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2021年11月05日

秋の夜長、毎晩、食後に自宅のベランダでランタンに火を灯し、ゆっくりとひとり2次会をしている。最近では趣向を凝らしジンにライムやレモンなどのシロップを加えソーダで割り、ジンライムやジンリッキーなど簡単なカクテルを作って飲んでいる。もう少し秋が深まるとベランダにはお気に入りのストーブが登場する。

ところで、スポーツクラブに通い始めて7ヶ月になる。モチベーションを保つことができずスポーツクラブに通うことに嫌気がさしたこともあったが、今では自分のルーティンワークと思えるようになった。
スポーツクラブでは2ヶ月に一度、「InBody」という体成分測定機で体重はもちろん筋肉量や体脂肪などを測定し、その結果を元にパーソナルトレーナーと今後のトレーニング方針を決めている。今週、「InBody」で体成分測定を行いパーソナルトレーナーとその結果を見ると、想像とは裏腹に体重と体脂肪は増え筋肉量は低下していた。その結果を見てパーソナルトレーナーは僕に尋ねた。
「ん~、体脂肪が増えていますね~、何か生活が変わりました?」
「生活は以前と変わってないし、さぼることなく粛々とトレーニングメニューをこなしているんですが…」
「そうですか。そうであれば体脂肪は減るんですけどね~。他に何か変わったことはありませんか?」
「あっ、関係があるかわかりませんが、1カ月ほど前から晩酌後にひとり2次会と称してジンを使ったカクテルを毎晩3杯ほど飲んでいます」
「ははは。ひとり2次会でカクテルですか?きっとそれでしょうね~」
「えっ、カクテルですか?」
「カクテルはカロリーが高いんですよ。有酸素運動をやると体内では糖分などのカロリーから消費されるので、今のトレーニングメニューだと体脂肪の消費まで辿り着いてないんでしょう。体脂肪を減らすためにはもっと筋トレの量を増やさないといけないですね~」
「はぁ~。もっとハードになるんですか…」
「そうですね~。有酸素運動はひとまず止めて、ウェイトを上げて筋トレのメニューを増やしましょう。これからはカクテルを飲まずに糖分が無くカロリーの低いウィスキーなどの蒸留酒にして下さい。」
「…」
こうして僕のトレーニングメニューは大幅に変更され、今までよりハードなメニューが組まれた。
そして僕の秋の夜長のひとり2次会は無くなった。

2021年10月29日

季節が進み銀杏の葉が色付き始め秋が深まっている。最近は少し肌寒くなってきたので、夜、愛犬Q次郎は僕の布団に入ってきて僕の腕に顎をのせ、まるで腕枕をされているように眠っている。何とも可愛いのだが、Q次郎の鼾で目を覚ますこともしばしば。

ミニチュアダックスのQ次郎は先代のQ太郎に比べて随分個性的だ。先代のQ太郎は落ち着きがあり聞き分けが良かったが、Q次郎はやんちゃでおとぼけ犬だ。
先代のQ太郎はうちに来て半年ほどで自分のトイレの場所を覚えたが、Q次郎はうちに来て2年になるが、最近ようやく自分のトイレの場所を覚えた。トイレを覚えるまでは見境も無く家中の至るところで粗相をしてしまうので、後片付けが大変だった。特にベッドや布団で粗相をされると、汚れた布団を洗いマットレスを乾かすことになるので一苦労だ。
そしてQ次郎は僕がソファでテレビを見ている時やデスクで仕事をしていると、ひょいと僕の膝の上に飛び乗り短い脚で立ち、顔を執拗に舐める「必殺べロベロ攻撃」をしてくる。「必殺ベロベロ攻撃」は鼻の穴や耳の穴まで舐め廻すので、顔中が涎まみれになってしまう。

秋になり海は人が減りQ次郎をよく海に散歩に連れて行く。Q次郎のお気に入りは福岡の観光地でもある百道浜だ。駐車場に車を停め車のトランクからQ次郎のお気に入りのボールを取り出すと、Q次郎は大喜びでボールをしっかり咥え砂浜まで持って行く。
砂浜に人がいないとリードを外してボールを思い切り投げてあげると、Q次郎は短い脚をクルクルと廻すように駆け出し、砂埃を立ててボールを追いかける。そしてボールを咥え僕の元に戻って来る。その姿はまるで掃除用のモップが猛スピードで砂浜を走っているように見える。Q次郎は疲れるまでボール投げをせがみ、30回ほどボールを遠くに投げてあげるとQ次郎は疲れて伸びてしまう。帰りも車までQ次郎は大切にボールを咥えて戻る。

以前は毎日仕事に出掛け取引先との会食も多かったので、先代の愛犬Q太郎は休日にしか散歩に連れて行くことができなかった。今は自宅で気ままに在宅勤務をしており時間に融通が利くので、せめてもの罪滅ぼしにと、Q次郎を毎日散歩に連れて行っている。

「Q次郎!さぁ、海に散歩に行こうか!」

2021年10月22日

2年前に親父は肺炎をこじらせ救急病院に搬送され生死を彷徨った。その後、肺炎は治まったが嚥下障害で口から食事を取ることができず、今も入院し鼻から経管栄養を取り生きながらえている。親父が入院しお袋は一人で暮らしていたが、転ぶことも増え買物に出掛けることも困難になってきたので、今は僕と一緒に暮らしている。

毎日、高齢のお袋を見ていると、日常生活が徐々に難しくなっているようだ。まず高齢になると全ての動作が遅くなり、歩くことはもちろん椅子に座ることも立ち上がることも時間が掛ってしまう。車の乗り降りに時間が掛り、トイレから出てくるにも時間が掛ってしまう。それに物忘れが酷く過去に起きたインパクトのある出来事はしっかり覚えているが、最近の出来事などはあまり覚えていない。そのためお袋は自分のスケジュールを管理できず、病院を予約した日も分からなくなるので、お袋専用のカレンダーにスケジュールを書いて僕が管理している。
またお袋の会話はやたらと“あれ”、“それ”、“あの”などの言葉が増え会話の意味が分からないこともしばしば。
「“あれ”は“それ”やろ~」
「“あれ”ちゃ何ね?“それ”ちゃ何ね?」
僕がお袋に聞き返すと、
「会話の流れでわからんかね~。あんたもピンとこん人やね~」
「そげな会話わかるわけないやろ?“あれ”やら“これ”やら言われたっちゃ。ちゃんと会話ばせんね!」
「わからんならもうよか!」
こんな風に連想することが難しい連想ゲームのような会話が増えた。
そして全てのことが億劫のようで寝ていることが増え、食事も簡単に済ませてしまう。朝はゆっくり起き朝食は決まってバナナを1本食べ、昼食は好物のメロンパンなどの菓子パンが済ませてしまう。お袋にバナナがそんなに好きだったか尋ねると、
「別に好きやないばってん、バナナは簡単で食べやすかろ~が」

高齢になると全ての動作に時間が掛り、忘れたことを思い出すためにも時間が掛る。そして寝る時間は増え、あっという間に1日が過ぎてしまうようだ。僕も高齢になるとお袋のようになるのかと思うと怖くなってしまう。

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