台風で被災した方には大変申し訳ないのだが、台風が近づくと僕はなぜかワクワクしてしまう。日常生活と異なり、多少の緊張感やスリルを感じるからだろう。近年、福岡に直撃した台風は少ないが、少し進路を変えつつも福岡に台風11号が迫っている。台風11号の名称は「HALONG」(ハーロン)だ。一体、誰が名前を付けているのやら(笑)
若い時分に大型台風が福岡に直撃することがあった。福岡に台風が到達するまでには随分と時間があったが交通機関は完全にストップした。そこで台風が通過するまで、職場の仲間と居酒屋で一杯やることになり適当な店を見つけ中に入った。僕ら以外にお客は誰もいなかった。
時間が経つと風雨が増し、時折シャッターなどに物がぶつかる音で僕らは大いに盛り上がった。しばらくすると、店の主人は身勝手にも店を閉めると言い出した。そして僕らは外に放りだされた。仕方なく台風の近づく暴風雨の中を、ずぶ濡れになりながら事務所に戻った。そして台風が通過するまで事務所で眠り、台風が去って其々会社の営業車で帰ることになった。
目を覚ましテレビを付けニュースを見ると、既に台風は福岡を通過していた。帰宅するため事務所を出て営業車の止めてある駐車場へ向かう。台風の吹き返しでとにかく風雨はまだ強く、突然の強風に体が煽られる。急いで営業車の古い軽自動車に乗り込んだ。そしてゴミ箱や看板、傘など、多くのものが宙を舞っている中を自宅に向けてひた走った。僕の運転する車の前後も、すれ違う車もなかった。自宅への道のりの半分ほど過ぎた辺りから光景が変わった。
住宅の電気や街灯、それに交差点の信号まで全て消えていた。僕が運転している車のヘッドライト以外に灯りはない。この世に僕一人になったのではないかと思ってしまう。真っ暗闇の中、信号が消えている交差点を注意しながら通過する。そのまま走っていると、突風で車のタイヤが浮き、片輪走行になった。車が横転するのではないかと必死にこらえる。小さな軽自動車は何度も風に煽られ、やっとのこと自宅に帰り着くことができた。通常、自宅には30分ほどで着くのだが、その日は1時間以上かかってしまった。
あの台風で怪我ひとつせず、とにかくスリル溢れる経験をした。だから今でも台風が来ると聞くとワクワクしてしまう。レジャーや旅行の計画がある皆さんには申し訳ないが、勢力を保ったまま直撃しろと願っている(笑)
それでは皆さん、くれぐれも気をつけて!
written by ベイダー