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イッキ飲み根絶!!
2017年01月20日

年が明け宴会が続いている。今週も東京の親しい取引先の先輩が来福し宴会となった。彼は酒豪で宴会では「イッキ飲み」を推奨する。彼一人が自らイッキ飲みをするのであれば良いのだが、宴会に参加している者にもイッキ飲みを勧めるので、厄介な人物なのだ。宴会の参加者の平均年齢は40代後半なので、若い頃と違いイッキ飲みは肉体的にも精神的にもダメージが大きい。
そこで僕は、

「イッキ飲み根絶!!」、「イッキ飲み撲滅!!」、「イッキ飲み断固反対!!」

の言葉をプリントしたハチマキを制作し宴会に参加した。

宴会は順調に盛り上がりビールから日本酒へと移り、先輩の心にイッキ飲みの火が付いた。そして彼が率先してイッキ飲みを始めようとしたその瞬間、僕は用意していたハチマキを周りの参加者に配った。
「それでは今から私がイッキしま~す!」
と先輩がグラスを手に持つと、周りは直ぐにそのハチマキを頭に締め、イッキ飲み反対を訴えた。そのハチマキを見て彼は一瞬怯んだが、彼は妥協することなくイッキ飲みを始めた。

一軒目ではハチマキがあったお陰で、先輩は周りにイッキ飲みを勧めることは無く、犠牲者はでなかった。しかし2軒目では酒の勢いもあり、彼は部下にイッキ飲みを勧め、部下は「イッキ飲み根絶!!」と書いたハチマキを頭に締めたままイッキ飲みをし、ついにダウンして眠ってしまった。

さらに3軒目では先輩はそのハチマキを気に入ったようで、周りの人の目を全く気にすることなく、そのハチマキを頭に締め野獣のようにイッキ飲みをしていた。そして全く別の客にまで酒を勧める始末。今ではイッキ飲みは社会的に問題になりそうだが、僕らの世代では宴席でのひとつの文化だ。その後、宴席も終わり皆無事に帰宅した。

もし、そのハチマキをしたまま路上で潰れている姿を通行人が見ると、イッキ飲みを拒絶し断固反対したにもかかわらず、結局イッキ飲みを勧められ、潰れて眠ってしまったと思うだろう。
なかなか微笑ましい光景だ。

written by ゴンザレス


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