パーキンソン病や低血圧で歩行がままならない親父をお袋は常に気に掛けて生活している。特に親父は夜中に2、3度トイレに立つようで、その度にお袋は目を覚ますので寝不足でストレスと疲労が溜まっているようだ。そこで少しでもお袋を日常から解放させストレスを発散させようと、夏休みに二人を温泉に連れて行くことにした。
温泉に出掛ける数日前に親父が転んで右足を痛め歩くことができないので、温泉に行くことを躊躇しているとお袋から連絡があった。お盆で病院が休みのため親父は自宅で足を冷やして湿布をして安静にしているが、足を痛めた親父をお袋が介助しているので、お袋の疲労もピークに達している様子だった。僕は更に高齢になると温泉や旅行に出掛けることはさらに難しくなるだろうし、何よりもお袋がリフレッシュするために予定通り温泉に出掛けようと伝え、温泉では僕が親父を介助するから安心するように言った。
当日、2人を迎えに行き親父の痛めた足を見ると多少腫れは引いたようだったので、親父の足に触れ軽く叩いてみると親父は悲鳴を上げた。二人を車に乗せ、車椅子を積み宿に向かった。大型の台風が来ていたが、台風の進路が福岡から逸れていたので台風の影響はほとんどなかった。
宿に着き、親父を車椅子に乗せ部屋に入った。部屋は離れで随分と広く風呂は内湯と露天風呂が完備されており、風情のある素敵な部屋だった。しばらく休憩した後、親父をゆっくり風呂に入れ皆で夕食を取った。夕食は親父の好物の牛肉とお袋の好物の伊勢海老を頼んでいたので二人とも大喜びだった。
親父は高齢者用のおむつをしているので、就寝後はトイレに立たずにおむつで用を足すように伝え就寝した。しかし深夜に親父は3度もトイレに立ち、その度に僕は親父を介助しトイレに連れて行く。親父は用を足すことに時間がかかるようで、毎回僕は親父に声を掛けながらトイレの前で15分ほど待った。この生活が毎日続くと思うとお袋の負担が心配になった。
翌日、親父とお袋は大満足で宿を後にした。そしてその帰りに自宅近くの病院に親父を連れて行き腫れた足を診てもらった。幸いにも足の骨は折れていなかったので、医者は自宅で安静にするように言った。この時、親父は他の検査で席を外しておりその場にはいなかった。
「レントゲンを見ると骨折はしていないです。骨挫傷なので2週間ほど自宅で安静にしていればよくなるでしょう。ご主人の足首にボルトが入っていますが、以前骨折したんですか?」
「5年ほど前に骨折して手術をしたんです。治って固定しているボルトを抜く話があったのですが、先生と相談して父が高齢だったのでそのままにしておくことにしたんです」
「そうですか、本来であれば抜いておいた方が良いのですが、高齢ですから仕方ないですね。それではご主人の検査が終わったら足を固定しましょう」
「あの…先生。このまま父を自宅に連れて帰っても、この状態で母と二人で生活することは無理です。父を入院させてもらえませんか?」
「しかし骨折もしてないのに入院はできませんよ」
「それでは手術してボルトを抜いてもらえませんか?だったら入院できるでしょう?」
僕が先生にそう伝えると、先生は苦笑いして了承してくれた。
検査が終わり戻ってきた親父に入院して手術することになったことを僕が伝えると、親父はとにかく驚いていた。
「手術?入院?嘘やろ!?骨は折れてないやろう?」
「折れてないばってん、以前骨折したろうが、そん時の骨ば固定しとるボルトば取らんといかんらしい。後々そのボルトが内側から筋肉ば傷つけて痛くなるげな」
「もうこの年やけん手術とかよか。入院とかせんばい。早よ帰ろう!入院して俺がおらんとお母さんが心配や」
「親父がお袋と一緒におる方が心配たい!先生の言うことを聞かんといかん!」
親父は温泉から戻る途中に自宅近くの病院に入院して手術を受けることになった。お袋は笑いながらこう言った。
「昨日は温泉で贅沢して今日は入院するなんて、お父さんはまるで天国から地獄やね」
退院するまでお袋はのんびり自分のペースで生活ができるだろうが、親父が退院した後の二人の生活が心配だ。早めに手を打たんと共倒れになってしまう。
written by マックス
通信技術が進み仕事の効率は上がりコストも削減できるようになったが、逆に無駄が多いためコストが上昇している企業もある。例えば仕事のメールを送る際、電話であれば5秒ほどで済む内容を長々と文章にして送ってくる人がいる。以前、その方に「この内容であれば電話の方が早いのでは?」と伝えると、メールを送った記録を残すように上司から言われているので忠実に守っていると言う。しかし業務上の簡単な連絡を長々と文章にしてメールを送る必要があるのだろうか?機転が利かないと言うか、要領が悪いと言うか…。そして、このような人に限って残業が多いとボヤいている。
またスカイプなどを使い会議や打ち合わせを行う会社もある。スカイプなどを利用すると移動する手間が省けるので時間もコストを抑えることができる。しかし簡単にテレビ会議や打ち合わせができるため、毎日のように会議や打ち合わせを行う会社がある。そしてそこに勤める社員も残業が多いとボヤいている。
周りを見渡すと時間や効率を考えずに仕事をしているトンチンカンは非常に多い。このトンチンカンは働いている会社の企業文化に影響を受けたのか、それとも今まで育った家庭環境の影響なのだろうか。僕は企業文化に影響されたことよりも育った環境が大きく影響しているように思える。子供から大人になる過程で多くのことを経験していないので視野が狭く脳が鍛えられていないのだろう。
子供の頃から大人になる過程でたくさんのことを経験することは非常に大切で、子供の頃はわんぱくに外で走り回って遊び、海や山に出掛け自然の中でたくさんの動植物などに触れるべきだ。また大きくなってからは活動範囲をさらに広げ、積極的にスポーツや音楽活動などに参加し、旅行にも出掛け視野を広げるべきだろう。そして料理や日曜大工などの「作る」ことを多く経験することで、効率や段取りを考える訓練ができ脳を成長させる。
結局、どうやれば効率よく段取り良く物事を進められるか、社会に出るまでに訓練している人と、社会に出てから訓練する人とでは雲泥の差が付いている。仕事の多くは事前にしっかり計画を立て段取ることで8割は片付いたようなものだ。
もうすぐ待望の夏休みだ。せっかくの夏休みだからエアコンの効いた家でゴロゴロと無駄な時間を過ごさず、有意義な夏休みを過ごしてほしい。夏休みは目前に迫っているが、今からでも夏休みの計画を立てしっかり段取れば十分素敵な夏休みを過ごすことはできる。僕も来週の金曜から夏休みだ。夏休みは墓参りや車の修理など予定が入っている。そして両親を連れて温泉に出掛けるつもりだ。
それでは皆さん素敵な夏休みを!!(2週間ブログはお休み♪)
written by モンコ
吉本興業のお笑い芸人による闇営業や反社会勢力からの金銭授受の問題がメディアで大きく取り上げられている。
騒動の発端は週刊誌が詐欺グループの忘年会にあるお笑い芸人が参加し闇営業があったことや、金塊を盗んだ窃盗犯と飲食店で同席し謝礼をもらって飲んだと報じ、吉本興業はそのお笑い芸人を契約解消や謹慎処分にした。(当然だろう)
そしてお笑い芸人が釈明と謝罪のため記者会見を行い、吉本興業の内情を暴露したことで、吉本興業の対応が酷いとタレントやメディアから非難を受ける始末。
そもそもこの問題は所属事務所に内緒で闇営業をしたことや、反社会勢力などと接触し金銭授受があったお笑い芸人に大きな問題がある。一般人でもこのような問題を起こすと社会問題になるので、なおさらメディアに出演するタレントは気を付けなければならない。問題を起こしたお笑い芸人は浅はかで、あまりにも無責任だと思う。記者会見で「誠意」の言葉を口にしていたが、この問題が明るみにならなければ記者会見を自ら開き謝罪したのだろうか。涙ながらに記者会見を行っている映像を見ていると、お涙頂戴の茶番と呆れてしまった。
またその記者会見で吉本興業の内情を暴露したことで、吉本興業はブラック企業などと他のお笑い芸人も騒いでいるが、そうであるならば吉本興行と決別し他のタレント事務所に移れば良いのではないだろうか。事務所を離れた後に吉本興業からプレッシャーを受ける恐れがあるだろうが、覚悟して飛び出すほかないだろう。
続いて行われた吉本興業の社長による記者会見でも「これからはタレントファーストで」と、口にしたことに僕は呆れてしまった。タレントよりもまずは「お客様ファースト」や「ファンファースト」と口にすることが正しいのではないだろうか。問題を起こしたお笑いタレントも吉本興業も少し頭がおかしいのではないだろうか。
この問題で僕が何よりも驚いたことは吉本興業とお笑い芸人との間に契約書が無いことだ。広告主がタレントなどと出演契約を結ぶ際、当然、広告主と所属事務所(それに広告会社)の間で契約書を交わすが、所属事務所とタレントとの間に契約書が存在しない場合、タレントの不祥事で広告主が損失を受けた場合、吉本興業がちゃんと責任を取ってくれるのだろうか?何ともいい加減な話だ。
闇営業や反社会勢力との金銭問題で揺れるお笑い芸人と、ブラック企業と叩かれる吉本興業。このネタにテレビ局のワイドショーは飛びつき盛り上がっているが、メディアはもっと有益で有意義な情報を視聴者に提供するべきではないだろうか。
「何だかアホらしい…」
written by 彦之丞