体調を壊して随分となる。
若い頃は多少無理をしても体調を壊すことは無かった。また壊したとしても、一晩ゆっくり休むと次の日はピンピンしていた。
最近は何かあるたびに健康食品に健康ドリンク、そして医者に掛かり処方薬を飲んでいる気がする。
そう言えば、忘れることも多くなった。立ち上がって、何で立ち上がったんだろうと考えてしまう。それに老眼も酷くなった気がする。要するにポンコツに近づいてきているのだろう(笑)
しかし仕事に関しての記憶と勘は未だ衰えていない。忘れてはならないことは以前よりメモ帳や付箋などにやたらと丁寧に文字化しているからだろう。
僕は書くということは記憶するための基本だと考えている。手と指を動かし、目で確認している。結局時間をかけて記憶しているからだろう。
早いもので2月も終わる。
月末になり社内の伝票やお得意さまへの請求書を作る頃になった。入出金のチェックなど、決して間違えてはならないことだ。
「最近、老眼で請求書の金額を間違えてしまいました…」
「記憶が間々ならないので、支払日を間違えました…」
そんな言い訳は通用しない。
肉体は衰えても脳は衰えない工夫をしないといけない。
そう言えば2月26日は以前勤めていた会社が突然倒産した日だ。
あまりに衝撃が大きかったのでしっかり記憶している。
当時の仲間は元気でやっているのだろうか…。
written by マックス
ある会社からメールで広告提案の依頼があった。一先ずうちの若いスタッフに訪問させた。
紹介者もいないので、どのように当社を知ったのかうちの若いスタッフが尋ねてみると、インターネットで探したそうである。
「…」
若いスタッフの持ち帰った話は有効なメディア展開を提案して欲しいとのことだった。先方は広告以前に首を傾げるところがあったので、再度ヒアリングを行い、その業界での初歩的な運営展開を提案することにした。
先方に若いスタッフが提案に行くと、全く感謝のかけらも無く、他社の成功事例を元に実際のクリエイティブでどのくらいのレスポンスがあったのか、クリエイティブとレスポンスの数字を出して再提案して欲しいと言われたそうだ。
「出せるわけないだろ!」
大切なお得意の事例や、その時の数字を教えることなんかできるわけがない。無茶な相談をする会社もあるもんだと呆れてしまった。結局、若いスタッフに守秘義務があるのでと、先方に丁重にお断りを入れさせた。
打ち出の小槌を多くの企業が探している。しかし、そんな物はあるわけが無い。成長している企業は常に変化する時代の中でTry and errorを繰り返し、独自に打ち出の小槌を開発するための努力を重ねている。そして、その企業と一緒に我々も一丸となってチャレンジしている。その中で見つけたヒントや答えを易々と教えることはできるわけがない。
今後、メールでの仕事の依頼は基本的に受け付けないことにした。
こちらの時間が無駄になる。
「打ち出の小槌はありません!!」
written by モンコ
会食が終わり寒い夜だったので家路を急いだ。
僕の前をOLなのかかなり若い女性が二人、陽気に話をしながら歩いている。お酒が入っているようで声が大きい。話の内容を聞く気は無いが自然と耳に入ってくる。そのうち一人が、何やら歌のフレーズを明るい声で口ずさんだ。
「幸せっ~て、何だっけ何だっけ♪」
やけ酒か?よほど辛いことか嫌なことがあったのだろう。そう思うと、もう一人の女性が歌った女性に聞き返す。
「本当、幸せって何だろうね?」
歌っていた女性が
「う~ん」と沈黙する。
すると、もう一人の女性が大きな声で言った。
「家族がいることだよね!」
「うん!そうだよね!家族がいることだよね!」
二人は笑顔で共感していた。
お酒の入った今どきの若い女性の出す結論には感じられなかった。僕は心の中で「なかなか良い結論だ!」そう思い嬉しくなった。
どんなに辛いことがあっても、家族や見守ってくれてくれる人がいるだけで幸せなのかもしれない。きっとあの二人の女性の両親は素晴しい方なのだろう。
寒い夜だったが心が温くなった。
written by マックス