例年、ゴールデンウィークの5月3日は「どんたく」のパレードに参加している。決して好んで参加しているわけではなく、仕事として参加している。
僕がまとめているパレード隊は総勢約130人。どんたくに参加するパレード隊の中では、大きいほうだ。
天気予報では曇りの予報だったが、当日はあいにくの雨で肌寒い1日だった。
イベントをそつなく進めるために1日の進行マニュアルを事前に制作し、進行スタッフで共有するわけだが、悪天候の影響は多少受けてしまう。
雨になると130名分のレインコートやタオルを準備しなければならない。レインコートやタオルを購入するために急遽お店に出かけるが、ひとつの店でその量が揃うわけではなく、数ヶ所回らなければならない。そして参加者へのレインコートやタオルの受け渡し、その回収はどうするか。とにかく考えることが増えてしまう。
また当日、雨の影響なのかパレードの出発時間が大幅に早まったため、そのあとの打上げの時間まで早まることに。そのための段取りもやらなければならない。
沿道には雨の中でも多くの見物客がパレードを観に来ていた。例年思うことだが「どんたく」のパレードを沿道から見て何が面白いのだろうか。確かに暇つぶしにはなるように気がする…。
やはりどんな祭りも参加することでしか味わえないものがある。車ひとつなく沿道に観客が溢れる大通りを、パレードすることは気持ちが良い。参加しないと分からない景色が見えるからだ。
片付けを終えると、どっと疲れを感じた。雨で全身びしょ濡れのせいか多少寒さを感じる。急いで事務所に戻り、着替えを終え軽く打上げに。
僕の恒例行事のひとつである「どんたく」に来年も参加することになるだろう。
来年は晴れて欲しい。
written by ゴンザレス
先日、親戚からこんな話を聞いた。彼は病院でレントゲン技師として働いているが、近年4月になると、職場でこのような文章が回ってくるらしい。
「新人のスタッフ(看護士)はゆとり教育を受けているため、優しく接してください。決して厳しく接しないで下さい」
理由を尋ねると、厳しく叱ると新人スタッフが辞めてしまうからだと言う。
彼は人命に関わる仕事に就いており、失敗を決して起こしてはならないので、ひどく憤りを感じていた。話を聞いた僕もびっくりしてしまった。
全ての若者がそうだとは思わないが、確かに自らの使命感やミッションを持ち、がむしゃらに前向きな若者は少ないように感じる。どこかのんびりして、ゆとりがあるような…。
僕が若い頃は職場でよく怒鳴られたものだ。僕は怒鳴られるのが嫌だったので、先回りして怒鳴られないように結果を出すために走り回っていた。若いうちは怒鳴られ、尻を叩かれ、走り回ることが大切だと思う。その経験で精神が鍛えられ強くなれるように感じる。
多くの若者がまず頭で考えてしまうようだが、若いうちは体で感じたほうがいい。体で記憶させないとピンチが訪れた時も、ジタバタすることもなくなってしまう。また若い頃に怒鳴られ尻を叩かれ走り回らないと、今後の人生を生きるための大切な出会いのチャンスまでも減ってしまう。どうせ歳を取ると動けなくなるのだから。
彼は病院でどのように新人と接しているのだろう。
「〇〇ちゃん。それは駄目だよ」
「〇〇ちゃん。何度言ったらわかるのかな?」
人間ゆとりがあるとパーになるのかもしれない。
written by 彦之丞
久しぶりに幼馴染みの友人と酒を呑みに居酒屋へ。
彼とは40年の付き合いで、人生80年だとすれば人生の半分を付き合っていることになる。このような間柄で酒を酌み交わすと、気兼ねせずに大変楽で愉快だ。そして瞬間的に幼い頃にタイムスリップしてしまい、当時の話題で大笑いしてしまう。
当時は親から百円程度の小遣いをもらい学校が終わると、いつも駄菓子屋に走りお菓子を買い店の前でたむろしていた。今は仕事が終わると飲み屋に走り酒を呑んでいる。そう考えるとあの頃の習慣とあまり変わっていないように思える。
当時、「フラッシャー」という光るアクセサリーが付いている自転車が大流行していた。スーパーカーが流行したからなのか、自転車の荷台に車のテールランプのような点滅する光る装飾が施されており、フラッシャーのスイッチを入れると、複数のパターンの光りを放つ。またサドルの手前のフレームにはまるで車のシフトレバーのような変速機レバーまで付いていた。
僕の自転車にはフラッシャーなど付いておらず、親に再三せがんだが買ってくれなかった。
父は蝿を払うように僕にこう言った。
「フラッシャー?何かそれ?そんなもん直ぐに飽きる!」
彼とは家がすぐ近所だったので、夕方、遊んだあとの家路をよく一緒に自転車で走った。彼の自転車には最新のフラッシャーが付いていた。彼は「フラッシャー」のスイッチを入れ、フラッシャーをピカッピカッと光らせて走った。僕は内心いつも羨ましく思った。
彼の小学生の頃の夢はレーサーになることだったが、今のところ彼のその夢は叶っていない。しかし今でも彼は自動車やバイクが趣味で、車3台にバイク1台を保有し、更に今月もう1台バイクを買うそうだ。休みは車やバイクを弄り、また長期の休みはバイクでツーリングに出かけている。
今度懐かしのフラッシャー付き自転車を探して、彼にプレゼントしてあげようかな。
written by SDB-1