近年、ハロウィンは日本でも定着し各地で仮装した若者が街に繰り出し騒いでいる。若い頃は何かと理由を付けて騒ぎたくなるので、僕の若い頃にハロウィンが日本に定着していれば、仮装して街に繰り出して騒いでいただろう。
先週末、楽しいはずのハロウィンの夜に韓国で大惨事が起きた。韓国ソウルの繁華街で犇めき合った若者らが転倒し圧死による死者は150人を超え、負傷者は100人以上に上った。被害者の多くは10~20代の若者で、二人の日本人女性もこの事故に巻き込まれた。僕の姪っ子は現在、韓国に留学しており心配で連絡を取ったが、姪っ子は街には出掛けておらず無事だった。
この事故は「群衆雪崩」と呼ばれ大勢の人が密集した状態で、何かをきっかけにドミノ倒しのように、次々に転倒し圧し潰されてしまう。事故現場の飲食街はネット配信の人気ドラマの舞台になった観光地で、その飲食街の狭い路地で緩やかな坂道で事故は起きた。韓国の飲食店では新型コロナウイルスによる規制が3年ぶりに解除され、飲食店の並ぶ繁華街に大勢の人が繰り出し混雑していた。
事故の様子を映した映像には、多くの人がギュウギュウ詰めで犇めき合い、パニック状態のようで、「密集した若者らが坂の下へ向かって折り重なるように倒れた」という証言に僕は背筋が凍り息苦しくなった。事故発生後、現場一帯では救急隊員らが下敷きになった人を助け出し、あちこちで心臓マッサージをする救助活動の映像も映っていた。
僕も大勢の人が集まる祭りやイベントに何度も出掛けたことはあるが、あれほどの人が一か所に集中し犇めき合う光景は目にしたことは無い。ハロウィンという特別な日に仮装して高揚感に包まれた若者が大勢集まり、酒に酔った人も多く、皆、興奮していたのだろう。行政は大勢の人出を想定し、事前の手立てすることができなかったのだろうか。
この事故を教訓に今後は同じような事故が二度と起きないよう、行政はもちろん参加者も含めてしっかり考え対応することが必要だ。楽しい夜が一瞬で悪夢になるとは…。同じ事故が二度と起きないことを切に願っている。