初冬の寒さが日本を包み、いよいよ僕の好きな冬がやって来た。冬に外出先から戻ると部屋の温もりを感じ、熱い風呂に入ると寒さで硬直した体がほぐれ幸せを感じる。また冬は食べ物がおいしい時期でたくさんの具材の入った鍋は胃袋と心を満たしてくれる。しかし愛犬Q次郎は冬が苦手のようで布団の中から出てこない。童謡「雪」に「犬は喜び庭駆けまわり猫は炬燵で丸くなる~♪」と言う歌詞があるが、屋内犬は寒さに弱いようだ。
ところで犬は人間の言葉を400ほど理解するそうだ。ドイツの実験で犬に隣の部屋に置いてある新聞を持ってくるように命令すると、10種類もの中から新聞を選び咥えて持ってくるそうだ。また隣の部屋に犬に名前を教えている9つの物と、名も知らず見たこともない物を1つ置き、その1つを持ってくるように命令すると、犬はそれを推測し咥えて持ってきたと言う。Q次郎は褒められると喜び家中を走り回るが、逆に叱ると尻尾を巻いて部屋を静かに出て行く。Q次郎も僕の言葉や言葉のトーンをしっかり理解しているようだ。
また野生の動物の多くは視線を読まれないように白目が無く黒目だけだが、人は白目があるため黒目の動きで行動が読みやすく、犬は人の黒目の動きで次の行動を予測するそうだ。僕がQ次郎を散歩に連れて行こうとリードに目をやると、Q次郎は散歩に出掛けることを察知し玄関まで走って行く。
先日、雑木林のある公園に紅葉を見に行こうとQ次郎と散歩に出掛けた。僕が散歩に出掛けるため着替えを始めると、Q次郎は散歩に出掛けることを察知し玄関先で待っている。Q次郎を抱き玄関のドアを開けると、外の寒さにQ次郎は震え散歩に行きたくないと僕の顔を舐めたが、強引に車に乗せ散歩に連れ出した。
公園に着くとQ次郎は車から出たくないと拒んだが、リードを付けると仕方なく車を降り散歩に出掛けた。Q次郎は余程寒かったようで駆け足で散歩をしていたが、僕が散歩を終え家に帰ることを察知するとQ次郎は車へ駆け出した。Q次郎は車に乗り込むと僕の膝の上に座り嬉しそうに僕を見つめる。
犬は人を癒す力があるそうで、人と犬は触れ合うことでお互いの脳の中で「オキシトシン」というホルモンが分泌される。この「オキシトシン」には心を癒し体の痛みを和らげる働きがあり、人が犬と触れ合うことで分泌される「オキシトシン」の量は通常の3倍に増加するそうだ。これまで「オキシトシン」は同じ動物同士が見つめ合ったり、触れ合ったりすることで分泌されると考えられていたが、人と犬は違う生き物でありながらお互いこのホルモンを分泌しお互いの絆を深めている。
「さぁ、Q次郎、暖かい家に帰ろう!」