早いもので10月に入り、今年も残り3ヶ月だ。マンションの改修工事は続き、足場が組まれネットで覆われているので窓から秋へと移る景色を眺めることができない。また部屋から離れた箇所の工事でも、その騒音はコンクリートを伝ってマンション全体に響くので、うるさくて外に出てしまうほどだ。耳の良い愛犬Q次郎もその音にストレスが溜まっているようで、レースのカーテン越しに足場を渡る作業スタッフの人影が映るとQ次郎はけたたましく吠える。
「Q!そんなに吠えるとびっくりして足場から落ちるぞ!」
ところで先週末、自民党総裁選で石破氏が勝利し、今週、石破氏が総理大臣に任命された。自民党の総裁選に出馬する顔ぶれが揃った頃、石破氏に勝って欲しいと僕は思っていたが、選挙戦が始まり石破氏の話を聞いているうちに彼の勝利を望まなくなった。それは石破氏が株式投資で得た利益などに課税する『金融所得課税』の強化に言及したためだ。今週の月曜日、石破さんの自民党総裁選の勝利を受け株式市場は大きく反応し1,910円も下落した。この下落の背景には何があるのだろうか?
今、日銀は利上げを段階的に進めているが、金利が上昇すれば国債の利払い費用が増え国債の発行は控えるという機運が高まり、「国や地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)の黒字化」を石破氏は強く推し進めるだろう。岸田政権でもPBの黒字化は示されたが、当時の日銀の追加利上げ幅は小さくPBの黒字化の議論は「金利のない世界」が前提だった。現在の税収では政策的な費用も十分に賄えず国債発行で補っているが、「金利のある世界」では、国債の発行を控えても国債の利払い費用が増えるので、当然、増税は避けられない。そして石破氏が総裁選で語った「金融所得課税」や「法人税」の強化が現実味を帯び、さらには「消費税増税」にまで及ぶかもしれない。今後、増税が国民の肩に重くのしかかり日本経済は混乱してしまう恐れがある。
結局、この国は誰が総理大臣になっても上手な舵取りができず、豊かで暮らしやすい国にはならないのかもしれない。日本を離れ、海外に移住し観光で日本を訪問するくらいが調度良いかもしれない。
パソコンに向かってブログを書いていると、窓から足場を渡る作業スタッフの人影が映りQ次郎がまた吠える。
「Q、どこか静かなところで暮らそうか?」
「ワンワン!」