梅雨入りした福岡では連日ぐずついた天気が続き、湿度と気温の高い日は不快で憂鬱だ。早く梅雨が明け、急いで夏が過ぎ気候の良い秋になって欲しい。もう少し気温が高ければエアコンを使用するのだが、今のところエアコンを使用していないので、愛犬Q次郎も冷たい床を移動しながら横になっている。
ところで「定額減税」が始まり、会社員など給与所得者は今月支払われる給与やボーナスの所得税と市県民税が控除される。「定額減税」は年収が2,000万円以下の会社員、個人事業主、年金受給者などが対象で、扶養家族を含めて1人当たり所得税が30,000円、住民税が10,000円の合計40,000円が控除される。例えば夫婦と子ども2人の4人家族の場合では、共働きかいわゆる「片働き」に関わらず、世帯全体で所得税が30,000円×4人、住民税が10,000円×4人、合わせて160,000円が控除される。6月の所得で控除できない場合は合計の減税額に達するまで月をまたいで控除される。
政府は物価上昇が続く中、春闘による賃上げが給与に反映されるこの時期に減税することで、手取りの増加を実感してもらうことが狙いだが、制度が複雑で効果を感じづらいという指摘もあり、政府の狙い通りデフレからの完全脱却に繋げるかが焦点だ。
「定額減税」は、岸田首相が「税収の増加を国民に還元する」として打ち出した肝いりの政策で、手取り額の増加を実感してもらい消費を活性化させたい考えだ。しかし食品全般の値上りや光熱費やガソリンなど物価が上昇する中、果たして「定額減税」により手取りの増加を実感し、デフレからの脱却に繋がるのだろうか。きっと多くの国民は減税により増えた手取りを預金するのではないだろうか。
「定額減税」のような小さな減税を実施するのであれば、イギリスのように食料品などの消費税率を0に引き下げれば効果は直ぐに実感できるはずだ。物価高に苦しむ国民や中小企業は「定額減税」で救われないだろう。しかも今後、健康保険料や社会保険料などの引き上げや、ミサイルや戦闘機など兵器を購入するための「防衛増税」などの税負担が国民に伸し掛かる。
うちでは「定額減税」で愛犬のためにジャーキーを作れるコンベクションオーブントースターを購入したが、「定額減税」で喜んでいるのは愛犬だけだ。日本は税金が高く、何かと住みにくい国になっている。
今週、例年より2週間ほど遅れて福岡は梅雨入りし、「博多祇園山笠」のフィナーレを飾る「追い山」が行われる7月15日頃、梅雨が明ける。以前は蒸し暑いこの時期もスーツを着て仕事に出掛けていたが、今はTシャツに半ズボンで過ごしているので気が楽だ。
ところで梅雨の時期だが、今週、2晩続けて就寝中に蚊の襲撃を受けた。腕や足が痒くて目を覚ますと、暗闇の中、耳元で小さく細い「ブ~ン」という嫌な音が聞こえた。直ぐに飛び起き照明を付けたが蚊の姿は見えない。痒い箇所を見ると赤く小さく腫れており痒み止めを塗り照明を消すと、再び耳元であの嫌な音が聞こえた。再び照明を付けて蚊を探すと、天井近くの壁に身を潜めていたので、そっと近づき蚊を叩き潰した。壁には潰れた蚊とさっき吸った僕の血が付いた。
「ちっ、ざま~みろ!!」
実は血を吸うのはメスの蚊で、オスの蚊は血を吸わない。蚊はオスもメスも普段は花の蜜や木の樹液など甘い糖分を吸って生活しているが、メスは産卵時期に卵を産むために必要なタンパク質を摂取するため吸血するという。蚊は人や動物などターゲットをどのように見つけ吸血しているのだろうか?
蚊は「二酸化炭素(CO2)」、「匂い」、「熱(体温)」の3つの要素でターゲットを探している。まず蚊が頼りにしているのが、遠くまで届く二酸化炭素(CO2)で、人や動物の呼吸から出るCO2に反応し、CO2が集まっている場所を見つけ近づく。次に蚊は人や動物が出す様々な「匂い」に反応するようで、「匂い」もターゲットを見つける重要な要素だ。そして最後に温度を感知するサーモグラフィーのように人や動物の体温を手がかりにターゲットを探している。
この3つの要素のうち2つの条件が揃うと、蚊はターゲットに確実に近寄る。特に汗を掻くと蚊に刺されやすいが、これはCO2、匂い(汗臭)、熱(体温)3つの要素が完全に揃った状態だ。また酒を飲むと体内でアルコール分解時にCO2が多く発生し、吐く息からCO2が増えるため蚊が近寄てくる。また驚くことに蚊はマンションのエレベーターに入るターゲットを見つけると、そのまま一緒にエレベーターに乗り、玄関のドアを開けると部屋の中に潜り込むそうだ。吸血するメスの蚊、奴らはまるで女忍者の「くのいち」のように静かに素早く動いている。
酒好きの僕は蚊に狙われやすいので、夏場は「ウナクール」をベッドのわきに置いて眠る。
先日、近所のスーパーに出掛けると、通信障害によりカードでの支払いができないとレジ前に告知されていた。僕は持ち合わせがあったので、レジで商品の代金を支払ったが、日常的にキャッシュレスレスで支払う方はレジに商品を置いて帰って行った。
政府は「2025年6月までにキャッシュレス決済比率4 割程度を目指す」という目標を掲げている。経済産業省の調査によると、2023年のキャッシュレス決済比率は既に39.3%とその目標に近づいている。今後は人手不足による省力化など、事業者にとってのキャッシュレスの必要性が高まり、供給面の整備や利便性向上を通じて同比率が押し上げられていくことが見込まれている。では政府がここまで力を入れてキャッシュレス決済を推進する理由は何だろう。
まず政府は観光立国を掲げ、訪日外国人旅行客の数が増えている今、日本でキャッシュレス化を進めていきたいという背景がある。世界の主要国ではキャッシュレス化が進み、中国や韓国ではキャッシュレス比率が8割を超え、多くの国民がキャッシュレス決済を利用している。慣れない現金払いより、キャッシュレス決済に対応することで機会損失が少ないと考えている。
次にインフラとしての現金決済を維持するには多額の費用が掛かるようで、経済産業省は現金のインフラを維持するためには年間2.8兆円の費用がかかると試算している。具体的には、ATM設置、運営コストや警備コスト、お店であれば釣り銭の準備やレジ締めなどの人件費が間接的に掛かる。銀行などの金融機関の支店統廃合や、多くの硬貨の預け入れに手数料がかかるようになり、現金での決済が有料化される動きも出始めている。
そしてお金の製造やATM・両替機・釣銭機の稼働など、現金利用に関連する年間のCO2排出量は20万トンを超えるそうで、キャッシュレス化はCO2の削減効果も期待できるという。社会全体のキャッシュレス化は温室効果ガス削減につながるため、キャッシュレス決済はSDGsの観点からも注目を集めている。
しかしキャッシュレスがさらに加速すれば、お金の大切さが希薄になってしまうのではないだろうか。また現金でのやり取りではなく、スマホやパソコンで数字だけで入出金することになり衝動買いなど無計画にお金を費やしてしまうことに繋がる。
親が若い頃、給料やボーナスは現金で支給され、仕事の対価であるお金の重みを実感し有難みを肌でしっかり感じていたそうだ。いずれにしても、お金をしっかり管理して計画的に大切に利用しないといけない。因みに僕は現金払いとカード払いを併用している。