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2018年02月09日

先週の朝、介護施設から叔母が急逝したと連絡があった。

叔母は子供のころ戦争がはじまり家族で朝鮮に渡り、終戦後、日本に引き揚げミッション系の女学校に通った。その後、東京の大手企業に就職し、定年までちゃんと勤め上げた。叔母は生きているうちに何度か恋をしただろうが、結婚はせず一生独身だった。定年後は友人と何度も旅行に出掛け、海外にもよく出掛けていた。

一昨年、叔母は体調を壊し認知症を患ったので、叔母の妹である僕の母に引き取られ、福岡で一緒に暮らしていた。僕の父母も高齢で認知症を患った叔母の面倒を見ることに苦労していた。そこで昨年の秋に渋々叔母を介護施設に預けることになった。僕の父母は叔母のことを気遣っていつも介護施設を訪問していた。
昨年末、急に叔母は体調を壊し緊急入院をしたが、何とか持ち直し今年の正月は家族全員で叔母を囲んで楽しく過ごすことができた。また叔母は正月が誕生日だったので、家族みんなにお祝いされ喜んでいた。僕は叔母に3匹の子犬のぬいぐるみをプレゼントし、叔母はそのぬいぐるみを抱いて大そう喜んだ。その3匹の子犬のぬいぐるみに僕は叔母と一緒に名前を付けた。

「この子はジョン、それにこの子はムサシ、そしてこの子は田中」
「…」

家族皆で大笑いした。
正月が終わり介護施設に叔母が戻るとき、その3匹の子犬のぬいぐるみを僕は持たせた。介護施設で叔母はその3匹の子犬のぬいぐるみをいつも抱いていたそうで、眠るときも一緒だったそうだ。

叔母の葬儀は僕の母がクリスチャンということもあり、叔母も若い頃にミッション系の女学校で洗礼を受けていたので、母が毎週礼拝に出掛けている教会の牧師さんにお願いし、自宅で密やかにキリスト教の葬儀を執り行った。棺桶の中で眠る叔母の顔は穏やかで、まるで全てに解き放たれたようだった。僕は叔母の顔の傍に3匹の子犬のぬいぐるみを寄り添わせた。

叔母は明るくはっきりしとした性格で努力家だった。叔母は英語が堪能で趣味は三味線と琴だった。東京ではよく演奏会に出掛け演奏していたそうだ。また叔母はお洒落でたまに皮の黒のスリムのパンツを着るなど、時にファンキーな格好で僕らを驚かせた。叔母は昔の言葉で「ハイカラ」がよく似合う人だった。
僕は叔母に子供の頃から随分と可愛がってもらった。僕が子供の頃は休みに東京に出掛け東京タワー、上野動物園のパンダ、後楽園遊園地などたくさん見物に連れて行ってくれ、ハトバスにも乗せてくれた。
叔母は終戦後の焼け野原となった日本で単身上京し、ひとり強く生きた。きっと寂しいことや悲しいこと、それに苦しいことがたくさんあったろうが、愚痴や小言を一切口にしなかった。

今週、東京に出張で出掛けた。福岡はどんよりとした天気で雪が降り寒かったが、東京に着くと真っ青な青空が広がっていた。叔母は東京で青空を見上げ何を思っただろう。東京の青空を眺めていると叔母を恋しく思った。

「叔母ちゃん。ありがとう。安らかにおやすみ」

written by ダニエル

2018年02月05日

今年に入り寒い日が続き福岡でも連日のように雪が舞っているが、今のところ目立った積雪はない。例年、雪が積もる地域は日々雪掻きの作業で、さぞ手間がかかることだろう。福岡は滅多に雪が積もらないので雪掻きの手間がかからないので有難い。寒さの影響か日本中でインフルエンザが大流行している。私の周りでも最近はインフルエンザにかかったと頻繁に耳にする。僕はここ数年、風邪やインフルエンザに掛かっていない。僕がインフルエンザにかからないのは、きっと若い頃に比べ規則正しい生活を送っているからだと思う。

毎朝、夜明け前に布団から出ると、必ず全ての部屋の窓を開け部屋の空気を入れ替え、お湯を沸かす。洗顔とうがいを終えると水を2杯飲み、簡単に体を伸ばしタバコを一服。すると催してくるのでトイレに入る。
その後ホットコーヒーを飲みながらニュースをチェックし読書を始める。決まった時間になると、朝食を取るが必ずご飯とみそ汁、おかずは納豆とめざしなどで、食後にヨーグルトを頂き、その後は温かい緑茶を3杯飲む。歯を磨き準備を終えると会社に出掛ける。

会食や飲み会が無く真っすぐ自宅に戻ると、手洗いうがい、それに鼻うがいを行い、直ぐに風呂に入る。風呂から上がるとゆっくりと晩酌をする。晩酌は決まって野菜中心のおかずなどの小鉢が3品ほど。時間をかけて晩酌をしていると、ウトウトしてくるので歯を磨き、寝る前に水を2杯飲み布団の中へ。規則正しい生活と、バランスの取れた食事、それに睡眠が大切だと思う。若い頃はこのような規則正しい生活は全くしていなかった。

「毎日、晩酌すると内蔵をアルコール消毒するようなものなので、インフルエンザにかからないんですよ」
通いなれた内科医の先生が言っていた。
「タバコを吸うとインフルエンザにかからないんですよ。僕はタバコを止めた途端、インフルエンザにかかるようになったんですよ」
行きつけの歯医者の先生が言っていた。
確かに僕は酒もタバコもやるが、このことがインフルエンザの予防になっているとは思えない。医者も適当だな~。

若い頃は毎晩飲み歩き、不摂生に不規則な生活でインフルエンザや風邪によくかかっていた。規則正しい生活になった僕は全くインフルエンザや風邪にかからなくなった。僕の周りでインフルエンザや風邪にかかっている人はみんな不規則な生活を送っている。

written by ゴンザレス

2018年01月26日

昨年末に地元銀行の女性営業の方が事務所に飛び込んできた。
名刺を見ると所属部署はプライベートバンキング部と書かれてあったので、僕は非常に興味を持った。実は先日、僕は「プライベートバンカーは富裕層に何を教えているのか」という本を読んでおり、その中でプライベートバンカーは事業継承、節税、そして投資のエキスパートで、多くの知識を持ち顧客に対して金融のアドバイスをする「お金の番人」、「お金のコンシェルジュ」と書かれていた。

彼女と面談するとやはり事業継承、M&A、投資の3つを柱に営業活動を行っており、銀行の中では選りすぐりの部署だと言う。彼女の言う3つの中で僕は投資に興味を示し、僕の希望を伝え再度うちに来社することがあれば、僕に提案できる投資のポートフォリオを具体的に持って来てくれるように頼んだ。

数日後、彼女からアポイントの連絡があり再度面談することに。彼女は銀行内の多くの部署に相談し、グループ企業の証券会社などに僕のリクエストを伝えたが、取り扱っている商品に限りがあり、僕の目当てに叶う商品やサービスは無く、提案するポートフォリオを作ることができなかったと言う。
よくよく彼女の話を聞くと、今の銀行は日銀のマイナス金利政策で利益が上がらず、またフィンテック、AIなどの金融イノベーションが加速し経営は芳しくないそうで、非常に将来への危機感が強いそうだ。そうした環境の中、彼女の銀行は新たなサービスを行い新規顧客を取り込むため事業継承、M&A、投資を扱う専門部署を立ち上げたそうだ。
結局、彼女よりも僕の方が投資は勉強していると感じたので、僕の作ったポートフォリオを彼女に渡し、今の銀行を変えるくらいもっと勉強するように伝えた。

その後も、彼女は僕に保険や投資信託などを提案してきたが、全て僕に断られた。まさにけんもほろろ…彼女に同情した僕はこう言った。

「うちにあなたのお客さんを紹介するのであれば、融資を受けてあげようか?」

「今すぐにお客さんを紹介できるかわかりませんが、必ず頑張ります。どうぞよろしくお願いします」

彼女はそう言い喜んだ。僕は彼女の紹介など全く当てにしていない。この世に義理を大切にする人間なんて、そういない…。
所詮、プライベートバンキングという響きの良い部署であっても、ローカルの銀行にはサービス、情報、そして知識もメガバンクと比べ見劣りするのだろう。多くの人は勤めている会社名や、自分の肩書にプライドを持って生きているのだろうが、それに見合った中身を持ち合わせない人間が多いようだ。

written by ジェイク

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