日本の人手不足は年々深刻化しており、近所の飲食店でも店をたたむところが増えている。人手不足の背景には、少子高齢化や団塊世代の一斉退職、非正規雇用の待遇の低さに加え、終身雇用が当たり前だった時代とは異なり、転職を繰り返す人が増加している。特に深刻なのは「生産年齢人口」に該当する15歳から64歳の人口が20年間で右肩下がりに減少し、もうすぐこの世代に加わる14歳以下の人口も減少を続けている。そこに新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言を受け、多くの企業が人員を削減し非正規社員を解雇した。その結果、新型コロナウイルスが収束し経済活動が再開されても人が戻らない状況が続いている。
その中、沖縄で暮らす義父から不動産処分の相談を受けた。義父は沖縄県北部の「やんばる」の森のゴルフ場跡地の辺鄙な場所に土地を所有しているが、その土地に隣接してテーマパーク「ジャングリア」が来年オープンする予定だ。僕は東京の大手不動産会社の方にその旨を伝えると興味があるようで、先週、一緒に現地を視察した。
那覇空港から車で約2時間の山奥に義父の所有する土地はあり、その隣接した広大な土地にはテーマパーク「ジャングリア」は建設されている。義父の所有する土地を確認すると、「ジャングリア」の正門のすぐ側だが中途半端な広さで、視察を終えた後、土地の有効活用や売却先など不動産会社の方に尋ねた。
「この土地はショッピングセンターなどを開発するほど広くないので、ジャングリアの従業員寮にした方が良いでしょうね」
「福利厚生のための寮ですか?」
「はい。今はどの業界も人手不足で頭を抱えていますが、特にレジャー施設は人手不足が深刻で、人員を確保のために好待遇で快適な寮を建設し人員を集めています」
そう言って彼はこう続けた。
「ここに来る前に調べたんですが、「ジャングリア」を運営には1,000人ほどの従業員が必要だそうです」
「1,000人!?沖縄の中心部から離れた山奥ですよ。そんなに集まりますかね~」
「福利厚生を充実させないと従業員が集まらないでしょうね」
「なるほど~」
彼は東京に戻り複数の企業に打診すると言って現地で別れた。
これからの時代は賃金を上げ、福利厚生を整えて好待遇で採用活動をしないと人員の確保は難しいようだ。今後、日本の企業の販管費はさらに膨らみ利益を出すことは難しくなりそうだ。
来週は祝日でブロブ更新はお休み。皆さん素敵な連休を!