3月に入り、日本人が好む桜の季節が近づいてきた。冬と春がせめぎあっているようで、先週から天候が悪く愛犬Q次郎は散歩に出掛けられないので、噛むと「キュッ♪キュッ♪」と鳴るおもちゃで遊ばせている。以前はペットショップで1,000円ほどするおもちゃを買っていたが、Q次郎は15分ほどでおもちゃを噛み瞬殺してしまうので、今は100円ショップで買ったおもちゃを与えている。雨の日が続き、家中Q次郎に破壊されたおもちゃが散乱し、それを見ると何とも痛ましい…。
ところで最近の日本株は右肩上がりで上昇し日経平均株価は40,000円に迫っているが、この株高に「ピンとこない」という人は多いようだ。そもそも日経平均株価とは、日本で上場している約4,000社の中から各業界を代表する企業で構成され、株式取引が活発に行われる流動性の高い225社の平均株価だ。そのため一部の上場企業によって日経平均株価は大きく左右されてしまう。今はAIブームで半導体関連企業が絶好調のうえ、円安により海外で収益を上げるグローバル企業が収益を伸ばし、こうした企業の株価が日経平均株価を押し上げている。しかし内需企業の業績は厳しいようだ。
先日発表された10月~12月期のGDPを見ると、消費を反映した国内需要は連続マイナスで、しかも新型コロナ流行前の水準よりも低い数字になっている。実際、内需企業の株価は低空飛行を続け、ベンチャー企業の株価については安値を更新する企業もある。
しかしバブル期に付けた日経平均株価の史上最高値は金融、不動産、通信など内需企業の株価で上昇し、同時に国内企業に従事する労働者の賃金も上昇していた。今はグローバル企業の業績が日経平均株価を牽引し賃金も上昇しているが、内需企業は業績に加え賃金動向でもグローバル企業と差が生じている。
今年に入り新NISAがスタートし、今の株高に踊らされた多くの人が証券会社主催のセミナーに参加している。株価に躍らされて大きな資金で直ぐに投資を始めるのではなく、腰を据えて長期分散投資を行わなければ、「投機」になりギャンブルのようになってしまう。僕も10年ほど前に投機的な投資で失敗が随分続いた。
政府は物価以上に賃上げを企業に促しているが、バブル期のような実質賃金のプラス浮上はまだ先になりそうで、国内消費が弱い環境下で日銀が金融緩和を縮小すれば、さらに重石になる可能性がある。物価、株価、そして賃金がセットで上昇していくことが景気回復のセオリーなので、今後の景気の行方は長い目で見ていく必要があるようだ。
「賃上げか…そう言えば、長くボーナスを貰ってないな~」