今週は10年に一度とも言われる大寒波が日本に襲来し、福岡では昼間の気温が氷点下まで下がり寒い日が続いた。福岡ではまとまった雪が降り平地では積雪15㎝になると予想されていたので身構えていたが、積雪はほとんど無く「大山鳴動して鼠一匹」だった。
ところで人類の残された時間を象徴的に示す「終末時計」の針が今年進み、人類滅亡までの残された時間は「残り90秒」と、これまでに最も短くなった。「終末時計」は人類滅亡を「午前0時」になぞらえ、その終末までの残り時間を象徴的に表現したもので、アメリカの科学雑誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」(原子力科学者会報)が核戦争の脅威について警告しようと、1947年から毎年、雑誌の表紙絵にしている。最近は核戦争のほかにも気候変動など人類にとっての様々な脅威も「終末時計」に反映しているという。
「終末時計」が初めて発表された1947年は、人類滅亡まで「残り7分」だったが、その後、アメリカと旧ソビエトが相次いで核実験を行い核の軍拡競争が続いたことから、1953年には最も短い「残り2分」となった。その後、冷戦が終結し核軍縮の機運が高まると、1991年に「残り17分」となり、「人類最後の日」が巻き戻された。しかし、それ以降は北朝鮮やイランによる核開発に加え、気候変動や新型コロナウイルスの感染拡大などを受けて「終末時計」の針は進み、2020年から去年までは3年連続でこれまでで最も短い「残り1分40秒」となった。そして今年、「終末時計」の針は更に進み「人類最後の日」まで「残り90秒」になった。
その理由にはロシアによるウクライナへの軍事侵攻を真っ先にあげ、ロシアが核兵器の使用を示唆したことで、事故などによって戦争が拡大するリスクが高まり、この戦争が誰にもコントロールできなくなる可能性があると指摘。また、ロシアによる軍事侵攻で、ウクライナの原子力発電所から放射性物質が放出される危険もあるとしている。
さらに中国の核軍拡の動きや北朝鮮による核・ミサイル開発のほか、ウクライナ情勢の影響で気候変動と闘う世界的な努力が弱体化していること、そして新型コロナウイルスのような感染症のリスクもあると指摘し、世界は前例のない危機的な状態にあると強く警告している。
戦争、地球の温暖化、未知のウィルス…人類はいくつも大きな問題を抱えている。問題解決のためには国や人種の垣根を超え、人間の叡知を結集し問題に挑まなければならない。急がなければ人類は近い将来、本当に滅亡してしまうかもしれない。
「残り90秒」…。残された時間は少ない。