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2021年04月09日

久しぶりに自転車に乗り近所の店に出掛け自転車を降りると、太腿に痛みがあったので直ぐに運動不足だと感じた。事務所で仕事をしていた頃は自転車で通勤していたので多少運動量はあったが、テレワークを始めて2カ月が過ぎQ次郎との散歩だけでは運動量が足りないようで、体力は落ちお腹周りも緩んできた。そこで近所のスポーツクラブに入会しパーソナルトレーナーを予約した。

スポーツクラブデビュー当日は予約したパーソナルトレーナーとの時間まで、別の女性トレーナーが僕の筋肉量や脂肪を測定し施設を案内してくれた。そして施設の案内が終わる頃、その女性トレーナーに無線が入った。彼女は手違いがあり予約していたトレーナーがまだ出社してないと言う。
「えっ、すっぽかされた?」
「いや何かの手違いのようで…」
「僕が電話で予約をした時、そのトレーナー本人が電話に出て予約したんばい。信じられん。忘れとったい…」
「大変申し訳ございません。後ほどそのトレーナーから連絡させますので、改めて時間を調整してもらえませんか?」
「そのトレーナーと会ったこともないし、別にそのトレーナーじゃなくていいんやけど。あなたの今手が空いとるなら、あなたで良かよ」
「私は今から別の方のレッスンが入っていますので…」
「じゃー、僕は今日帰ります」
「後ほど本人から電話させますから、大変申し訳ございませんでした」
彼女はそう言いながら深々と頭を下げた。

その後、呆れたことにすっぽかしたトレーナーから電話は無かった。僕は別のトレーナーを改めて予約するためスポーツクラブに電話を掛けると、電話に出た相手は僕をすっぽかしたトレーナー本人だった。
「あんたすっぽかしておいて電話もよこさんとはどうなっとると?スポーツマンやろ、ちゃんとせんといかんやろ!」
「今日はレッスンが多くてバタバタしてまして…。今、電話を掛けようとしてたんです」
「もうよか。あんたにどうしてもお願いしたいわけでもないし、明日、手の空いたトレーナーはおるね?」

僕は別のトレーナーを予約し翌日スポーツクラブに出掛けた。スポーツクラブで僕を待っていたのは、昨日、深々と頭を下げた女性トレーナーだった。
「昨日は大変申し訳ございませんでした。挽回しようと昨日測定した数値でトレーニングのメニューを作ってきました。直ぐにでもトレーニングに取り掛かれます」
「そーね。そりゃ~ありがたい」
「それでは、張り切って行きましょう!」

彼女はマイナスを取り戻そうと丁寧に指導してくれたので、次回のトレーニングも彼女にお願いすることにした。数カ月もすれば運動不足も解消され、緩んだお腹は引き締まってくるだろう。楽しみだ。

2021年04月02日

先週末、朝食を取らずに仕事を始め、一段落着いたところで朝食を食べようとダイニングに向かうと、数日前から泊っている甥っ子が朝食を終えたところで、甥っ子は僕が既に朝食を取ったと早合点し僕の朝食も平らげていた…。

以前より僕はプチ断食に興味があったがやったことはなかった。プチ断食とは24時間のうち16時間は何も食べずにカロリーのない水分だけで過ごす健康法だ。近年、アメリアの医学界で空腹と健康に関する研究が進められており、断食することで生活習慣病や成人病の予防に効果があることが分かってきた。
一日3食取っていると、前に食べた物を消化する間に次の食べ物が体内に入ってくるため内臓は休む間もなく働き続け、胃腸や肝臓は疲れ働きが鈍くなり栄養をしっかり吸収することができない。そのため腸内環境が悪化し免疫力も低下することで、病気のリスクが高まるそうだ。そこで週に1日、16時間のプチ断食を行い「空腹時間」を作ることで、内臓がリセットされ内臓の働きが良くなると言う。
またプチ断食を行うと体は生存の危機を察知し「オート(自己)ファジー(食べる)」を発動する。「オートファジー」とは、食べ物から栄養を摂取しエネルギーに変えることができないため、体内にあるタンパク質やミトコンドリアを分解しエネルギーに変えるが、同時に体内の不要なものや老廃物も分解するので細胞は内側から生まれ変わり活性化されると言う。そのため「オートファジー」の状態になることで成人病や生活習慣病の予防や老化防止の効果があると言う。

昨晩、夕食が終わった時間は21時で16時間の「空腹時間」を取るためには13時まで何も食べ物を口にしなければ達成できる。僕は思い切ってプチ断食にトライすることにした。しかし13時になり昼食を取ろうと考えたが、もっと体に危機を与え「オートファジー」の状態を継続させようと思い、昼食も取らず夕食まで食べることを我慢することに。結局、その日は19時から夕食を始め僕は22時間のプチ断食を行った。
プチ断食を始めてから19時間が過ぎたあたりから空腹をより感じ少しずつ眠くなってきたので、気を紛らそうと近くの商店街に出掛けた。商店街にある店のレジの前にチキンラーメンが山積みにされていたので、つい手を伸ばしそうになったが我慢した。そしてプチ断食後の夕食は随分美味しく感じられた。

翌朝、僕は心が清々しく体が軽くリセットされたように感じられた。これから毎週1回はプチ断食を行ってみようと思ったが、僕はストイックな方なのであまりムキになり長時間の断食をしない方がよさそうだ。ムキになって断食をするとミイラ化した死体で発見されるかもしれない。

2021年03月26日

親父は長期で入院しており老いたお袋一人で生活することが難しいので、昨年の夏から一緒に暮らしている。お袋は年齢とともに足腰が弱くなり短い距離も歩くことが難しくなってきた。また最近は特に物忘れが多くなり、今話していたことさえ直ぐに忘れてしまう。お袋の生活を観察すると、朝はゆっくり起き朝食にバナナを食べ、その後は決まって病院に出掛ける。病院は整形外科、内科、歯科、耳鼻科、眼科と月曜から金曜までほぼ埋まっている。病院から戻るとパンとお菓子で適当な昼食を済ませ、その後はソファーに横になりテレビを見ながらウトウトと昼寝をする。夕食を食べ終わるとまたソファーに座りテレビを見ながら眠ってしまう。刺激のない毎日を送っているお袋に僕は何か新しいことを始めるように勧めた。
「お袋!病院に行った後はゴロゴロせんで、少し刺激のある生活せんとボケてもっと弱るばい!」
「もうボケとる!とにかく毎日、眠いとよ」
「俺は体が鈍ってきたけん4月からスポーツジムに通うように申し込んできたばい。お袋も春になったし4月から何か新しいことでも始めたら?」
「そうやね~…」

それから僕は毎日お袋に4月から新しいことにチャレンジするようにしつこく勧めた。するとついにお袋は重い腰を上げ、百貨店の文化教室で習い事を始めると言い出し、出掛けて行った。戻って来たお袋に何か良い教室があったか尋ねると、
「前から気になっとった教室に申し込んできた」
「ほー。そりゃ、良かった。何ば始めると?」
「歌ば習うことにした」
「歌を習うとね?どんな歌ね?」
「ゴスペルたい」
「…ゴスペル?…マジで?」
「そうたい。あーやって皆で手拍子しながら歌ったら楽しそうやろうが」
「…」
「練習の時に歌ば録音せんといかんけん、小さい録音機ば買わんといかん。電気屋に連れて行ってくれんね」

長く眠っていたお袋がついに目を覚ました。まさかお袋がゴスペルを始めるとは…。ひょっとすると体力もつき元気になるかもしれない。しかし毎日、家で大声を出して練習を始めると思うと恐ろしい。

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