福岡は青空が広がり気持ちの良い日が続いているが、最低気温が10℃を下回る日もあり冬はそこまで迫っている。今年の冬は例年より気温が低いと気象庁は予想しており、エアコンなど暖房家電の利用増加で電力の供給不足に繋がる恐れがあるそうだ。家はオール電化なので電気が止まれば凍える部屋で越冬しなければならない。電気の供給が止まると、どんな生活を送ることになるのだろうか。
電気が止まると…。
朝は布団からなかなか出ることができず、用意していた使い捨てカイロを体に貼り勇気を出して布団から出る。部屋は極寒で吐く息は白い…。直ぐにダウンジャケットを着てトイレに入るが便座は氷のように冷たい。洗面所では電気温水器が使えないので蛇口からはお湯は出ない。IHコンロも使えないのでカセットコンロでお湯を沸かし、お湯で顔を洗った後、暖かいコーヒーを入れる。特に寒い朝は車のエンジンを掛け車の中で暖を取りコーヒーを飲むだろう。
テレビも見ることができずスマホでニュースを読むが、Wi-Fiが使えないので通信費が嵩みスマホもあまり利用できない。そしてスマホは乾電池の充電器かソーラー充電器、もしくは車で充電することになる。パソコンも使えず仕事もできないので愛犬のQ次郎を抱いて読書をするか、勇気を出してQ次郎と散歩に出掛けることに。
夜、電気温水器が利用できず、当然、お風呂に入ることはできない。夕食を作るため冷蔵庫を開けるが、冷蔵庫と部屋の温度は同じなので食材は冷蔵庫には入っておらず、部屋に適当に置いてある。毎晩、夕食は鍋料理で2年前に買ったアラジンの小さなカセットストーブとランタンの灯りを囲んで取る。最近、色んな種類の鍋つゆが販売されているので、毎日鍋を食べても飽きることはないだろう(この際、トマト鍋を食べたことが無いので一度食べてみよう)晩酌はビールを飲まずにウィスキーか焼酎のお湯割りで、体が温まりほろ酔い気分になると愛犬Q次郎を抱いて布団の中に入り眠るだろう。
翌朝、寒さに耐えきれず灯油ストーブを買いに出掛けるが、灯油ストーブは既に売り切れており、その足で使い捨てカイロを買いに行くが、使い捨てカイロも売り切れている。
今の生活は便利で電気は欠かせない。電力需給の逼迫で電力不足が起きないことを祈っている。ぶるっ…考えただけでも寒くなってきた。
近年、ハロウィンは日本でも定着し各地で仮装した若者が街に繰り出し騒いでいる。若い頃は何かと理由を付けて騒ぎたくなるので、僕の若い頃にハロウィンが日本に定着していれば、仮装して街に繰り出して騒いでいただろう。
先週末、楽しいはずのハロウィンの夜に韓国で大惨事が起きた。韓国ソウルの繁華街で犇めき合った若者らが転倒し圧死による死者は150人を超え、負傷者は100人以上に上った。被害者の多くは10~20代の若者で、二人の日本人女性もこの事故に巻き込まれた。僕の姪っ子は現在、韓国に留学しており心配で連絡を取ったが、姪っ子は街には出掛けておらず無事だった。
この事故は「群衆雪崩」と呼ばれ大勢の人が密集した状態で、何かをきっかけにドミノ倒しのように、次々に転倒し圧し潰されてしまう。事故現場の飲食街はネット配信の人気ドラマの舞台になった観光地で、その飲食街の狭い路地で緩やかな坂道で事故は起きた。韓国の飲食店では新型コロナウイルスによる規制が3年ぶりに解除され、飲食店の並ぶ繁華街に大勢の人が繰り出し混雑していた。
事故の様子を映した映像には、多くの人がギュウギュウ詰めで犇めき合い、パニック状態のようで、「密集した若者らが坂の下へ向かって折り重なるように倒れた」という証言に僕は背筋が凍り息苦しくなった。事故発生後、現場一帯では救急隊員らが下敷きになった人を助け出し、あちこちで心臓マッサージをする救助活動の映像も映っていた。
僕も大勢の人が集まる祭りやイベントに何度も出掛けたことはあるが、あれほどの人が一か所に集中し犇めき合う光景は目にしたことは無い。ハロウィンという特別な日に仮装して高揚感に包まれた若者が大勢集まり、酒に酔った人も多く、皆、興奮していたのだろう。行政は大勢の人出を想定し、事前の手立てすることができなかったのだろうか。
この事故を教訓に今後は同じような事故が二度と起きないよう、行政はもちろん参加者も含めてしっかり考え対応することが必要だ。楽しい夜が一瞬で悪夢になるとは…。同じ事故が二度と起きないことを切に願っている。
「えっ、歯を抜くんですか⁉」
今年のお盆明けに奥歯が痛くなり歯医者に出掛け診察してもらうと、食いしばりと歯周病で悪くなった奥歯を抜歯することになるかもしれないと先生に言われ、約1カ月半その歯医者で治療を受けた。先生はできるだけ抜歯しなくて済むように今後3か月に1度は口の中のメンテナンスを行うように勧められた。僕は3ヶ月に1度のメンテナンスだけで抜歯せずに根本治癒できるのか疑問を感じた。
そこでネットで福岡の腕の良い歯医者を調べると、九州大学歯学部を卒業後、アメリカに留学し米国歯周病外科専門医で再生治療を行っていた歯医者を見つけ、セカンドオピニオンを受けるためその歯医者に出掛け先生に見解を聞くことに。
「先生、今通っている歯医者では奥歯を抜歯することになるかもしれないと言われているんですが?」
先生はレントゲンの画像を見ながらこう説明する。
「確かに左の奥歯が良くないですね。歯を支える歯茎と骨が擦り減っています。食いしばりもあるのでしょうが、喫煙による歯周病でしょう」
「タバコですか…。先生のホームページには歯茎とその下の骨は再生ができると書いていましたが、再生できるんですか?」
「歯は再生できませんが、歯茎と骨は再生できます。いずれにしても歯石が歯茎の深い箇所に付着しているので、歯茎の奥までしっかりお掃除をしないといけないですね」
「先日までかかりつけの歯医者で歯石を取ってもらったんですが…」
「歯の表面の歯石は除去できていますが、歯茎の奥にある歯石は取り除かれていませんね」
それから毎週その歯医者に出掛け歯茎の奥の歯石除去を行った。歯と歯茎の間の奥にある歯石は歯茎に麻酔をし、スケーラーと呼ばれる先端がフック状の細長いスティックを歯と歯茎の間から奥まで入れ歯石を取り除く。歯石を取り除いた後にうがいをすると、口から吐き出す水は血で真っ赤に染まっていた。1ヶ月掛け全ての歯茎の奥に付着していた歯石の除去を終え、2週間後に再度レントゲン検査で状態を確認し、今後の処置を判断することになった。
次のレントゲン検査で歯茎の深い箇所に歯石が除去できていなければ、歯茎を切開し歯の根っこに付着している歯石を取り除くことになると言う。
「えっ、歯茎を切開して歯石を取るんですか?」
恐る恐る先生に聞くと、簡単な手術で痛みもないと言う。先生の話を聞いているだけで背筋がゾッとした。
歯医者に通い始めた頃は夏だったが、季節はすっかり秋に移った。いつまで歯医者に通うことになるのだろうか。果たして僕は抜歯せずに済むのだろうか。
「タバコを止めんといかんな…」