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2020年10月30日

朝、出勤するとお得意先である設計会社の社長が亡くなり、その晩にお通夜だと連絡を受けた。あまりに突然のことだったので、僕は声を上げるほど驚いた。彼は癌だったが仕事を続けることに執着し最後まで辛い抗がん治療を受けながら設計をしていたそうだ。亡くなった日もクライアントと打ち合わせをした後、自宅に戻り倒れて亡くなったそうだ。

彼は不愛想で人付き合いが苦手な方だった。僕は紹介で彼と出会い、彼の会社のPRの仕事を任された。基本的に僕はお得意の意向を丸飲みするタイプではなく、間違っていることははっきりとお得意に伝えるので、不愛想な彼は僕を気に入ってくれたようだ。そして彼と会食に出掛けるほどの仲になり、約20年間お付き合いした。

若い頃の彼は暴走族で随分グレていたそうだ。高校を卒業すると大学には進学せず建設会社の現場で働いていたと言う。建設現場での仕事は毎日重労働で現場監督からはいつも怒鳴られ扱き使われていたそうで、このまま死ぬまで人に扱き使われ死ぬのかと自問していたそうだ。そして彼は一念発起し使われる側より使う側になろうと強く思い、建築士になることを決意したそうだ。
彼は働きながら専門学校に通い2級建築士の資格を取得し、その後、設計会社で働きながら独学で1級建築士の試験を見事合格し晴れて1級建築士になった。彼は中学、高校とまともに勉強しなかったようで、建築の勉強よりも漢字や数学を覚えることの方が大変だったと笑いながら話した。その後独立し設計会社を立ち上げ、九州で名の通った設計士になり国内はもちろん海外でも多くの建築の賞を受賞した。

お通夜に出掛け会葬御礼を頂戴し自宅に帰り会葬御礼を開きご家族からの礼状を読んだ。そこには彼が子供たちに常日頃から言っていた言葉が記されていた。
「夢は自分の力で掴み取れ!これが主人の口癖でした…」

コロナ禍で厳しい毎日を送っている人も多く、就職活動をする中で内定を取り消され途方に暮れる若者も多い。辛く苦しくても彼のように夢を諦めず必死に努力すれば必ず夢を掴むことができるので諦めないでほしい。

当時、勤めていた会社が倒産し独立したばかりの僕を彼は力強く勇気付けてくれた。

written by ベルハルト

2020年10月23日

人との出会いが人生に大きな影響を与える。今までの人生を振り返ると4人の方が僕の人生に大きな影響を与えてくれた。

1人目は僕が以前勤めていた会社の上司で紳士的でお洒落な方だった。身だしなみもちろん身のまわりも常に整理されており、仕事は論理的に考え僕にマーケティングの基本やクリエイティブの考え方など広告の基本を教えてくれた。彼との出会いがこの業界で生きる礎を作ってくれた。

2人目は取引先のメディアの方で繊細さはなくまるで狩猟民族のように、いつも豪快に営業をして多くの顧客を作り仕事を取ってくる方だ。彼の突破力は人並み外れたものがあり、彼からは豪快さや忍耐強さを学んだ。それに浴びるほど酒を飲むことまで教わった。

3人目は外資系の会計事務所で働いていた公認会計士の方で、彼からは経営指標や決算書の読み方など経営に関する数字の読み方はもちろん、節税など効率よく合理的な税金対策を学んだ。彼はこちらが質問をしない限り進んで教えてくれる方ではなく、全く知識を曝け出さない方だ。

4人目は投資コンサルタントの方で、僕に投資の基本を教えてくれた。僕は数年前に独学で株式投資を行っていたが全く芽は出なかった。そこでネットで投資に関して色々調べていると、彼のブログに辿り着いた。そして彼に連絡を取り東京まで会いに出掛け投資に関して指導してもらうことに。彼はフィナンシャルプランナーでもあったので、資産や投資の配分まで教えてくれ僕の将来を描いてくれた。

そしてこの4人との出会いが僕の人生において大きな影響を与えた。

人との出会いは人生を良くも悪くも変化させる。良い出会いはその後の人生を大きく変化させ豊かなものにしてくれる。これからも数人の良い影響力を与える方に出会うかもしれない。僕も彼らのように誰かに良い影響を与えることができれば嬉しいのだが。

秋が深まり肌寒くなったベランダでランタンの心地よい灯りでハイボールを飲みながら、秋の夜空を見上げふとその4人を思い出した。

written by マックス

2020年10月16日

新型コロナウィルスの影響で外出自粛が求められことで、「べランピング」という新しいライフスタイルが流行している。「べランピング」とは家庭のベランダで気軽にキャンプを楽しむことを指す造語で、自宅のベランダにテントを張り椅子やテーブル、それにランタンやコンロなどを用意し気軽にキャンプを楽しむことで、簡単に非日常体験ができるとキャンパーの間で話題になっている。

僕は家族に気を遣いベランダでタバコを吸うためベランダで過ごす時間は長いので、ベランダを快適に過ごせるスペースにすることにした。若い頃はよくキャンプに出掛けていたので、ひと通りのキャンプ用品は揃っているが、自宅のベランダにわざわざテントを張り寝袋にくるまって寝る気は無く、またベランダでBBQなど手の込んだ料理も作る気もないので、クローゼットの奥からテーブルと椅子、それにランタンを引っ張り出しベランダにセットした。
天気の良い日は朝食、昼食、夕食と3食全てをベランダ取り、夜はランタンに火を灯し町の明かり眺めながらゆっくりとお酒を楽しんでいる。もう少し非日常になるようにとクラッシックなランタンも購入した。少しずつ秋も深まり夜は肌寒くなってきたので、カセットコンロのガスを利用する小さなストーブも購入しようと考えている。
先日の十五夜はベランダにおでんを準備し満月を眺めながらのんびりと食事を取った。虫の声がかすかに聞こえどこからかキンモクセイの香りが漂い心地よく秋を感じた。

新型コロナウィルスは今も収まることはなく世界に深刻なダメージを与え続けているが、悪影響だけを及ぼしたわけではなく自宅でゆっくりと過ごす時間を与えてくれた。また知恵を絞ることで自宅にいても非日常体験ができることも教えてくれた。

ベランダでお酒を飲んでいると愛犬Q次郎がベランダにやって来て、僕の隣の椅子にヒョイと飛び乗ってきた。Q次郎もベランダで過ごす非日常の時間を楽しんでいるように見える。家の中で暮らしているQ次郎のためにベランダに犬小屋やドッグランのスペースでも作ってあげようか。

written by モンコ

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