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2019年07月19日

「博多祇園山笠」も終わり、そろそろ梅雨が明け僕の大嫌いな夏がやってくる。
今年の夏休みは老いて寝たきりだった愛犬Q太郎の世話をしながら自宅で一緒に過ごす予定だったが、先日亡くなってしまったので、夏休みは家の中を片付け不要なものを処分しようと考えている。
今住んでいるマンションはペットが飼えるのでQ太郎のために引っ越してきたが、Q太郎がいなくなった今、ここに住む必要もないので引っ越しをしようかと考えている。
ネットで福岡の不動産を調べると人口減少の影響なのか、それとも不動産の供給過多によるものだろうか、賃貸物件の空室が以前より増え家賃も下がったように感じる。
また自宅のポストには毎日のように不動産のチラシやパンフレットが大量に投げ込まれているので、不動産の需要が減少していると容易に想像できる。

若い頃にマンションを購入しようと何度かモデルルームを見学に出掛けたが、長期のローンを組むことに抵抗を感じ購入を見送った。そのため僕は一度もマイホームを購入したことがない。もし当時マイホームを購入していれば、今までに支払った家賃の合計金額で僕は住宅ローンを既に完済していただろう。
しかしマイホームを購入すると同じ場所に住み続けることになるだろうし、年齢と共に部屋をダウンサイジングすることが容易にできないので、結局、購入しなくて良かったと思っている。

これからは都心部の不動産であれば価格はあまり下がらないだろうが、都心部から少し離れた場所だと価格は下がりスムーズに売却することができない恐れがある。これから不動産を購入しようと考えている人は経済や市況をしっかり調べ判断するべきだろう。
また不動産を選ぶ際に建物の構造や設備をチェックすることは当然のことだが、建物の周辺環境や隣人にも気を付けなければならない。特に隣にややこしい人が住んでいると、自宅の居心地は悪く争いに発展することもあるので気を付けたい。
今の時代、ベランダでタバコを吸っただけで隣人ともめることもあるようだ。
隣にややこしい人が住んでいると賃貸であれば引っ越せばよいのだが、購入してしまうと簡単に引っ越すこともできず、そのややこしい隣人と長くお付き合いする羽目になってしまい、毎日ストレスを抱えて暮らすことになる。
だから不動産を求める場合は金額よりも立地が良く多少金額の張る部屋を選んだ方が隣人にまともな人が多く、隣人とのトラブルで悩まないだろう。

Q太郎との沢山の思い出の詰まった部屋を出て、心機一転、新しい部屋で生活を始めることも良いだろう。
Q太郎の入った骨壺と一緒に。

written by モンコ

2019年07月12日

月曜の夜、Q太郎はしっかり流動食と好物のスイカを食べ普段と変わりなかった。僕はQ太郎の頭を撫で夜11時にベッドに入ったが、翌深夜1時に最近全く吠えないQ太郎の妙な鳴き声で目を覚ました。Q太郎の声は何とも弱々しくまるで子猫のような鳴き声だった。

「ミャン…ミャン…」

僕がQ太郎のいる部屋を覗くと家人がQ太郎を抱いて声を掛けていた。寝たきりのQ太郎に寝返りをさせるため、そして呼吸を確認できるように家人は毎日Q太郎と引っ付いて寝ていた。Q太郎は目をパチリと開け元気な様子で僕が数度頭を撫でると鳴き止んだので、安心してベッドへ戻った。しかしその後も時間をおいてQ太郎は繰り返し鳴くので、そのたびに僕はQ太郎の元へ行き声をかけ頭を撫でた。Q太郎は昼と夜がひっくり返ってボケてしまったのかと思った。

そして午前3時にまたQ太郎が鳴き出したので、僕は再び傍に行き頭を撫でると、かすかに尻尾を振った。喉が渇いているのかと思い牛乳を飲ませたが、飲みこまずに口からこぼれた。そしてQ太郎の頭を撫でていると、呼吸する胸の膨らみが徐々に小さくなり静かに胸の膨らみが止まった。僕は慌ててQ太郎の名前を呼びながら人工呼吸と心臓マッサージを始めたが、家人に止められた。
2週間前に心肺停止したQ太郎は家人が人工呼吸と心臓マッサージを必死に施し蘇生したが、今はQ太郎が苦しむこともなく眠るように息を引き取ったので、これ以上頑張らせたくないと家人は泣き崩れた。そしてQ太郎が僕にプレゼントしてくれたおまけの時間は終わった。おまけの時間は13日間だった。

僕は温かく柔らかいQ太郎を抱き締め、頬に顔を付け何度も感謝の気持ちを伝えた。

「Qちゃん。本当にありがとう。よく頑張ったね。永遠に一緒にいようね」

僕の涙がQ太郎の頬を伝った。Q太郎が一人寂しく逝くことなく、ちゃんと看取ることができて本当に良かった。寝たきりでQ太郎は鳴くことすらままならないのに、懸命に鳴いて僕を起こし、そして最後の力を振り絞って尻尾を振りながら僕に最後のメッセージを伝えていたと家人が言った。

「父ちゃん、私の傍にいて…傍にいて…。本当にありがとう…」

Q太郎は月命日を僕が忘れないように、自らの名前と同じ9日に息を引き取った。

夜が明けQ太郎の体を触ると死後硬直が始まっていたが、足の肉球はまだ温かく柔らかいのでQ太郎はぐっすり眠っているように思えた。その後、お世話になった動物病院の先生に電話をかけ、今朝早くにQ太郎が息を引き取ったことと、今までのお礼を伝えた。そして先生に紹介して頂いた動物葬儀場に問い合わせた。

「棺桶やお墓はどうなさいますか?」
「棺桶もお墓も要りませんが、骨壺が欲しいのですが…」

いつも散歩などに出掛けていた際、Q太郎が喜んで自ら中に入るお気に入りのバッグがある。そのバッグにQ太郎を寝かせ、好物だったジャーキーとフルーツ、それに花を添えて火葬してもらった後、Q太郎を自宅に連れて帰ることにしている。
Q太郎は19年寝食をともにした大切な家族で、僕の宝物だ。いずれ僕と同じ場所にQ太郎も樹木葬で葬ってもらうつもりだ。僕の心には家人の言ったQ太郎の最後のメッセージがしっかり刻まれている。

「父ちゃん、傍にいて…」

written by ゴンザレス

2019年07月05日

ブログに3週連続で愛犬Q太郎が登場する。
先週の水曜日の朝、高齢のQ太郎は突然心肺が停止し、家人が人工呼吸と心臓マッサージを施すと息を吹き返した。今は横になったまま流動食や好物のスイカを食べ生き長らえている。Q太郎は意識がしっかりしているようで、僕が指を顔に近づけると食べ物と思うのかパクリと噛みついてみせる。Q太郎が生きているだけで僕は安堵し頭を撫でながらこう話しかける。

「Qちゃん。永遠に一緒にいようね。安心して穏やかに余生を過ごしてね」

Q太郎との出会いは19年前の初冬、あるペットショップでミニチュアダックスの子犬を見かけ、あまりの可愛さに迷いもなく即購入し、家に連れて帰った。当時、僕の住んでいたマンションはペットを飼うことはできなかったので、同じマンションの住人にばれないようにこっそりと部屋に入った。
その晩、買ったばかりのゲージにQ太郎を入れ眠かせたが、夜中に何度も「ク~ン」と寂しそうに鳴くので、寒いのかもしれないと思い仕方なく同じベッドで眠った。そしてQ太郎はうちに来た日以来ずっと僕と同じベッドで眠るようになった。朝になるとQ太郎はお腹が空いたと僕の顔を手で引っ掻いて起こすようになった。冬にQ太郎と一緒に寝るとお互い暖かいので引っ付いて眠るが、夏は暑いのでお互いベッドの隅に離れて眠った。
家に来た当初、Q太郎に随分トイレの躾をしたが全く覚えてくれず、家のいたるところで粗相し僕に叱られていた。家人が半年ほど辛抱強く躾けると、ようやくトイレで用を足すことができるようになった。
Q太郎はとにかく元気で部屋中を走り回り良く吠えた。ペットを飼えないマンションだったので吠えると直ぐにQ太郎を抱き宥めた。そして外出する時は洋服の中にQ太郎を忍ばせエレベーターを利用せず非常階段から外に出た。
Q太郎の食事は健康を気にして栄養バランスの取れたドッグフードを与えおやつにはジャーキーを与えていたが、僕の勤めていた会社が倒産し生活水準が下がったことで、おやつはジャーキーからキャベツの芯に変わった(笑)。その頃からQ太郎は野菜や果物を食べるようになり、特に果物が好物になった。
僕が仕事に出掛ける時はQ太郎が玄関まで走って見送ってくれ、仕事を終え僕が帰宅するとQ太郎は玄関で待っており尻尾を思い切り振って迎えてくれた。どうもQ太郎は僕が家に帰ってくることが分かるようで、家人はQ太郎が玄関に行くことで僕が帰ってくることが分かったそうだ。そして食事の時は僕の隣の椅子に飛び乗り僕からのおこぼれを待った。
Q太郎は近くの草野球のグラウンドがお気に入りで定番の散歩コースだった。そこは他の犬があまり散歩をしておらず、グラウンドの周りに芝生が生えていたのでQ太郎の首輪を外しあげると喜んで自由に走り回っていた。またQ太郎は車に乗ることも大好きでドライブに連れて行くと、何が面白いのか、いつも窓から顔を出し顔いっぱいで強い風を受け鼻水を垂らしていた。そしてQ太郎と一緒に旅行にも出掛けペットの泊まれる温泉旅館に泊まりペット用の温泉にも入った。さらに沖縄に2度もバカンスに一緒に出掛けQ太郎は透き通った海を犬掻きで泳ぎリゾートを満喫した。

Q太郎はいつも一緒で僕のかけがえのない家族だ。Q太郎は今まで大きな病気や怪我をほとんどしたことがなく元気で長生きしてくれているが、すぐそこまでお別れの時は迫っている。一度Q太郎が心肺停止したことで、僕はQ太郎の死を受け入れる覚悟ができた。きっとQ太郎は最期に僕が悲しまないように死の予行演習を行い、今のおまけの時間を僕にプレゼントしてくれたのだろう。
Q太郎とお別れの時は笑顔で見送ってあげたい。

written by ゴンザレス

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