以前、山を訪れた親子がワイルドにナイフでハムを切り、そのハムを焚き火にかざすCMがありました。キャッチコピーは『ワンパクでもいい。たくましく育ってほしい!』そう、1970年代に放送されていました丸大ハムのCMです。今でも私の脳裏に記憶されています。(思い出すと何だか懐かしい…タレントまでは覚えていませんが…)
ところで近頃、ワンパクで逞しい子供を見ることが少なくなりました。それどころか大人まで逞しくないから驚いていまいます。
『ワイルドだろぉ~』このフレーズが、昨年の流行語大賞に選ばれたことは記憶に新しいと思います。今の時代にワイルドで逞しい人が減り、同時に『ワイルド』と言う言葉を耳にすることも減りました。だからこの言葉を多くの人が新鮮に感じたのでしょう。私も昨年は巷でよく耳にしましたし、私もたまに使っていました(笑)
ジェネレーションギャップと言えばそれまでですが、今の若い世代は逞しさがなく、チャレンジすることから逃げ、音をあげてしまう人が多いように感じます。そして凹み直ぐに萎えてしまいます。挙句の果てには『草食男子』という言葉まで生まれてしまう始末です。ひょっとすると現代の食生活に関係があるのかもしれませんが…(笑)
これからの時代は今より変化が速く、政治も経済も転換期を迎え大変な時代になると思います。だから何が起きても逞しく生き抜く力が必要なのです。
最近、丸大ハムのあのCMを大量に放送して欲しいと切に願っています。そして丸大ハムを食べる人が増えれば、ワンパクで逞しい大人も子供もきっと増えると思っています。
『落ち込んだら丸大ハムを買って喰え!』
written by ゴンザレス
ある事柄をひとつの角度から見て判断し、結論を出してしまう人がたくさんいます。俯瞰で立体的に全体像を見ないとベストな答えを導くことはできないはずです。
広告業界は特にそのことが顕著に表れる業界で、依頼する側も依頼される側も市場やターゲットを俯瞰で立体的に見ることができないと、アベコベで単純なプランになってしまいます。依頼する側ができなくても、せめて依頼を受ける側ができれば良いのですが…。
クライアントは自社の商品やサービスを基本的に過大評価しているため、まるで競合会社など存在せず、その商品やサービスは多くの消費者が望むものであると思いがちです。もし、そうであれば企画を考え広告などする必要も無く、ほっといても売れするはずです。
市場には多くの競合企業がひしめき合い、また追随企業もすぐに出現します。ターゲットは性別や年齢だけに留まらず、生活環境や生活リズムも多種多様です。また現代はメディアの数も無数に存在し、ターゲットの脳の中にもそれぞれに異なったメディア受信機と記憶装置が備わっています。そこにクリエイティブが関わってくるわけですから、複雑極まりないのです。だから全体像を俯瞰で立体的に見ることが必要です。
「木を見て森を見ず」(You can’t see the wood for the trees)。
一本一本の木に注意を奪われると森全体を見ずに、近視眼的に目の前の木を見てしまいがちです。その結果、森の中で迷って抜け出せなくなってしまいます。
きっと人生も同じで、目の前のことだけに捕らわれるのではなく俯瞰で立体的に見ることで、もっと人生は変わってくるはずです。どんなに苦しい時も視点を変えれば、人生はきっと素敵で楽しく感じるはずです。
written by マックス
祖母が亡くなった。
祖母の年齢は103歳で大往生だった。お通夜から多くの親戚が集まり久しぶりに思い出話や近況報告で盛り上がった。祖母は晩年、酷い痴呆症を患い誰の顔も判断することができず、また私は随分祖母と会っていなかったこともあり、葬儀では然程悲しみを感じないだろうと思いながら翌日葬儀に参列した。
最近の葬儀では故人の古い写真を編集し映像として流すことがようで、祖母の葬儀でも祖母の写真を編集した映像が音楽と共に流れた。映像は10数枚の写真を編集したものだったが、その中の古い一枚のモノクロ写真が私にとって、とても印象深いものだった。
恐らく戦後数年が経った時期に、近所の方にでも撮ってもらったものだろうか。背景は殺風景で屋外で撮影された日常の家族写真だった。既に他界した祖父と祖母は若く、少年、少女の頃の私の父、叔父、叔母も一緒だ。そこには全く豊かさなど無く、祖父母も身なりの良い服は着ておらず、少年だった父たち子供も下着姿だった。しかし祖父母は親として凛として逞しく、子供たちはワンパクそうに写っていた。
終戦後、物が無く日本中が貧しい時代に、家族がひとつになり逞しく生きている姿がそこにあった。そして誰もが懸命に生きた「昭和の時代」がそこにあった。
「時代は変わった」と簡単に一言で片付けることはできるが、変わったのは時代ではなく、今を生きる私たち現代人なのかもしれない。仮に時代が大きく変わったとしても、決して変わらないものがある。それは永遠に続く家族の絆なのだろう。
そう考えると目頭が熱くなってきた。
written by マックス