、同時に戦場の恐怖に慄いてしまう。しかし歴戦を重ね場数を踏んだ武将は焦ることはなく、冷静に戦場を見渡し攻撃を仕掛ける。敵はその武将からは異様なオーラが放出されているように見え恐怖を感じるだろう。仕事も株式投資も同じだが、場数を踏むことで強くなっていく。
今週、高校受験を迎えた甥っ子が受験前夜に僕に電話を掛けてきた。
「おじちゃん、明日の試験頑張ってくるね。試験終わったら遊んでね!」
「まっ、気楽にやれよ!」
僕が返すと、
「うん。あんまり緊張してないから大丈夫!」
と、彼は返してきた。
彼にとって人生で初めての試練であり初陣だ。多少緊張しているように感じたが、自らが緊張してないと口にすることで、冷静さを保っているように感じた。彼もこれから多くのことを経験し逞しく成長していくだろう。若いうちは多くのことを体験し、失敗と成功を重ねることで経験値が上がり大人になっていく。
僕が今年の年初に掲げた目標に株式投資で利回り30%を目指すとしているが、今年の1月に余りにも成績がひどい状態だったので、一層のこと株式投資を止めようと思った。しかしここで諦めると今までの時間と苦労が無駄になると踏みとどまり、再度基本に立ち返りトライすることに。
今は少しずつ成果が出ており、冷静に売買することができるようになった。きっと年末には目標を射程に捉えることができるだろう。
甥っ子が大きくなったら株式投資を教えてやろう。
written by モンコ
昔、冬の雨の降る夜に近くの自販機へと出掛けた。後ろで何かの気配を感じ振り向くと、ずぶ濡れで寒さに震える子犬が、鼻を鳴らしながら僕に近寄ってきた。生まれて1ヶ月くらいだろうか。その場で少しの間、びしょ濡れの子犬の頭を撫で自宅に戻ろうとすると、その子犬は僕の後ろからトコトコとついてくる。子犬を手で追い返そうとしたが逃げる気配はなく、結局、玄関先までついてきた。
「腹が減って寒いちゃろ?」
僕は子犬に言葉を掛けた。
「ク~ン」
子犬はひどく汚れて寒そうだったので、風呂に入れ洗ってやった。風呂から上がりドライヤーで毛を乾かし暖かい牛乳を与え、暖かいコタツの中に放り込んだ。そこに当時、看護婦だった母が夜勤を終え帰ってきた。僕は母にコタツの中を指差し母が中を覗くと驚いていた。
「どうしたと?」
僕は母に事情を話した。
「どうするね。明日には、おったところに戻さんね」
母が言う。
「こげん寒い中、放り出せんやろ~」
「ばってん、お父さん飼わんて言うよ。あれでいて本人は動物好きやけどね」
「お袋が上手いごと親父に言ってよ」
翌朝、父が起きてきて牛乳を飲んでいる子犬を見て飛び上がった。
「何やこれ!?」
母が事情を説明したが、父は大反対。
「死んだら可愛そうやし、悲しいやろうが!誰が面倒見るとや?」
結局、父は母の説得に負け、その子犬はうちで引き取ることになった。子犬は雑種で長い白い毛で所々、黒の斑があるメス犬だった。彼女は「ヒュウ」と名付けられすくすくと育ち、かなり大きな成犬になった。ヒュウは恩返しだったのか、僕ら家族をたくさん楽しませ喜ばせてくれた。また僕や家族が悲しい時はいつも隣に寄り添ってくれた。そして彼女は僕ら家族に愛され命を全うした。
人の義理や情は本当に希薄で、人の多くの感情はいとも簡単に変化してしまう。だからこそ人は義理人情の物語に感動し憧れるのだろう。先日、ふと、真っ直ぐに生きたヒュウを思い出した。
ヒュウを飼っている間に、今度は妹が猫を拾ってきた。
父は呆れていた。
written by ダニエル