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2023年02月17日

学業の神様で知られる太宰府天満宮の境内には約6千本の梅が植栽されており、もうすぐ見頃で、あと1カ月もすれば桜の開花も始まり本格的な春が訪れる。桜が満開になると愛犬Q次郎を連れて花見に出掛けよう。

ところで今冬は火災が多く発生し消防車のサイレンを何度も耳にした。先日も夕方風呂に入っていると、サイレンが聞こえるので風呂の窓を開けて外を覗いてみると、消防車が数台列をなし勢いよく走って行く。サイレンは自宅近くで止まったので、どうやら近所で火災が発生しているようだ。風呂から上がりスマホで火災現場を検索すると、自宅から300mほど離れた建物で火災が発生していた。近所での火災だったので、ふと子供の頃の記憶が蘇った。

お袋は看護婦で自宅近所の病院で働いており、夜勤の日は決まって深夜に帰宅する。お袋は仕事が終わると節約のため病院の公衆電話からワンコールで自宅に電話を掛け、自宅の固定電話が「リ~ン」と1度鳴ると、親父はお袋を迎えに直ぐに家を出て行った。

お袋が夜勤のある夜、小学生だった僕は床に入ってぐっすり眠っていたが、突然、親父に叩き起こされた。

「おい!起きろ!近くで火事や!」

そして僕はパジャマのまま火災現場に連れ出された。その夜、いつものように自宅の電話が鳴り親父がお袋を迎えに行った帰り、自宅から数百メートル離れた上空が赤く染まっていたので、自宅に戻ると直ぐに親父は消防署に通報したそうだ。

火災現場に着くと消防隊はまだ到着しておらず、燃えている家の隣人数人がバケツに入った水で消化していたが、まさに焼け石に水で火の勢いは増すばかり。無数の火の粉が周囲に降り注ぐ中で住人なのか、年配の女性が大きな声で泣き崩れている。僕は真っ赤に燃え上がる光景を目の当たりにし恐怖で呆然としていた。すると親父が僕にこう言った。

「おい!よう見とけ。火事の怖さをちゃんと覚えとけ!」

間もなくして消防隊が現場に到着すると手際よく放水を始め火の勢いは弱くなった。その後、お袋に手を引かれ自宅に戻る途中、お袋が言った。

「あんた、ぐっすり寝とったけん起こさんどこうと思ったけど、お父さんが火事の恐ろしさばちゃんと見せといた方が良いと言うけん…眠いのにごめんね」

もうすぐ桜の咲く穏やかな春が訪れるが、これからも乾燥した日は続く。火事にはくれぐれも気を付けてほしい。

(今年から自分のことを“私”と表現するはずだったが、あまりにもしっくりこないのでやはり“僕”と表現することに)

2023年02月10日

立春を過ぎ、冬と春のせめぎ合いが続いている。もうすぐ皆が心待ちにしている新緑のまぶしい春が訪れ、多くの若者が新たな道へと踏み出していく。

今週、パラリンピックの車いすテニス男子シングルスで3つの金メダルを獲得するなど、数々の偉業を成し遂げた国枝慎吾選手が引退会見を行った。

国枝選手は9歳の時、不幸なことに脊髄腫瘍で下半身麻痺になり車いす生活を送ることになった。もともと彼は少年野球チームに所属するなど活発で明るい少年だったが、車いすの生活になったことで当時の落ち込みようは相当なものだったという。車いすの生活から2年が経った頃、母が趣味でやっていたテニスに国枝選手を半ば強引に連れ出し、彼は初めて車いすテニスを体験する。それ以降、彼は車いすテニスにのめり込み、2009年4月に日本パラアスリートとして初めてプロに転向した。

その後、彼は並々ならぬ努力を重ね、2021年に開催されたパラリンピックで東京大会を筆頭に、シングルスで3つの金メダルを獲得。さらに昨年7月、ウインブルドンでシングルス優勝を果たし、車いすテニス男子シングルスで初となる生涯ゴールデンスラム(四大大会とパラリンピックを制覇)を達成する偉業を成し遂げた。

国枝選手は「オレは最強だ!」と書いたテープをラケットに貼っていることで知られるが、引退会見で彼は自身のメンタルの弱さを語った。メンタルの弱かった国枝選手はメンタルトレーニングを世界ランキング1位になる前から続け、「俺は最強だ」と常に言葉に出しながら練習を行ったことで、練習の質が向上したという。そして記者会見で彼はこうも語った。

「成績やタイトルでやり残したことはない。本当にやりきったなという現役生活を送れたことは最高の幸せだったと思う」

五体満足な体を持っていても多くの人は偉業を成し遂げることは難しい。しかし国枝選手のように障害という大きな困難を乗り越え偉業を成し遂げる人もいる。彼のように偉業を成し遂げることはできなくても、彼の言った「最高に幸せだった」と、最後に言える人生は素晴らしい。

もうすぐ春。「最高に幸せだった」と最期に言えるよう、新たなことに挑戦する季節だ。

2023年02月03日

あっという間に1月は終わり、明日は立春で暦の上ではもう春だが、2月もまだ寒い日は続くようだ。寒い日はとにかく温かい風呂が恋しくなる。

我が家はオール電化なので使用するお湯を電気代の安い深夜に電気給湯機で沸かし、お湯をタンクに溜めて翌日利用する。電気給湯機のタンクは湯量を「控えめ」、「標準」、「おまかせ」と設定することができ、来客などが無い限り、普段は無駄にお湯を沸かさず節約のためタンクの湯量を「控えめ」に設定している。

今週、多少寒さが緩んだので、先月、購入した犬用のバスタブにお湯を張り愛犬Q次郎を風呂に入れた。今までQ次郎は散歩などで汚れると体に直接シャワーを当てシャンプーをしていたが、冬にシャワーは寒いだろうと、ネットで犬用のバスタブを購入した。そのバスタブはミニチュアダックスフンドの体のサイズにピッタリで、蛇腹折りで小さく折畳める優れた商品だ。

早速、Q次郎をバスタブの中に入れ背中にシャワーを掛けながらお湯を溜めていく。バスタブに入れた瞬間、Q次郎は少し戸惑った様子だったが、お湯が溜まり始めると大人しくお湯に浸かっている。さらにお湯が溜まると足の短いQ次郎は体が浮くが、温もりとその浮遊感が心地良いのか、幸せそうな顔をしている。まるで冬の風物詩の露天風呂に入るカピバラのようで見ている方も癒される。Q次郎は10分ほど温かいお湯に浸かりシャンプーをした後、2度バスタブのお湯を張替え入浴させた。

「Q~、気持ち良いやろ~。暖かくなったらバスタブをベランダに持って行って露天風呂にしような!」

翌日、家人は寝込んでいた。話を聞くと、昨晩、風呂に入るとお湯がぬるいので追い焚きをしてもお湯は温まらず、シャワーからもお湯が出ないので仕方なく震えながら風呂から上がったそうだ。きっとQ次郎を長い時間風呂に入れたため電気給湯器のタンクのお湯が無くなってしまっていたのだろう。これからQ次郎をお風呂に入れる前日は電気給湯機のタンクの湯量を「おまかせ」に設定し湯量を増やしておかなければならない。

家人は風邪を引き寝込んでしまったが、Q次郎は元気に散歩に出掛けていた。

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