立春が過ぎ、暦の上では春になったが、今週は今季一番の寒気が流れ込み、福岡でも最高気温が3℃前後と、まるで冷蔵庫の中にいるような寒さが続いた。積雪を期待していたが、結局、雪は積もらなかった。僕が子供の頃には福岡でも雪は積もっていたのだが…。
ところで立春の前日は「節分」で四季を分ける節目にあたる。「節分」は季節を分ける「雑節」で、本来は各季節の始まりである「立春」・「立夏」・「立秋」・「立冬」の前日を指す。「雑節」とは日本人の生活や文化、季節の移り変わりを基に生まれた日本独自の特別な日で、農作業に合わせた季節や気候の移り変わりを示す目安の日だ。しかし現在は正月に近く、春は年度替わりを指すことから「立春」の前日だけが、「節分の日」として残った。「節分の日」は2月3日と認識している人が多いが、今年の「節分の日」は2月2日に動いた。なぜ「節分の日」が動いたのだろうか?「節分の日」が動くのは「立春」が動くため、その前日に当たる「節分の日」も揃って動くからだ。
そもそも現在の日付・時刻は、地球が太陽の周りを一周する時間を「1年」とし、1年の日数を365日と決めている。しかし地球が太陽を一周する日数はぴったり365日ではなく、およそ365.2422日で365日と6時間弱と1年より微妙に長い。そのため「立春」の基準となる「立春点(太陽の軌道315度の位置)」は年々遅くなり、4年経つとその累計はほぼ1日になるそうだ。そこで1日増やし「うるう年」を作ることで、季節と日付がずれないように日付・時刻を調整し、このずれを補正している。
しかし地球が太陽を一周する日数は365日+6時間弱という端数があるため、「うるう年」で1日を補正すると、逆に日付・時刻が約45分遅れてしまい、この約45分の日付・時刻の遅れは「うるう年」のたびに溜まり、400年で約3日分増えてしまう。そのため「うるう年」を400年間に3回減らし、日付・時刻の遅れ補正するので「立春」の日付は動き、その前日に当たる「節分」も同時に動くことになる。
子供の頃、節分の夜は家族全員で決まって豆まきを行っていた。照明を消し各部屋の窓から外に向かって豆を撒く。まず親父が「鬼は外~、福は内~!」と大声で叫びながら豆を撒き、僕と妹がその後に続く。お袋は近所迷惑だと困っていた。豆まきが終わると、照明を消した暗い部屋に豆を撒き、豆を手探りで探して歳の数だけ食べていた。今の僕の歳では沢山の豆を食べなければならない。当時を思い出すと懐かしい…。