再生医療…
2016年04月01日
両親が高齢になり病院にかかることが増えた。特に父は様々な箇所にトラブルがあるようで、診療科目を変えて日替わりで病院に出掛けている。若い頃の父は病院に掛かることはなく、薬を服用しているところも見たことはなかった。しかし今では何種類もの薬を毎日服用している。
最近も新たに大腸にトラブルがあり、検査をしてみるとポリープが見つかった。幸いにも早期のものだったので、簡単な手術を医者に勧められたようだ。
「歳やけん、進行は遅かろうし、簡単な手術でも大変やろうけん、様子ば見たらどげんね?」
僕はそう言ったが、父は手術を受けると言う。
両親を見ていると、明日は我が身のように感じる。僕が両親の年齢まで生きることができるかわからないが、将来、両親のように僕も病院に通い、毎日薬を服用することになるのだろうか。想像すると何だか嫌になる。
テレビ局は若者のテレビ離れが進み、視聴者の多くが高齢者になったからなのだろう。最近は医学や病気の番組が増え、中には医学のバラエティー番組などもある。そして両親は好んでそんな番組を見るようになった。健康に気を遣っているのだろう。またCMに誘われて健康食品も良く購入するようになった。
「医療は日進月歩で、あんたが私たちの歳になる頃には、再生医療の技術が進歩するけん、ほとんどの病気は直ぐ治るようになるばい!」
そう母が言う。
そして母が僕の身体を気にしてこう言う。
「体に悪いけん、いい加減、タバコ止めんね!!」
僕はこう返す。
「いずれ再生医療の技術が進むっちゃろ?」
written by マックス