大手広告会社の若い女性社員が過労により自殺し、社会に大きな波紋が広がっている。その企業内でどのような指示や業務があったのか詳しく知らないが、長時間の残業に休日の出勤と、彼女は毎日仕事に追われていたようだ。
きっと彼女は真面目な性格で、社内で反発もせず、毎日、余裕も無く、心のゴムヒモがいつもピーンと張った状態だったのだろう。ある時、そのピーンと張ったゴムヒモはプチンと切れ、心がクラッシュし、鬱病のようになってしまったのだろう。そして自ら死ぬことでその状況から開放されることを望んだ。
死を選択させるまで、社員を追い詰める企業は何とも異常だが、彼女はその状況から上手に抜け出せなかったのだろうか?彼女は自分の大切な価値観を社内で主張することができなかったのだろうか?そして社内に誰も彼女を守る仲間はいなかったのだろうか?
死に追い込まれるほど仕事をするということを僕は理解できない。僕は何事も8分で取組み、2分の余裕を持ってないといけないと思っている。それが自然の摂理だと考える。野生のライオンも狩りと食事以外はほとんど寝ている。
ところで当社の企業理念は、
『広告とクリエイティブ業務を通じてお取引先様を正しく幸せにし、
そして社会に正しい幸せを広げる』
と掲げている。お取引先様にはお得意先と協力会社も含まれ、社会には社員はもちろん、広告に触れた消費者も含まれている。そして単に幸せにするではなく、正しく幸せにしなければならないと考えている。
そのためには心に余裕がないといけないし、多くの人や物、そして多くの文化などに触れ、感性も磨かなければならない。
自殺した彼女は死をもって仕事から解放される幸せを求めたが、それは正しい幸せだったのだろうか?そしてその大手広告会社は正しい幸せを社会に広げているのだろうか?
残された遺族は彼女の死を決して受け入れることはできないだろう。そして正しい幸せを感じることもできなくなるだろう。
written by マックス