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彼の金メダル
2014年04月18日

数年ぶりに、お取引先である特許事務所の方が弁理士の国家試験に合格した報告で、うちの事務所を訪ねて来てくれた。彼はご年配だったので、てっきり弁理士の資格を持っていると思い込んでいたが、資格を持たずに特許事務所の事務職員として働いていたそうだ。

失礼ではあったが、年齢を尋ねてみると65歳になったと、恥ずかしそうに応えてくれた。更に過去何度、弁理士試験を受けたのか尋ねてみると、彼は「出来が悪いのもので…」と断り、8回も挑戦したことを教えてくれた。
「へー」僕はとにかく感心してしまった。

彼のひとつのことに挑戦し続けるその姿が逞しく、そして羨ましく感じた。年齢を重ねても勝ち取った自分の誇りに充分満足しているようだった。果たして僕が65歳になった時にひとつのことに執着し、それに挑戦し続けることができるだろうか…。

今年は冬季オリンピックがあり、何かとメダルの話題も多かった。何にしてもメダルを獲ることは簡単ではない。茨の坂道を登っていくようなものだろう。
人生の中で自分の目標を明確にし、失敗しても諦めずに挑戦し続け、その目標を達成する。そして自分の目標だったメダルを獲得できれば、何と幸せなことだろう。そのメダルに形が無くても…。

彼はやっと国家試験に合格し65歳で晴れて弁理士になった。彼は国家資格というメダルを胸にこれからも仕事に打ち込んでいくのだろう。まるで青春時代に戻ったよう清々しい気持ちで…。

彼に心から拍手を贈りたい。

written by ゴンザレス


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