馴染みのバーが今年一杯で店を閉めるそうだ。
そこで遅い時間だと混んでいるだろうし、しみったれた話はできないだろうと思い、敢えて早い時間にその店に出掛けた。その店のマスターとは彼が独立する前からの付き合いで、25年ほどになる。店に入ると久しい僕をマスターは笑顔で迎えてくれた。
「閉店案内のDMを制作していて、もうすぐ送る予定にしているんですよ」
とマスターの方から切り出してきた。
他の客も殆どいなかったので思い切って閉店の理由を聞くと、近年、売上が右肩下がりに落ちているそうだ。特に接待など会社での利用が減少し、領収書を求められることが無くなったそうだ。1軒目の食事までは出掛けるものの、2軒目以降で利用されるバーまで客足が延びていないと言う。また20代、30代の若者のお酒離れも進んでおり、会社の仲間とお酒を飲むことが減っているそうだ。
そしてマスターが店の常連さんから聞いた話を僕にしてくれた。
その常連さんが勤める職場の若い社員に
「〇〇さんがもうすぐ引退だから送別会をやるぞ!お前も世話になったんだから参加しろよ!」と伝えると、
「それって、残業になるですか?」と返されたそうだ。
「残業?」
「はい。残業じゃないと残業代が出ないですよね?残業じゃなければ遠慮します!」
「…」
その常連さんは若い社員に返す言葉が無かったそうだ。
飲食店はコミュニケーションを取るための場でもあり、良いお酒は悲しいことや悔しいことを和らげてくれて、逆に嬉しいことを更に嬉しく楽しくさせてくれる。
マスターは店を閉め、日曜が休みの昼の仕事を探すそうだ。独立して月の休みは平日に2日しかなかったそうで、全く子供と遊んでやったことが無いそうだ。
僕の秘密基地がまたひとつなくなる。
written by モンコ
僕の父が勤めいた会社を定年退職で辞めたのは55歳だった。その後、自分の気に入った仕事を5年ほどやり、60歳でその仕事もきっぱり辞め、その後、悠々自適に暮らしている。
年金財源は余裕が無いので支給額も随分と減り、受給年齢も上がっている。政府は国民に高齢になっても健康で元気に働くことを促しており、65歳まで定年を引き上げ、さらに高齢者雇用制度などと謳い70歳まで働くことを推奨している。いずれ政府は75歳や80歳まで働くべきだと言い出すのだろう。
「70歳まで働くの?」
よく一生現役などと言うご年配の方がいる。ましてや一生青春などと言っている方もいる。
その方にとやかく言う気はさらさら無いが、きっぱり言わせていただきます。
「僕は嫌です!」
冗談じゃない。たった一回の人生を働き蟻のように働き続けて一度の人生を終わりたくない。やりたいことは山ほどある。世界だって行ったことのない国の方が遥かに多い。そもそもいくつまで生きられるのか分からないし、やっと自由になった時に病に倒れ、余命を宣告されるかもしれない。しかも70歳過ぎて世界の秘境などに出かけられわけがない。
「三浦雄一郎さんは80歳でエベレスト登頂に成功してるぜ!それに『アルプスのハイジ』に出ていたアルムおんじは当時70歳だったらしいが、あの歳でアルプスの山の中で働きながら暮らしていたぜ!それにクララまで背負って山を何度も登ってたぜ!」
体が動くうちは働くべきだと言われても、動かなくなったら何もできないし、どこにも行けない。高齢になってもそんなに働かなければならないのだろうか?
ふと、ハイジの主題歌を思い出した。
「教えて~おじい~さん♪教えておじいさん♪教えて~♪」
written by ダニエル
先日、変装した数人の若者が酔っ払って夜の街を歩いていた。(徘徊か?)がい骨姿に、魔法使い、かぼちゃ…、暗がりで遭遇すると気持ちが良いものではない。テレビでも同じように変装した幼稚園児の映像も見た。少しずつ定着してきたハロウィンだ。
あれっ、虎の格好をした者もいる。ゲッ!しかも髪型は虎刈りだ!こっちは日本シリーズの阪神ファンか。(何だかややこしいなぁ)
既に百貨店ではお正月のおせち料理の予約コーナーが大々的に出来上がっている。しかもクリスマスケーキのポスターとお歳暮のポスターも貼り出されている。そして日本シリーズの応援セールやハロウィンの装飾で店内は溢れかえっている。ごちゃ混ぜやんか!
頭の中で年間行事を巡らしてみた。
正月、バレンタインデー、ホワイトデー、ひな祭り、こどもの日、母の日、父の日、お盆、敬老の日、ハロウィン、クリスマス…。一年中、日本は行事やイベントがてんこ盛りだ。とにかく日本人は忙しい。
小売業者などが新しい商機を創造しようと躍起になり、まんまと消費者は乗せられ、そして罠にはまる(笑)
新しいものに飛びつくのは決して悪いわけではないと思うが、その由来や歴史などをきちんと学び理解してからにして欲しい。
「楽しければ良いんじゃない?」
「良くありません!だから日本人は中身が無いっていわれるの!」
新しい行事やイベントを直ぐに取り込んでいく日本を鍋に例えると、具の種類が豊富な「ちゃんこ鍋」と言ったところだろう。(でも具が多いと出汁が美味しいって?)
もう直ぐ相撲の九州場所も始まる。ガツガツと、ちゃんこ鍋を食べる力士を思い浮かべた。やっぱり鍋の具はごちゃ混ぜやんか!
去年は相撲見に行ったなぁ。
written by ゴンザレス