「風が吹けば桶屋が儲かる」昔から言われるユニークなことわざだ。
風が吹くと砂埃が舞う。砂埃が舞うと目に砂埃が入り盲人が増える。盲人は生活のために三味線を弾く。三味線は猫の皮でできているので猫が皮を剥がされ減ってしまう。猫が減ると鼠が増える。鼠が増えるとたくさんの桶をかじる。その結果、桶売れて桶屋が儲かる。流れを説明するとこうなる。
つまり思わぬ結果が生じることや、あてにならないことを期待することのたとえである。
「もしあなたが桶屋だったら?」
桶屋が儲かるために売れる仕組みを考えなければならない。そのためには鼠を増やさなければならない。鼠を増やすためには猫を減らさなければならない。猫を減らすために三味線が売れなければならない…。(えっ?三味線ブームに火をつける?)
このように自社の商品を販売するためには、自然や道理に逆らわず、儲かるための必然的要素を逆に類推して、それに基づいて計画を立てていくことが必要なのだ。
調味料メーカーの「味の素」。売上を伸ばすためにどんな料理にも使えることや、食卓に置いてもらうことをアピールした。そして「味の素」が家庭に普及し、更に売上拡大のために容器の口の面積を広くし穴の数を増やしたそうだ。そうするとおのずと「味の素」の消費量が食卓で増えることになり、その結果、売上が増加する。ちなみに味の素のホームページではこのことを否定している。誰が言い出したのだろう…。もし、これが事実であれば、まさに「風が吹けば桶屋が儲かる」戦法だ。
「穴が増えれば味の素が儲かる…」(笑)
written by キャサリン
以前、東京出張に出かけた際、帰りの飛行機の時間までと念を押し、お取引先の方と昼からお酒を飲むことに。1軒だけのはずが2軒目へ。2軒目では誰が言い出したのか「イッキ」が始まった。(言い出すのは決まってそのお取引先の方)しかもウィスキーの水割りはどんどん濃くなり、いつの間にかストレートに。
いよいよ飛行機の時間が迫りお取引先の方がタクシーで羽田空港まで送ってくれた。飛行機の搭乗手続きのカウンターにふらふらで向かうと、航空会社の地上係員に搭乗拒否をされた。理由は泥酔しているお客様はお乗せできないとのこと。
しかたなく他の航空会社の搭乗カウンターへ向かった。(羽田は航空会社でターミナルが異なるので、またタクシーに飛び乗ることになる)そして、その航空会社でも搭乗拒否。
仕方なく酔いが醒めるまでお取引先の方と待合席で眠る始末。(かなり淫らな格好で…)
結局、また違う航空会社の最終便で帰ることに。
先日、日帰り出張で東京に出かけその取引先の方と会うことになった。
先方は電話で済む話なのにと恐縮していた。ランチにビールが運ばれてきた。ビールを飲む前に仕事の話を始め、グラスに注がれたビールの泡が消える前に仕事の話は終わった。そして乾杯!その一杯のビールが火を付けた。その後は以前のように盛り上がり、結局、昼間から3軒もハシゴ。飛行機の便を変更する羽目に。一瞬、「今日も搭乗拒否されるのでは?」そう頭によぎった。
電話であれば直ぐに終わる仕事の話。しかし大切な仕事は例え遠方でも出かけて行って膝を付け合わして話をすることにしている。確かに時間や費用はかかる。しかしその空間でしか感じることのできない温度や質感を肌で感じることができる。そして何よりも共有された時間があり、まさにライブだ。この共有された時間が信頼関係を築いていく。通信が発達した今の時代でも音楽やスポーツなどのライブには多くの人が出掛ける。録画された映像では伝わらない温度や質感を肌で感じることができるからだろう。
空港の中を全速で走り、変更した飛行機にギリギリ間に合うことができた。こんなことなら泊まりにすれば良かった…。
written by ゴンザレス
あるお得意先がカンボジアの貧しい村に小学校を建設し、その村の子供たちを支援している。お得意に誘われ遥々カンボジアへ。支援している小学校のある村(シェムリアップ)に入る前に、視察のためにプノンペンに立ち寄った。
カンボジアは一年中常夏の国。しかしこの時期は雨季と聞いていたので雨具まで用意していたが、夕方に集中的にスコールがあるだけで、それ以外は雲を探すのが難しいほどの青空が広がっている。カンボジアは日本の夏とは全く異なり、とにかく日差しが強く皮膚がジリジリと焼ける感じがする。日陰に入ると逆に涼しく直ぐに汗が引く。
プノンペンはカンボジアの首都だが驚くほど汚い町だった。町には屋台のような露店が溢れ、その露店が排水した水で水溜りがいたるところにあり、驚くほどゴミが散らかっている。道路はバイクと車が犇めき合って縦横無尽に走っており、よく事故らないものだと感心してしまう。そして多くの人が日陰で寝ていたり、気だるそうに会話していたり…全く働いている様子が無い。カンボジアは急激に発展していると聞いていたが、いたるところに建設途中のビルやマンションがあり、建設予算が足りなかったとか、施主が変わったとかで、建設途中で凍結しているものが目立つ。
「何なんだこの国は…きっと暑さでおかしくなっているんだろうなー」(人はみんな大らかで優しいらしい…)
日本には四季がある。四季があることで衣食住が変化する。季節が変化してもより快適に過ごすために住居や衣服を変え、そして季節と共に変化する味覚を楽しむ。季節があることで自然に感性が鍛えられたのだろう。また日本は地震、台風、洪水など自然災害も頻繁に起こっている。その辛い経験から生きる術を学び知恵をつけてきた。自然が厳しいことで同じ轍を踏まないように工夫してきたのである。
ポルポト政権時に教育者などの知識人も多く殺されており、教育を受ける土壌が無かったことは理解できる。しかし、もう少し工夫して真剣に生きることができないのだろうか?
カンボジアに詳しい人に尋ねてみると、カンボジアの人は極楽浄土信じているらしい。
「あの世は極楽で幸せだから今は仕方ないと…」
言葉を返せなかった…。
written by マックス