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2019年09月13日

ある日本人女性がカンボジアを旅行で訪れアンコールワットへ向かう途中、ある村で子供たちに囲まれて物乞いをされた。彼女を取り巻いた子供たちは皆ボロボロの服を着ており裸足で、中には地雷で足のない子供もいた。しかしその子供たちの瞳は皆キラキラと輝き表情は無邪気だったと言う。その村は物資も乏しく貧しいうえ子供を通わせる学校すらなかった。彼女は未来ある子供たちに教育を受けさせたいと思い、日本に帰国する飛行機の中でその村の子供たちを支援することを決意し、帰国後NGO法人を立ち上げた。
彼女の力強い呼びかけに支援の輪が広がり、ついにカンボジアのその村に小さな小学校を建て無料で子供たちに教育を始めた。そのNGOの支援活動にお得意先が賛同し支援を始めたことで、僕はお得意に強制連行され毎年カンボジアに出掛けボランティア活動を行う羽目に。カンボジアに出掛けるのは今年でなんと10回目になる。

NGOの代表を務めるその女性は25年もの間その村を支援してきたが、年齢的にも体力的にも今後支援活動を継続することが難しいと考え、彼女はカンボジア政府に小学校を譲渡し公立小学校にしてもらおうと考えた。彼女は年齢を理由に支援活動を止めることもできたが、彼女は最後まで子供たちを見捨てなかった。
彼女がカンボジア政府に譲渡の話を持ち掛けると、小学校を運営する予算が無いので多額の金銭を要求され、さらに譲渡後も金銭的な支援を求められた。しかし彼女はその要求を受け入れず、カンボジア政府と真摯に向き合い誠実に粘り強く交渉した結果、カンボジア政府は金銭の要求を取り下げ小学校の公立化で合意することに。
そして先週末、NGO法人からカンボジア政府へ小学校を譲渡する調印式が行われ、僕等とカンボジアの日本大使などが立ち合った。調印式は無事に終わり晴れてその小学校はカンボジアの公立小学校となり、僕らのカンボジアでの支援活動は終わった。

多くの日本人や日本企業は流行のように社会貢献活動と謳いカンボジアを支援し多くの小学校を建設したそうで、その数は2,000に上ると言う。しかし建設された小学校は、その後、日本人や日本企業からの支援が打ち切られ多くは廃校になってしまい、今ではわずか9校の小学校が支援を受け存続していると言う。ボランティアなど支援活動を始めることは簡単だが継続することは難しく、皆が幸せになる出口戦略を考えることはさらに難しい。

彼女は誠実で謙虚なうえ慈愛に溢れており、自らの意志を貫く強さを持っている。きっと彼女は天使なのだろう。悪魔が蔓延するこの世界に密かに天使も存在し世界を愛で包み多くの人に笑顔を与えている。この世はまだまだ捨てたものじゃない。
来年以降、僕はカンボジアに強制連行されず解放されると思うと、嬉しいやら、どこか寂しいやら…。

written by ベルハルト

2019年09月06日

予定のない休日はネットフリックスやWOWOWで動画を楽しんでいるが、10月より消費税が上がるのでネットフリックスかWOWOWのどちらかを止めようと考えていた。ネットフリックスは自らが動画を選んで能動的に視聴することができるが、WOWOWは放送プログラムが編成されているので受動的に視聴することになる。またネットフリックスは独自で制作した映画やドラマを中心に動画を用意しているが、WOWOWは映画専門のチャンネルがあるので豊富な映画を楽しむことができ、映画好きの僕には合っているように思える。そこで僕はネットフリックスを退会しようと考えていたが、まんまとネットフリックスの罠に掛かってしまった。
ネットフリックスには『あなたにイチオシ』というメニューがあり、視聴者が過去に見た動画の傾向からその視聴者の好みの動画をホーム画面で確認でき、登録しているスマホにもメールで知らせてくる。そして僕の過去の視聴傾向から「LOST」というアメリカのドラマを薦めてきた。
このドラマは以前アメリカでヒットしたドラマで、飛行機が墜落し生存者がある無人島で力を合わせ自然の中で生き延びるサバイバルドラマだ。興味を持った僕は取り敢えず1話を視聴してみると意外にも面白かったので、立て続けに2話、3話と視聴することに。このドラマは1話が40分ほどでストレスを感じることなく毎週休日には数話視聴していたが、20話ほど進んでも一向に終盤に向かわない。そこでこのドラマは一体何話まであるのか調べてみると…。な、な、なんと121話と言う恐ろしく長いドラマだった。
週に1話視聴しても2年以上かかり、週に2話視聴しても1年以上は掛かかってしまう。時間に直すと40分×121話=4,840分で、4,840分÷60分=約80時間になり、寝ずに見ても丸4日ほどかかる超弩級の長編ドラマだった。
僕は長編ドラマだと知って視聴することは止めようかと思ったが、20話(約13時間)ほど見ていたので、今までこのドラマに費やした時間がもったいないと思い、最後まで見ることにした。僕はネットフリックの罠に掛かり大切な時間をLOSTしてしまっているように感じる(笑)

ネットフリックスは一度加入した会員を退会させないために策を練っているようで、映画よりも長編ドラマに力を入れている。しかもネットフリックスが制作しているドラマは日本のキー局の制作費を合算した費用よりも遥かに大きいので、クォリティーが高く非常に面白い。そしてネットフリックスは長編ドラマに視聴者を誘導し、長時間視聴させることで退会させないようにしているのだろう。なるほど…。

今週末から毎年恒例のカンボジアへボランティアに出掛けるが、空いた時間にスマホで「LOST」を視聴しネットフリックスの罠から早く解放されようと考えている。

written by 彦之丞

2019年08月30日

5年に一度の年金財政検証が公表された。その結果、これから日本の経済成長が進まなかった場合、現役世代の収入額に対する年金受給額の割合を示す所得代替率は50%を下回ると言う。そもそも年金の財政検証は5年に一度ではなく、2年に一度は行い細かく検証するべきではないだろうか?
この試算は40年間平均的な収入の会社員の夫と専業主婦をモデル世帯に設定し、年金をもらい始める65歳の年金給付水準を現役世代の平均的な収入と比較した割合だ。(しかしこのモデル世帯は現在において果たして現実的なのだろうか…)現在、会社員の手取りの平均額は月額35万7千円で、年金受給の所得代替率は61.7%なので、年金の平均受給は月額約22万円となるが、今後、経済が成長し働き手が増えた場合、所得代替率は50%確保されるという。しかし経済成長が思うように進まず、働き手が増加しなければ所得代替率は50%を下回り、最悪の場合2052年に国民年金の積立金は枯渇すると言う。この報道を受けて若い人がテレビのインタビューに答えていたが、多くの若い人は悲観的なコメントだった。

「今から老後に備えて貯金をしなきゃいけない」
「契約社員なので全く貯金する余裕がないので国に何とかしてもらわないと…」

しかしこれから日本の経済が思うように成長することは考えにくく、少子高齢化の日本ではしっかりと移民政策を行い海外から移住者を呼び込まないと働き手の増加も見込めない。今の国の政策では将来の日本は消滅危機にあり、海外の国は世界でもっとも高齢化の進む日本を眺め研究している。これからは日本で生活することだけを考えるのではなく、海外に出て生活することも視野に入れるべきだろう。

僕は高校に入学したばかりの甥っ子に海外の大学に進学するように勧めてきた。しかも人気の高い欧米に留学するのではなくシンガポールへの留学を勧めた。シンガポールは英語が公用語で中国人も多いので中国語も同時に学ぶことができるうえ、シンガポールは世界でも有数の金融国家なので質の高い世界経済を学ぶことができる。そしてシンガポールは世界を代表するハブ機能を有する中継拠点なので、多種多様の人種と異文化に交わることができ、人種差別も少ないので世界に多くの友人をつくることができる。
甥っ子の親は国内の大学に進学して欲しいそうだが、甥っ子は僕の意見を選択しシンガポールの大学に留学することを決めたようで、英語を中心に勉強に励んでいる。以前、甥っ子にマークトウェインの言葉を教えた。

「やったことは例え失敗しても20年後には笑い話にできる。しかし、やらなかったことは20年後には後悔するだけだ」

若者は今でも鎖国の続く小さな日本から飛び出し世界で活躍するべきだ。広い世界には面白いことで溢れている。

written by アームストロング

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