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Don’t worry .I’m wearing!
2023年06月23日

来週、福岡の天気予報は雨マークがずらりと並んでいる。その中、気が早いと言うか、早くも一匹の蝉の声が聞こえた。昨年まで部屋の窓から隣家の大きな銀杏の木が臨めたが、マンションが建設されることになり隣家は解体され銀杏の木も倒されてしまった。毎年、その大きな銀杏の木から、蝉の大合唱が聞こえ煩かったが、今年の夏は銀杏の木から蝉の声が聞こえないと思うと、何だか寂しい。

ところでスイスのビジネススクールIMDは世界64カ国の経済統計と経営者への意識調査を基に経営環境や政策などを評価し、「国際競争力ランキング」を発表している。今月20日にその結果が発表され、ランキングのトップはビジネスや政府の効率性、インフラ整備などが高く評価されたデンマークが2年連続の1位に輝いた。2位は高い経済指標の後押しを受けたアイルランドで、3位は昨年の11位から順位を急上昇させたスイス。4位から10位はシンガポール、オランダ、台湾、香港、スウェーデン、米国、UAEアラブ首長国連邦と続く。そして残念なことに日本は35位で、G7・主要7カ国では41位のイタリアに次いで低いランキングだった。

競争力などのランキングを発表する企業では調査方法が異なり、欧米諸国が上位になるような基準になっている事が多いようだが、今回の日本の順位は今の日本の現状を反映しているように思える。最近、日本の株価はバブル経済崩壊後の最高値を更新し高値が続いているが、この株高は円安効果で大企業を中心に過去最高の利益を計上によるものだろう。この株高をまるで日本経済の復活によるものだと報道しているところもあるが、半導体を始め日本が強かった分野は総崩れしているのが現状だ。しかも製造業全般では中国や東南アジアの国々に既に追い越されている。

今後の日本は少子高齢化で優秀な人材のパイは今よりさらに小さくなり、労働人口の減少や国内購買力の低下で更に成長基盤が失われていく。内需に期待が持てなければ、当然、外需で稼がなければならないが、今回発表されたランキングでも分かるように日本の国際競争力は低下しており、日本経済は今後、さらに苦しくなる恐れがある。

戦後、日本は焼け野原から復興し大きく経済成長を果たすが、バブル経済崩壊後、日本経済は再生することができず、「失われた20年」と呼ばれるデフレによる停滞期が長く続いた。この時期、世界はワールドワイドに繋がり、逆に日本はガラパゴス化し縮小してしまった。今後、英語力はもちろん、コミュニケーション力、プレゼンテーション力など日本はしっかり養わなければならない。

以前、日本で一発芸人だった「とにかく明るい安村君」彼は英語が流暢ではないが、英国番組「ブリテンズ・ゴッド・タレント」に出演し決勝まで進んだ。彼は会場を笑いの渦に包み日本の芸人が世界で通用することを証明した。

日本人は「とにかく明るい安村君」の勇気とコミュニケーション力など見習う必要があるのではないだろうか?

「Don’t worry .I’m wearing! 」


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