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2015年06月22日

「健全な精神は健全な肉体に宿る」
日本海軍元帥だった山本五十六さんの言葉だ。山本元帥は健康で丈夫な身体でないと、精神力は養われないと、常々若い兵士に身体を鍛え大事にするように言っていたそうだ。
特に戦闘機のパイロットたちがタバコを吸うことを好ましく思っていなかったようで、いつも笑いながら注意をしていたようだ。それは空気の薄い高い空で激しい戦闘を続ける彼らの肺を気遣ってのことからだ。

高齢者アスリートと呼ばれ90歳、100歳を超えてもなお現役としてフィールドに立ち、世界記録まで出す選手がいる。日頃から肉体を鍛え自分の記録にチャレンジし続けている。彼らがインタビューを受けている表情を見ると明るくポジティブで、健全な精神が宿っているように見える。彼らだったら永遠に生きていけるんじゃないかとさえ思ってしまう。

僕は超高齢になるまで生きたいとは思っていない。
今のところスポーツなど身体を動かすことは全くしていないし、身体に害があると言われるタバコと酒を休み無く続けている。恐らく健全な肉体とは言えないだろう。そうだとすると、健全な精神が宿っていないのだろうか。
(ちなみに本当にタバコとお酒は害があるのだろうか…身体に良いことといえば食事と睡眠はしっかりとっている)

うちの若い女性スタッフは空手の全国チャンピオンだ。最近、スポーツジムに通い始めたそうだ。ひょっとすると彼女は健全な肉体と健全な精神を取り戻し、将来、高齢者アスリートを目指してしるのかもしれない。
それとも空手がオリンピック競技に採用されたあかつき、オリンピックに出場することを目論んでいるのだろうか(笑)

いずれにしても健全な肉体と健全な精神で生きていかなければならない。

written by ゴンザレス

2015年06月12日

僕の後輩に天国から奈落の底に落ちた者がいる。
その後輩は家柄も良く、福岡の都心部の大邸宅で生まれ育った。
彼の祖父は地元ではなかなかの名士で市会議員を務め、飲食店を開業するまでに。そしてその飲食店を百貨店や駅ビルの一等地に店を構えるチェーン店に育てあげた。その後、祖父は息子である彼の父にその事業を継承させた。彼の父はお坊ちゃんで、かなりの道楽者だったようだ。
僕の後輩は大学を卒業すると、東京の老舗料亭で修行をし、福岡に戻ってくるとその事業を父から引き継いだ。

彼は明るくお人好しだったので、彼には敵が一人もいなかった。
彼は計算が苦手で論理的に考えることができず、いつもどんぶり勘定だった。そのことが祟ったのか、それとも彼の父の道楽が原因なのか、その後、事業の業績は急激に悪化。ついに資金繰りの目途が立たなくなり、とうとう倒産してしまった。大邸宅や財産は全て売り払い彼と彼の父は債権者から逃れるため自己破産してしまった。薔薇色からドライフラワーのような人生になってしまった。

その後、紆余曲折合ったが彼は福岡を離れ、離島で小さな飲食店を始め細々と暮らしていたが、その離島は過疎が進み、お客さんが激減、福岡に残した親も高齢になったこともあり、福岡に戻ることを決断した。

彼は社会保険や年金を払っておらず、しかも数年前に酒気帯び運転で掴まり運転免許まで取消しになってしまった。今の彼は自分の身分を証明するものを何ひとつ持っていない。せいぜい持っているのは離島のスーパーマーケットのポイントカードぐらいだ(笑)

しかし彼からは全く悲壮感が感じられない。奈落の底に堕ちことで諦めが付いたのか、守るものが何も無いためなのか、それとも悟りを開いたのか、陽気に気楽に生きている。まるで陽気な疫病神にでも取り憑かれているようだ。
彼を見ていると何故か一所懸命生きるのがバカらしくなってしまう(笑)

福岡に帰ることを決めた彼は、僕を頼って連絡してきた。このままだと彼は将来、年金も無く生活することは困難でホームレスか、はたまた野垂れ死にか…(そして本当の疫病神になってしまうのだろうか…)
料理の腕は一流だから店でもやらせてみるか。
「陽気な疫病神か…」

written by ゴンザレス

2015年06月05日

昼休みに弁当を買おうと外出した。大通りに面した歩道を歩いていると、低層階のビルの上から通行人に向かって1羽の烏がギャーギャー騒いでいる。通行人を威嚇しているように見えたので注意しながらその場を離れた。
弁当を買い来た道を戻ると、先ほどの烏がまだ騒いでいる。ふと、大通りの車道脇を見ると別の一羽の烏が倒れている。車に衝突したのか、それても動物に襲われたのだろうか。近寄ってみると弱っていて飛ぶことも動くこともできないようだ。その時、ビルの上で騒いでいた烏が、僕の頭目掛けて襲ってきたので慌ててその場を立ち去った。
「髪が薄くなってきた俺の頭に何てことしやがる!」

ビルの上の烏は弱った烏を必死に護り励ましているようだ。2羽の烏は親子なのだろうか、それともカップルなのだろうか…。そう考えると可哀想に思えた。そこで事務所に戻りスタッフにそのことを話し、弱った烏がまだいるか再確認し、野生動物を保護する公共の施設に連絡してみることに。

意外と素直な男性スタッフは直ぐに弱った烏を確認するために事務所を出ていった。そして戻ってくるなり開口一番、
「最悪です…」
話を聞くと、彼は現場で弱った烏を確認していると、その弱った烏を目掛けてバスが迫ってきたそうで、彼は車道にいたその烏を抱えて歩道の端に寄せて放してやったそうだ。そう、彼は意外に優しい男なのだ。
すると弱った烏を護ろうと思ったのか、ビルの上で騒いでいたカラスが彼に向かって決死の糞尿攻撃を仕掛けたきたそうだ。そして彼のズボンにべったりと糞尿の後が…。
「えっ、お前…弱った烏に触れたんだ…」

彼はネットで、野生動物を保護してくれそうな施設を見つけ連絡してみると、野生の烏や雀は鳥インフルエンザなどの病原体が多く宿っているそうで、助けることはできないそうだ。心配になった彼はネットで烏のことを調べ、烏などの野鳥の体はもちろん特に糞尿などには多くの恐ろしい病原体が潜んでいることを知った。そして彼は薬局で消毒スプレーを買ってきて全身を消毒する羽目に。

翌日、彼の糞尿を掛けられた箇所に出来物ができていたそうだ。そう言えば俺も昨晩から咳が出るな…。新種の鳥インフルエンザが発症したのかもしれない…。もしこれが世界的にパンデミック化すると、うちの事務所が感染源で、彼が最初の感染者になるだろう(笑)
そう、優しさだけで野生動物や野鳥に触れてはいけないのだ。

written by 彦之丞

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