先週、小春日和の暖かい日が続いたので、愛犬Q次郎は犬用の服を着ずに散歩に出掛けたが、今週は一変し真冬の寒さで雪の日が多く散歩には出掛けず、Q次郎をお風呂に入れた。犬用のたらいに湯を張りQ次郎を中に入れると目を閉じて大人しくしている。まるでカピバラのようだ。「Q、暖かくて気持ちいいやろ!」
ところでトランプが大統領に就任して約2週間経つが、早速、トランプは中国やメキシコ、カナダなどを相手に高関税を掛けると脅し必殺トランプ流の取引(ディール)が始まった。中国へは追加関税も視野に貿易慣行の調査に着手し、2国間交渉も匂わせ揺さぶりを掛けている。トランプの言動はいつも規格外で耳を疑うエピソードで溢れているが、トランプは若い頃から規格外の怪物だったのだろうか…。
トランプの大統領就任に合わせ「アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方」という映画が公開された。この映画はトランプの若い頃を描いた衝撃作で、トランプ本人は「嘘っぱちで品のない映画。安っぽくて攻撃的で、ヘドが出るほど悪意ある中傷だ」ときつく非難し、トランプ支持者まで公開阻止に動いた映画が、トランプが怪物へと変貌を遂げる姿がエモーショナルに描かれている。
映画のストーリーは、若いトランプは不動産業を営む父親の下でビジネスの世界に飛び込む。やがて父親の経営する不動産会社が政府に訴えられ、破産寸前まで追い込まれた頃、トランプは政財界の実力者が集まる高級クラブで、悪名高き辣腕弁護士ロイ・コーンと出会う。弁護士ロイ・コーンは大統領を含む大物顧客を抱え、勝つためには非道な手段を平気で選ぶ冷酷な男だが、駆け出しの“ナイーブなお坊ちゃん”だったトランプを意外にも気に入り、トランプに勝つための「3つのルール」を伝授する。そのルールは1.「攻撃、攻撃、攻撃」、2.「非を絶対に認めるな」、3.「勝利を主張し続けろ」という冷酷非道なもので、脅迫、盗聴、「勝つためには何でもやれ」という違法行為も辞さない教えだった。
トランプはロイ・コーンの指示に従い、やがて多くの事業を成功させ、遂にロイ・コーンさえ思いもよらない怪物へと変貌していく。
僕は窓この映画を観ていないが、この映画のように時として人は人生のターニングポイントで、その後の人生を大きく左右する出会いがあるように思う。その出会いが、善良なものか邪悪なものか、それは時間が経過し振り返ってみないとわからない。そして善良な出会いは自分を高めポジティブに行動しないと訪れない。
いよいよドナルド・トランプがアメリカ大統領に就任した。首都ワシントンの連邦議会議事堂で行われた就任式の演説で「米国の黄金時代が今始まる」と表明したが、果たしてアメリカに黄金時代が訪れるのだろうか?世界がグローバルに繋がっている現代は、ひとつの国だけが豊かになることは難しく、世界規模で豊かさを追求し努力することが必要ではないだろうか。
ところで大手企業を中心に優秀な人材を獲得するため新入社員の初任給を引き上げる動きが相次ぎ、初任給が30万円を超える企業が出ている。深刻な人手不足により新卒採用は売り手市場で、大手企業による人材獲得競争が激しさを増している。
企業は付加価値に占める人件費の割合を示す労働分配率から判断し、基本的に給与の原資は一定で、初任給が上昇すれば既存社員の賃金を抑え帳尻を合わせることになる。そのため初任給が上昇した分、中堅社員やベテラン社員の賃金を据え置くか、もしくは昇給幅が減少することに。高度成長期のように企業業績が右肩上がりに伸びていれば、社員全体の給与も上昇するが、経済が成熟し衰退に向かっている現在では企業は高い業績は見込めず、給与の原資の伸び代は小さい。
企業は既存社員の給与額を減らすと社員からの反発が起きるので、多くの企業は人件費の総額を維持するため昇給率を減らし、昇給・昇格する人数を減らすなど気づかれないように既存社員の人件費を調整している。つまり企業が望む成果を出した社員は昇給するが、そうでない社員は昇給しにくい状況が続く。
高い初任給で入社した新入社員も1年後には既存社員になるので、成果を出し昇給対象者の枠に入っていないと、将来、給与は上昇しないだろう。逆に昇給しないことは成果を出せていないか、会社が期待する仕事ができていないということになる。
そこで昇給がないと自分自身の経験・スキルを認めてくれる企業に転職を考える。しかし転職先でも成果を上げて昇級対象者の枠に入ることができなければ結果は同じだ。
「アメリカ ファースト!」トランプ氏のお馴染みのフレーズだが、まずは目先の高い初任給に目が眩むことなく、「自分 ファースト」で基本を学び、自らの力で道を切り開くパワーとスキルを身に付け、人に信頼され愛される人間性を養わなければならない。そうしなければ将来、自分が望む昇給はないだろう。
早いもので新年を迎えて2週間になる。国際情勢を分析しているアメリカの調査会社が今年の「10大リスク」を発表した。毎年発表される「10大リスク」は、その年のリスクを的確に予想しているので世界が注目している。今年は世界にどんなリスクがあるのだろうか?
1.「深まるGゼロ世界」
「Gゼロ」とは経済的にも政治的にも世界的な目標を推進する能力と意志を持つ国や国のグループが存在せず、世界的な課題への対応を主導し国際秩序を維持する国家が存在しないことを指す。そのため地政学的に不安定が常態化し、世界大戦が起きるリスクはかつてないほど高まり、1930年代や冷戦初期に匹敵する危険な時代に突入しつつある。
2.「トランプの支配」
司法省やFBIといった政治的に権力を持つ組織にトランプ氏は忠誠を誓う人物を据えようとしており、行政権力に対する独立したチェック機能が低下し法の支配が弱体化してしまう。
3.「米中決裂」
トランプ氏の返り咲きにより、米中関係の安定は崩れ中国製品に高い関税を課し経済の混乱や危機のリスクが高まることになる。
4.「トランプノミクス」
アメリカによる関税の引き上げはサプライチェーンを混乱させ、企業と消費者のコストを押し上げることに繋がる。また不法移民の大量送還などによりアメリカの労働力は減少し、賃金と物価が上昇。そのためインフレが続き経済の強さを損なうことになる。
5.「ならず者国家を続けるロシア」
トランプ氏によりロシアとウクライナは停戦が成立する可能性はあるが、ロシアはアメリカ主導の世界秩序を弱体化させる政策を推し進めるだろう。またロシアは占領したウクライナ領土を事実上支配し続けるだろう。
6.「追い詰められたイラン」
イスラム組織ハマスによるイスラエルへの奇襲攻撃以降、イランの地政学上の立場は壊滅的な打撃を受けた。イランはここ数十年にないほど弱体化しており、中東は依然として不安定な情勢が続くだろう。
7.「世界経済の窮乏化」
トランプ氏が大統領に就任するアメリカと、経済が低迷している中国の混乱が他の国々にも波及し、世界経済の回復を妨げ地政学的分裂を加速させることになるだろう。
8.「制御不能な人工知能(AI)」
AIの性能はさらに向上する一方、規制緩和によって大惨事につながる事故や制御不能なAIの「暴走」のリスクが高まるだろう。
9.「統治なき領域の拡大」
アメリカが世界的なリーダーシップを放棄し、深刻な地政学的対立や不安定を引き起こし、ならず者国家や非国家主体を勢いづかせる。
10.「米国とメキシコの対立」
メキシコは財政難が続いているが、トランプ次期大統領の関税や不法移民などの取締りで困難な課題に直面し、アメリカとメキシコの関係はさらに険悪になるだろう。
2025年、再び世界に暗雲が立ち込めてきた。今年の「10大リスク」に大きく関わるのはトランプ次期大統領で、彼の言動が世界を分断し破壊してしまう恐れがある。世界大戦など起きなければ良いが…。これからは国家より世界中の人々がひとつになり、強く平和を訴え思いやりのある正しい行動をしなければならない。
「またトラか…。彼は悪魔か、それとも神なのか?」