スーパーのバイヤーは8月には問屋やメーカーとの商談を終え、8月末から春夏商品を秋冬商品に入れ替える。今の時期の売場は鍋つゆやシチューなどの商品がずらりと並んでおり、メーカーは先行して鍋つゆやシチューのCMを流し始める。
また百貨店では早くも正月のおせち料理の予約受付が始まり、販売初日には数百名がオープン前に並んでいた。スーパーや百貨店などでは2、3ヶ月前から季節を先取りして動く。何とも気の早い業界なのだ。
僕は大の鍋好きで、宴会などで鍋が出るといつも鍋奉行になってしまう。また季節に関わらず僕はよく鍋を食べる。鍋は用意や片づけが簡単なうえ、食材のバランスも良く野菜もしっかり摂ることができるからだ。
ひと昔前は鍋のつゆは市販されておらず、各家庭でだしを取り、鍋つゆを作っていた。しかし最近では多くの食品メーカーが鍋つゆの市場を開拓し、豊富な種類の鍋つゆがスーパーに並んでいる。
先日、スーパーで早速鍋つゆの売場を覗いてみると、今まで見たこともない鍋つゆが陳列されており驚いた。最近の鍋つゆは何でもありのようで、中にはギャグで商品開発しているようなものまである。
「坦々鍋のスープ」、「トマト鍋のスープ」、「塩レモン鍋つゆ」、「和風だしとんこつ鍋スープ」、「ハッシュドビーフ鍋スープ」…。
定番の「ちゃんこ鍋のスープ」や「寄せ鍋のスープ」などは理解できるが、「塩レモン鍋つゆ」、「ハッシュドビーフ鍋スープ」とは、一体何なんだろう。ハッシュドビーフを鍋にせずハッシュドビーフで食えばよいものを。
食品メーカーが新しい商品を開発することで、新しい味覚や選択肢が増えることは良いことだが、余りにも奇抜なものだと敬遠し受け入れないのではないだろうか。
「ハッシュドビーフ鍋」…僕は間違っても食べないだろう。
written by モンコ