昨晩の雨は止み翌日は朝から青空が広がったので、ヨットハーバーに隣接する公園に愛犬Q次郎と散歩に出掛けた。僕はダウンジャケットを着ていたが、ポカポカの陽気で暑くなりダウンジャケットを脱ごうと立ち止ると、公園の隅にある一本の桜の木が目に留まった。周りの桜の木は開花までもう少し時間が掛りそうだが、その桜の木は既に満開の時期は過ぎ桜吹雪のように花びらが舞っていた。近づいて桜を眺めていると、昔、行った花見を思い出した。
以前、お世話になっている得意先や媒体社の方を招待し、桜の名所で知られる神社で夜桜を楽しむ花見を行ったことがある。事前に花見の場所をロケハンし、神社の神主に相談すると快諾してくれたので奉納金を納めると、花見当日、神主から日本酒一升瓶(お神酒)の差し入れを頂いた。「有難い!」
当日は満開の桜の木の下にイベント会社の方に頼んで花見会場を設営してもらった。会場は四方を紅白幕で囲いブルーシートの上に畳を20畳ほど敷き、白のテーブルクロスを広げた座卓と座布団を並べた。座卓の上には提灯をずらりと吊るし桜の花をライトアップ。招待客が寒くないように大きな石油ストーブ数台とひざ掛けも用意した。そしてステージを組み両脇には花屋に頼んで立派な桜の花を活けてもらい大きな赤い番傘を飾った。
料理は馴染みの料亭に豪華な弁当と大きな鍋に入ったおでんを用意してもらい、おでんはカセットコンロで温めた。酒はビールと手軽に熱燗ができる缶に入った日本酒を大量に用意し、さらに和装の芸者さん3人を手配し、うちの女性スタッフも全員和装で参加することに。日が落ちる頃、招待客が集まると、皆、口々に感嘆の声を挙げていた。
時間が経過すると春先で冷え込んできたので、皆、熱燗がよく進み、中には一気飲みをする人まで現れた。皆、桜を満喫し大いに盛り上がり夜の11時頃にお開きにした。招待客が帰った後、スタッフは会場を簡単に片づけ、しばらくの間、桜を眺めながら軽く酒を飲み労をねぎらった。
翌日知ったが、スタッフの一人は泥酔し花見会場で眠ってしまい、翌朝、会場撤去に訪れたイベント会社の方に起こされたという。彼は明け方、厳しい寒さで目を覚ますと、自分がどこにいるのか理解できず、ライトアップされた桜が幻想的で、一瞬、天国にいるのかと思ったという。そして近くにあったひざ掛けにくるまって朝まで眠ったそうだ。
「しかしお前アホやな~。盗人にも遭わんで、凍死せんで良かったな!」
今年もお袋を連れて花見に行こう。
確定申告を終え、一息ついたので愛犬Q次郎を散歩に連れて行った。Q次郎は海浜公園にある芝生の広場でボールを投げて遊ぶことが大好きで、車を停めQ次郎を降ろすと、リードを引っ張り広場へ急ぐ。広場でボールを見せると、Q次郎は僕に背を向けボールを投げる方に向かって構える。ボールを投げるとQ次郎は一目散に駆け出してボールを咥えて僕の元に戻って来る。ボールを見せると条件反射のように直ぐに構えるので、「パブロフの犬」のようだ。「パブロフの犬」とはロシアのパブロフが実験した生理現象で、犬にベルを鳴らして餌を与え続けると、ベルの音を聞いただけで犬はよだれを垂らす条件反射のことだ。しかしこれは犬だけではなく人にも共通するようで、政治家は国会質疑で問いただされると、条件反射のように決まってこう言う。「認識はございませんでした」、「記憶にございません」
自民党の政治資金パーティーの裏金問題をめぐり、先日、開かれた政治倫理審査会で、ある議員の発言に批判が集まっている。その議員は政治倫理審査会で「法令違反を重ねてしまったことは極めて問題であり、残念」と何となく反省の弁を述べたが、裏金について「適法ではない処理をしていたことは全く認識していなかった」と主張した。
また野党議員の質疑の中で「国民の皆さんが怒っている一つに『自分らが裏金をつくって持っていたのであれば、それは政治資金ではないので納税するべきだ』と言う声で、あなたは納税するつもりはありますか?派閥の皆さんに、ちゃんと納税しろと呼びかけるつもりはありますか?」と追及。これに対し、その議員は「私自身はしっかりとそれを政治活動に使用しておりますので、納税するつもりはございません」と答え、派閥の議員に対しては「具体的に税法上どうなるか確認して指導していきたい」と述べた。
そしてその議員の言った「納税するつもりはございません」という言葉にネット上では「堂々と脱税宣言!」、「納税するか否かを自分の一存で決められるんだ」、「怒りを通り越して悲しい」など非難する声で溢れた。岸田首相は「説明責任を果たす」と繰り返し発言しているが、説明の責任を果たすだけではなく過ちを認め誠意を持って税金を納めるべきではないだろうか。
先日、確定申告会場に出掛けた知人から聞いたが、申告会場では裏金事件への怒りが税務署員に噴出しているようで、税務署員は頭を下げていたと言う。気の毒に税務署員もこの裏金問題でとばっちりを受けているようだ。
散歩から戻り犬のおもちゃを「キュッキュッ」と鳴らすと、Q次郎は僕の前に駆け寄って来て、僕を見上げていつものように身構えた。
3月に入り、日本人が好む桜の季節が近づいてきた。冬と春がせめぎあっているようで、先週から天候が悪く愛犬Q次郎は散歩に出掛けられないので、噛むと「キュッ♪キュッ♪」と鳴るおもちゃで遊ばせている。以前はペットショップで1,000円ほどするおもちゃを買っていたが、Q次郎は15分ほどでおもちゃを噛み瞬殺してしまうので、今は100円ショップで買ったおもちゃを与えている。雨の日が続き、家中Q次郎に破壊されたおもちゃが散乱し、それを見ると何とも痛ましい…。
ところで最近の日本株は右肩上がりで上昇し日経平均株価は40,000円に迫っているが、この株高に「ピンとこない」という人は多いようだ。そもそも日経平均株価とは、日本で上場している約4,000社の中から各業界を代表する企業で構成され、株式取引が活発に行われる流動性の高い225社の平均株価だ。そのため一部の上場企業によって日経平均株価は大きく左右されてしまう。今はAIブームで半導体関連企業が絶好調のうえ、円安により海外で収益を上げるグローバル企業が収益を伸ばし、こうした企業の株価が日経平均株価を押し上げている。しかし内需企業の業績は厳しいようだ。
先日発表された10月~12月期のGDPを見ると、消費を反映した国内需要は連続マイナスで、しかも新型コロナ流行前の水準よりも低い数字になっている。実際、内需企業の株価は低空飛行を続け、ベンチャー企業の株価については安値を更新する企業もある。
しかしバブル期に付けた日経平均株価の史上最高値は金融、不動産、通信など内需企業の株価で上昇し、同時に国内企業に従事する労働者の賃金も上昇していた。今はグローバル企業の業績が日経平均株価を牽引し賃金も上昇しているが、内需企業は業績に加え賃金動向でもグローバル企業と差が生じている。
今年に入り新NISAがスタートし、今の株高に踊らされた多くの人が証券会社主催のセミナーに参加している。株価に躍らされて大きな資金で直ぐに投資を始めるのではなく、腰を据えて長期分散投資を行わなければ、「投機」になりギャンブルのようになってしまう。僕も10年ほど前に投機的な投資で失敗が随分続いた。
政府は物価以上に賃上げを企業に促しているが、バブル期のような実質賃金のプラス浮上はまだ先になりそうで、国内消費が弱い環境下で日銀が金融緩和を縮小すれば、さらに重石になる可能性がある。物価、株価、そして賃金がセットで上昇していくことが景気回復のセオリーなので、今後の景気の行方は長い目で見ていく必要があるようだ。
「賃上げか…そう言えば、長くボーナスを貰ってないな~」