2月26日は以前勤めていた会社が倒産した日だ。歴史的に有名な2.26事件があったこともあり、倒産した日付はしっかり記憶している。
その日、昼前に東京の本社から僕が勤めていた九州支社にファックスが一枚送られてきた。
ファックスの内容は社長が裁判所に破産申し立てを行ったことと、今をもって全社員を解雇するという内容だった。事前に会社の状況が良くないことは知っていたが、その日に倒産するとは想像していなかった。
午後になると債権者の多くが事務所に押し寄せて来た。そして僕らに説明を求めるが、僕らも寝耳に水の状態で、本社から正確な指示や情報もなく大変混乱したことを覚えている。事務所のデスクやキャビネットなどの事務所の什器がリースだったようで、どこから聞きつけたのか早速リース会社の担当者がやってきて、什器に赤札を貼っていった。僕はそのスピーディーな対応に感心してしまった。初めて僕は赤札が貼られる瞬間を目にした。
ついこの間のように感じるが、早いものであれから13年が経つ。
当時、独立することに多少の不安はあったが、希望のほうが大きかった気がする。そして出会いや別れを繰り返し、数ある道の中からこの道を選択し歩んでいる。
本当によく生きているな(笑)
以前は2月26日になると当時の職場の仲間で集まり、近況などを報告しながら飲んでいた。そのうち時間が経つと集まって飲むこともなくなった。
昨日2月26日に、当時の職場の上司(?)から久しぶりに連絡があった。
「久しぶり!元気しとーやー?今日は何の日か覚えとるや?」
「ちゃんと覚えとりますよ。2.26でしょ!」
「お前もいい年になったやろ」
「そっくりそのまま言葉返しますよ!」
当時の仲間はきっと2月26日のことを記憶しており、どこかで当時を思い出すのだろう。
みんな元気でやっていたらいいのだが。
written by マックス