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2023年07月28日

今週、福岡管区気象台は「九州北部が梅雨明けしたとみられる」と発表した。気象台の発表は「○○とみられる」など、曖昧な表現をするのでどこか鼻につく。今年の九州北部の梅雨明けは全国で最も遅く福岡では梅雨が2カ月も続いた。梅雨が長く続いたことは地球温暖化の影響なのだろうか…。

ところで以前のお袋は買物など外出することも多かったが、近頃は病院に出掛ける以外は外出することも減りベッドで横になっていることが増えた。そこでお袋がボケないようにたまに外食に連れて行き刺激を与えるようにしている。お袋は和食が好きなので和食を食べに出掛けることが多いが、今週、趣向変えて中華料理のランチを食べに老舗ホテルに出掛けた。久しぶりの中華料理にお袋は喜んでいたので、僕は料理を運んでくれたホールスタッフに声を掛けた。

「美味しいですね」

「ありがとうございます。それは良かったです」

ホールスタッフは笑顔で返してくれたので、僕はこう続けた。

「以前、こちらのホテルにはよく来てたんです。実はここが開業する時、CM制作やテレビの広告をやらせてもらったんですよ。当時、広報室の女性スタッフの方と食事をしながら打ち合わせをしていたんです」

「そうだったんですか。早いものでこのホテルも今年で開業25周年です。当時、広報室にいた一人は退職したんですが、もう一人は広報室から移動しましたが、今も在籍しています。呼びましょうか?」

「いえいえ、僕のことは覚えていないでしょうし、お忙しいでしょうから結構です」      

僕はそう断って食事を続けた。しばらくすると後ろから先程のホールスタッフが声を掛けてきた。

「サプライズです。連れてきました!」

振り返ると、そこには当時、広報室にいた女性スタッフが笑顔で立っていた。驚いた僕は直ぐに立ち上がった。

「えっ!!大変ご無沙汰しています。うわ~、以前と全くお変わりないですね。その節は大変お世話になりました!」

ホールスタッフが彼女に僕のこと伝えたところ、彼女は僕のことをしっかり覚えていたようで直ぐに連れて来たと言う。久しぶりの再会に彼女も喜んでくれた。

食事を終えて店を出る時、ホールスタッフは丁寧に見送ってくれた。僕は25年前に戻った気分でホテルを出た。空を見上げると、すっきり晴れており、その日、福岡の梅雨は明けた。

2023年07月21日

例年、福岡では「山笠」のフィナーレを飾る「追い山」が行われる頃に梅雨明けした。先週、金曜日の早朝に「追い山」が行われ、天気図を見ると梅雨前線は日本を北上していたので梅雨明けしたと判断し、汗だくになりながら汚れていた愛車を洗車した。愛車は輝きを取り戻し僕は満足していたが、信じられないことに梅雨前線は日本を南下して来て福岡は梅雨空に戻り今週も梅雨明けしていない。「折角、ワックスまで掛けたのに…」

ところで太平洋を漂流していた小型船に乗るオーストラリア人の男性と愛犬がメキシコのマグロ漁船によって2カ月ぶりに救助された。彼は4月にメキシコ沿岸を小型船(双胴船)で出発し、メキシコからフランス領のポリネシアを目指して約6,000キロを航海していた。しかし出発して数週間後に嵐に巻き込まれ船は破損し通信機器も壊れてしまい、彼と愛犬は太平洋に取り残され漂流することになった。

幸いにも彼の船には釣り道具など生存に必要最低限の道具が備わっており、彼と愛犬は漂流している間、魚を釣り捕らえた魚を生で食べ飢えを凌いだという。また偶然にも太平洋の暖かいエリアを漂流していたため雨には恵まれ飲み水を確保でき、昼間は脱水症状を起こさないように、愛犬とボートの天蓋の下で直射日光を避けて過ごしたという。

しかし破損した船で電力も無く通信機器は故障し、救難信号すら発信することができず広い太平洋で通りがかりの船や航空機に偶然、発見してもらうことを信じて漂流することはまさに焼け石に水だ。きっと昼間は陸地も見えない果てしなく続く地平線を眺め孤独を感じ、夜は底なし沼のような真っ暗な海面で恐怖を感じただろう。

オーストラリア人は単独で航海に挑んだのだから航海に必要な知識とスキルを持っていたはずだが、愛犬が一緒ではなく彼ひとりで漂流していれば、孤独に耐えきれず絶望し希望を見出すことはできなかっただろう。彼が生存できた背景には愛犬の存在が大きく、彼は愛犬に寄り添い癒してもらい希望を維持することができたのではないだろうか。もし漂流中に彼と愛犬のどちらか欠けていれば、どちらも生還することはできなかったはずだ。

救助され、彼と愛犬の絆は以前より強いものになっているだろう。

僕もこれからは愛犬Q次郎といつも一緒に出掛けよう。

2023年07月14日

今週、福岡では7月に降る1カ月分の雨が1日で降り、洪水や土砂災害の避難指示が出された。この影響でほとんどの公共交通機関は運休や遅延が発生し、大雨の中、全く役に立たない傘を差し、ずぶ濡れになって出勤している人を窓から眺めていると、まるで歌川広重が描写した絵のようで、今も昔も何も変わらないように思えた。

今週、雨の中、2週に1度通院している皮膚科に出掛けた。昨年の11月に両足の裏に痛みがあり、足の裏を覗くとかなり硬くなっているので掛かり付けの皮膚科で診てもらうことに。皮膚科に出掛けると女性の先生は僕の足の裏をルーペで覗きこう言った。

「これはイボですね」

「えっ、イボですか?」

「はい。ルーペで見ると分かるんですが、小さなイボがたくさん連なって出来ています」

「足の裏にイボが出来るんですか?」

「イボは角質の厚いところによく出来ます。ほとんどのイボはウィルスによるもので、イボウィルスは常在菌のようにどこにでもいます。ほとんどの人はイボウィルスに免疫を持っていますが、3割ほどの方は生まれつきイボウィルスに免疫が無いんです。それでは治療しましょう」

イボの治療は-196℃の液体窒素をイボに数回当て、凍傷にしてイボを完全に取り除くと言う。(-196℃か、何だかレモン酎ハイみたいだ)

「それでは液体窒素を当てますよ。痛いですけど我慢してください」

「うっ…」

冷たさは全く感じないまま痛みだけが走った。治療が終わり2週間後に再び来院するよう先生に言われた。2週間後にイボが取れていなければ、完全に取れるまで同じ治療を何度も繰り返すそうだが、イボウィルスはしつこく2年も治療が続く人がいるそうだ。

僕は皮膚科に2週に1度通い9ヶ月になる。今では殆どのイボは無くなったが、左の踵にあるイボはかなりしつこいようで治療を受けている。

「踵のイボがしつこくて執念深いですね。それでは2週間後に!」

「先生、これはいつまで続くんですかね~?」

「ここで諦めるとイボが増えますよ。修行と思って頑張って下さい」

「修行…これは修行ですか?」

「そんなもんでしょう」

この先も皮膚科で修行に励まなければならないようだ。

犬の散歩にはビーチサンダルではなくスニーカーで出掛けることにした。

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