季節が移り変わる時期は去って行く季節と訪れる季節のせめぎ合いで、去って行く季節の切ない涙なのか長雨が続く。福岡でも先週から天気は目まぐるしく変わり、気象台から大雨警報や雷警報の発表が続いた。
今週の月曜日は「敬老の日」で多くの高齢者がお祝いされる様子が報道されていた。厚労省の発表では、全国の100歳以上の高齢者は前年から約1,600人増え92,000人を超え少子高齢化が加速している。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口では、2070年には総人口が約8,700万人、2120年頃には5,000万人を割り込むという。
ベストセラーになっている『未来の年表 (業界大変化 瀬戸際の日本で起きること)』では、人口減少によって各業界でこれから起きる問題を可視化し、その問題を克服するための方策を示している本だ。この本に書かれている各業界で起きる問題を挙げてみよう。
〇製造業界で起きること…革新的なヒット商品が誕生しなくなる。
〇自動車業界で起きること…整備士の不足で事故を起こしても車が修理できない。
〇金融業界で起きること…IT業界で人材80万人が不足し銀行トラブル続出する。
〇当地企業で起きること…地方紙、ローカルテレビ局が消えてしまう。
〇物流業界で起きること…ドライバー不足で10億トン分の荷物が運べない。
〇住宅業界で起きること…30代が減り新築住宅が売れなくなる。
〇建設業界で起きること…老朽化した道路が修理できず放置される。
〇電車のローカル線で起きること…赤字はさらに続いていく。
〇生活インフラで起きること…地方では水道代が高くなる。
〇医療業界で起きること…2030年頃には「患者不足」になり、「開業医は儲かる」という神話が崩壊する。
〇寺院業界で起きること…多死社会なのに寺院が消滅していく。
〇葬儀業界で起きること…会葬者がいなくなり「直葬」が一般化する。
〇安全を守る仕事で起きること…60代の自衛官が80代~90代の命を守っている
驚くことにこの本に記されている予測は的中しているが、一体なぜ人口を通じた未来予測は的中するのか。それは人口の未来は予測ではなく過去の出生状況の投影のため、1年間に生まれた子供の数をカウントすれば、20年後の20歳、30年後の30歳の人数はほぼ確実に把握でき、人口減少がもたらす未来はほぼ正確にわかるという。
政府は少子高齢化を食い止めようと躍起になっているが、少子高齢化の波は止まらないだろう。それよりもAIやロボットなどの技術を高め、少子高齢化の中で起きる問題を補うことが大切ではないだろうか?
将来、老人だらけになって「敬老の日」は無くなってしまうかもしれない。