今週、天気が良かったので足腰の弱くなったお袋を連れて、見頃を迎えたコスモスを見に公園に出掛けた。その公園は広く車椅子を借りることができたので、お袋を車椅子に乗せコスモスの咲くエリアへ。途中、車椅子を押す僕に申し訳ないと、お袋は何度も謝っていた。コスモスのエリアで高台に上ると、風に運ばれて金木犀の香りが漂い、眼下には沢山のコスモスが広がりその風景を見てお袋は喜んでいた。コスモス見物の後、レストランで食事を取ることに。レストランのメーニューを見ると価格は軒並み上がっていた。あちゃ~。
ところでウクライナ戦争や円高などで物価は上昇し節約志向が強まる。ひょっとすると貯金を切り崩して生活している家庭もあるのかもしれない。「お金は天下の回り物」というが、こう物価が上昇するとお金は回らなくなってしまう。
そもそもお金には、交換機能、価値保存機能、価値尺度機能の3つの機能と役割がある。まず交換機能は商品やサービスの交換をスムーズにできる。もしお金が存在しなければ、今も物々交換をしなければならない。次いで価値保存機能はお金を将来使うために蓄えておくことができる。食品など長期間保存はできないが、お金は長期保存ができる。そして最後に価値尺度機能は商品やサービスの価値を日本では「円」という単位の尺度で測ることができ、この尺度を基準に購入を決定している。当然のことだが、海外では通貨の単位は異なるのでその国の通貨に交換し利用することになる。
日本では「無駄遣いをするな」、「貯金しなさい」と子供の頃から親に口酸っぱく言われて育つので、この点は頭に叩きこまれている。しかし親から「お金に仕事をさせろ」と教えられることはない。過去の日本は銀行に預金しておくだけで、リスクはなくお金が10年で2倍近くに増えていた。郵便貯金の定額貯金3年以上の利回りは1974年時点で年利8%だ。しかし今の時代は預金していてもお金は増えない。このように超低金利時代では交換、価値保存、価値尺度の3つの機能に加えて価値上昇を学ぶ必要があり、「お金に仕事をさせなさい」と子供に教えなければならない。最近では高校などで投資の授業が始まっているようだが、日本は欧米に比べ「投資」の知識は低い。早いうちからお金の知識を身に付け、リスクを取りながら計画的にお金を増やしていかなければならない。
日本では「清貧思想」が根強くお金を敬遠するところがあり、僕の周りにもお金を悪と敬遠する者がいる。ある意味お金に対して妬んでいるようにも感じるが、お金は本当に悪なのだろうか。無駄に散財することは良くないが、豊かな暮らしを送るためにはお金は大切だ。